女性専用のレディースローンは審査が甘いってホント?
レディースローン(女性専用)の「審査が甘い」に関する噂の真偽について
数あるカードローン会社の中には、利用者を女性に限定した「レディースローン」を扱う会社があります。レディースローンは利用者が女性のみであることの他に、女性が利用しやすいような工夫をして、他社と差別化を図ろうとする傾向が強いシステムです。これは、オペレーターに女性を配置して、相談しやすい環境を提供していることにも表れています。
女性専用のレディースローンは審査が甘い、という話を聞く機会も少なくありません。実際に、一般的なカードローンとレディースローンでは、審査基準などに違いはあるのでしょうか。今回は、レディースローンの特徴や審査基準、一般的なカードローンとの違いなどについてご紹介します。
女性専用のレディースローンってどんなカードローン?
レディースローン(女性向けカードローン)は、一体どのようなカードローンを指す言葉なのでしょうか。
そもそもカードローンは、銀行カードローン、消費者金融カードローン、信販カードローン、流通カードローンの4種類に分けられます。この分類は、カードローン会社の性質によって区分されており、銀行カードローンはその名の通り銀行が発行主体のため、銀行法の規制を受けます。消費者金融カードローンは消費者金融業者、信販カードローンはクレジットカードなどを発行する信販会社、流通カードローンは大手百貨店などが発行主体となります。
銀行カードローン以外は貸金業法の規制を受け、総量規制という借り手の収入要件が法的に求められますので、無収入の方は利用できないことになります。
それでは、レディースローンはどの分類に入るのでしょうか。
レディースローンは、女性を対象としたカードローンという意味なので、上記の分類には影響されません。したがって、レディースローンはどのカードローンにも当てはまる可能性があるのです。実際のところ、レディースローンに一番力を入れているのは、消費者金融でしょう。
消費者金融は一般消費者に向けてお金を貸し出す事業者で、貸金業者とも呼ばれます。一時代前は、「サラリーマン金融(サラ金)」と呼ばれたこともありますが、借り手の対象がサラリーマンだけではなく、学生や主婦などに広がったことから「消費者金融」という呼称が定着しました。
その名の通り、個人向けの融資が主力事業ですので、銀行や信販会社のようにカードローンを事業の1つとして扱っている事業者よりも、カードローン商品に対して力を入れています。その力の入れようは、使い勝手や利便性、特典などに強く表れています。
とはいえ、従来の呼び名である「サラ金」としてのイメージが強く残ったままでは、女性の利用は増えません。そこで、女性向けのレディースローンという商品を開発し、カードローンの利用が少なかった女性を顧客に取り込む動きが始まりました。ちなみに、レディースローン最大の特徴は「女性専用」であるため、男性の利用は不可能です。
女性専用のレディースローンとカードローンの違いは?
レディースローンが生まれた背景は、前項でお伝えした通りです。それでは、レディースローンと一般的なカードローンはどういった点が異なるのでしょうか。レディースローンの特徴とともに、その違いをまとめていきます。
レディースローンはオペレーターが女性で相談しやすい
女性が恐怖を感じる瞬間は、どのような状況でしょうか。例えば、カードローンの内容や審査に不明点があり、フリーコールに電話したとき声の低い男性オペレーターが電話口に出たら、少し怖いと感じるかもしれません。一般的なカードローンは、オペレーターが男性か女性かあらかじめ分かるものではなく、手の空いているオペレーターが電話に出ます。
一方、レディースローンの専用ダイヤルは、基本的には女性オペレーターが対応してくれます。もちろんカードローン会社によっては、電話が混み合ったときのみ男性オペレーターが出る可能性もあるでしょう。しかし、女性オペレーターが基本的には対応すると分かっているだけでも、安心感があります。
電話でカードローンの申し込み手続きをしたい、ちょっと質問をしてみたい、というときに気軽に相談可能なのはうれしいポイントです。また、フリーコールが混み合う時間帯であっても、レディースローンの専用ダイヤルがあれば電話もつながりやすいでしょう。
レディースローンは借入限度額が低めに設定されている
一般的なカードローンでは、最大利用限度額が500万円~1,000万円に設定されている商品が主流です。しかし、レディースローンの場合は最大利用限度額が100万円、あるいは30万円~50万円と低めの設定である商品が多くあります。
これは「大きな金額を借りるのが怖い」「多額のお金は必要ない」といった意見や、「少しだけ借りられるカードローンがあったら便利なのに」というニーズから生まれました。実際問題として、カードローン会社が設定する最大利用限度額が与えられるケースはまれでしょう。
なぜなら、総量規制では貸し出しの上限金額を「年収の3分の1まで」と規制しているためです。カードローンで500万円借りたいなら、1,500万円の年収が必要になりますし、年収が300万円の場合は、借入限度額は最大で100万円までという計算になります。これは男性でも女性でも変わりません。
大きな金額の借り入れを必要とする方は、一般的なカードローンの利用を検討する必要がありますが、小口であればレディースローンをおすすめします。
レディースローンの金利は低いの?
レディースローンの金利は、一般的なカードローンと比べて違いはあるのでしょうか。
カードローン会社によって差はありますが、大手消費者金融などではレディースローンもカードローンも、金利は横並びといえます。中には、レディースローンの金利を少し低めに設定している業者も存在しますが、その金利の差は0.2%~0.5%と大きく変わるわけではありません。
また、レディースローンの審査結果によっては、一般的なカードローンの金利と同じになる可能性もあります。したがって、金利に関しては過度に期待せず「一般的なカードローンよりも低金利になったらラッキー」と考えておいた方が良いでしょう。
レディースローンのカードはデザインにも気配りが
ささいなことですが、レディースローンのローンカードは他のものと比べて華やかなデザインであったり、スタイリッシュなデザインになっていたりすることがあります。商品の内容とは関係ないかもしれませんが、ローンカードのデザインに関してもこだわるという、カードローン会社のちょっとした気配りでしょう。
女性専用のレディースローンの審査は甘いってホント?
レディースローンの審査基準は、どのようになっているのでしょうか?「レディースローンの審査は甘い」という話を聞く機会も少なくありません。ここからは、レディースローンの審査についてご説明します。
レディースローンの審査の実情
結論からお伝えすると、「レディースローンの審査は甘い」という話には、具体的な根拠がありません。レディースローンの審査においても、一般的なカードローンと同じ扱いになります。そのため、審査においては以下のような点が重要になってきます。
【レディースローンの審査項目1】信用情報
カードローン会社は本人情報から、申込者の信用情報を確認します。信用情報とは、信用情報機関に登録された個人の情報で、クレジットカードやカードローンの契約状況、利用状況、毎月の返済額などです。
過去にクレジットカードやカードローンの返済で滞納したことがある場合は、その記録も信用情報として登録されています。さらに、カードローン会社が信用情報を閲覧した記録も残ります。滞納などで信用情報にキズがある方は、審査に引っかかる可能性があるので気を付けましょう。
【レディースローンの審査項目2】勤続年数・年収
お勤め先の情報とともに、勤続年数や年収も必須項目です。審査の基準はカードローン会社によってまちまちですが、勤続1年未満の場合は断られるケースがあります。明確な線引きがあるわけではありませんが、会社勤めなら1年以上、自営業は3年以上が1つの目安でしょう。勤続年数が長ければ長いほど信用度は増すため、勤続年数が半年未満の場合はマイナス要素になる可能性も否めません。
もちろん、勤続年数だけではなくその他の内容も審査基準になることから、年数が少ないからといって絶対に審査に通らないということはないので安心してください。
年収に関しても重要です。銀行カードローン以外のカードローン会社の場合、総量規制がある関係で安定した収入があることが絶対要件になります。借り入れできる額にも規制があり、年収300万円であれば最大限度額は100万円までしか利用枠を設けられないのです。もちろん、必ず100万円までの枠がもらえる、ということではありません。審査内容やカードローン会社の規定によっては、50万円や80万円という数字になるかもしれません。ただ、これが120万円になることはないという話です。
【レディースローンの審査項目3】現在の借入額
総量規制により借入限度額は年収の3分の1まで、とお伝えしましたが、これは他社の借入金額も合わせた総額を指します。例えば、年収300万円であれば借入枠の最大金額は100万円までですが、すでに他社で利用残高40万円、30万円の2つのカードローンを利用していた場合、新規申し込みのカードローンの利用枠は最大でも30万円です。
また、合計の借入金額が100万円を超える場合、収入証明書類の提出が必須になります。上記の例は「100万円を超える」には該当しませんが、それはあくまでも貸金業法上の規定であり、カードローン会社の規定で収入証明書類を求められる可能性も大いにあり得るでしょう。
なお、自動車ローンや住宅ローンなど、担保を取る目的のローン、クレジットカードのショッピング枠の利用は総量規制の金額に算入しません。
専業主婦におすすめなのはレディースローン?銀行カードローン?
専業主婦の方でパートやアルバイトをしていない場合、安定した収入がないということで消費者金融カードローン、信販カードローン、流通カードローンの利用はできません。すなわち、消費者金融が扱うレディースローンも利用できないことになります。
一方、銀行カードローンであれば総量規制の対象外ですので、銀行が取り扱うレディースローンであれば審査に通る可能性があります。安定した収入のない専業主婦がレディースローンの利用を検討する場合、銀行が取り扱う商品から選択するようにしましょう。
限度額の低いレディースローンが狙い目
レディースローンに限ったことではありませんが、カードローンの審査を受ける際、希望限度額が低いほど審査に通りやすくなります。そして前述の通り、レディースローンは最大限度額を低めに設定しているケースがほとんどです。
この2つの要素が絡み合って、「レディースローンは審査が甘い」という話になるのでしょうが、実際は「レディースローン=審査が甘い」ではなく「限度額の低いカードローン=審査が甘い(通りやすい)」ということなのです。
レディースローンの審査に不安のある方は、10万円など低めの限度額から利用を検討されてはいかがでしょうか。
女性専用のレディースローンの審査は一般のカードローンと同じ
今回は、レディースローンの特徴や一般的なカードローンとの違い、レディースローンは審査が甘いのか、ということについてご紹介しました。
ここまでお読みいただいた方はもうご理解いただけたかと思いますが、レディースローンと一般的なカードローンの間には大きな差がないというのが実情です。当然、レディースローンだから審査が甘い、審査に通りやすいということもありません。
レディースローンは従来の「サラ金」のイメージを払拭するために造られた商品ですので、女性が気軽に使いやすいかどうか、という点に特化したものです。利用条件や審査、金利などの商品性では一般的なカードローンと横並びですが、女性オペレーターによる対応であったり、ローンカードにちょっとした気配りがされていたりと、ソフト面では女性が使いやすいようになっています。
女性が利用する上では、レディースローンはデメリットがないといっても過言ではありません。これから新たにカードローンの申し込みをご検討されている女性の方は、ぜひレディースローンを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当
大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。
住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。
- 審査から借入までのスピードがダントツ! アコム
- 返済金額が一定で計画的に利用できる! アイフル
- アプリローンで契約から返済まで完結可能! プロミス
- 住宅ローン有りの場合は金利が優遇! みずほ銀行
- 銀行ならではの安心金利! J.Score




