結婚資金はいくら必要?各費用の平均額や予算の組み方は?
結婚資金が用意できない……。費用って平均でどのくらいかかるの?
付き合っているパートナーとの結婚を意識すると、「結婚資金ってどのくらいかかるのだろうか?」や「自分の貯蓄で足りるのか?」など、お金のことが気になってくるものです。結婚した友人や知人に話をしても具体的な金額の話にまではなりにくいですし、昨今の結婚スタイルは千差万別で、参考にならないかもしれません。
結婚資金は意外にもまとまったお金がかかります。新婚生活のスタートがいきなり借金地獄にならないようにするためにも、結婚予定の人だけでなく、いずれ結婚したい方も、結婚資金の予算や貯め方などを事前に把握しておきましょう。
結婚資金はどのくらい必要?
結婚資金を考える上でどんな費用がかかるのでしょうか。
結婚資金といっても挙式や披露宴費用だけでなく、結婚前の婚約や結納にかかる費用、新婚旅行、新居の入居費用など多岐にわたり、トータルで500万~600万円前後かかることもあるようです。
ただ、500万~600万円という金額を、2人で全額用意するわけではありません。一般に300万~350万円かかる挙式や披露宴には、ご祝儀を充てることができます。ご祝儀は200万円前後になることが多いため、トータル300万~400万円前後を目安に2人で用意しておく計算となります。もちろん地域や環境によっても差がありますし、人それぞれの考えや価値観、収入や貯蓄額によっても結婚資金にかける費用は異なりますので、最終的にはパートナーとの話し合いになってきます。
それでは、具体的にそれぞれに結婚にかかる費用の平均額について見てみましょう。
結婚にかかる費用の平均額
結婚にかかる費用を考える前に、まずは結婚費用を4つに分類してみましょう。
1つ目は挙式前の「婚約や結納費用」、2つ目は結婚にかかる費用のメインともいえる「結婚式費用」、そして3つ目は、式の疲れも癒やしてくれる「新婚旅行費用」、最後は夫婦の新婚生活をスタートする「新居の準備費用」です。
それぞれにかかる費用を考えてみましょう。
婚約・結納にかかる費用
結婚が決まると、それぞれのご両親に正式な挨拶をすることから始まり、婚約の運びとなります。その前後には婚約指輪の準備をして、結納になるのが一般的な順番です。結納式をきちんと取り行うこともあれば、最近では両家の初顔合わせとなる会食のみで簡略化するケースも増えているようですので、今回は会食のみの場合で予算を計算してみましょう。
お料理がきちんとしたお店で個室の場合は1人1万円~2万円くらいの金額は考えておいた方が良いので、10万円前後の予算が必要かもしれません。また、もし両家の顔合わせで遠方から交通費をかけてくるようであれば、それぞれの交通費もかかってくることになります。例えば東京―大阪間の往復で2人分の新幹線代は約6万円、2家族分では12万円かかる計算となりますので、交通費準備が必要な方は10万~20万円プラスして予算に組んでおいた方が、急な出費に慌てなくてすみます。
また、婚約と言うと婚約指輪も重要です。かつては“婚約指輪は給料の3ヶ月分”という言葉もありましたが、最近では30万~40万円が平均のようです。女性から男性には時計が多いようですが、指輪や時計などのプレゼントに対してどこまで費用をかけるかは、カップルによってかなりの金額差があります。また、結婚指輪でも平均25万円前後となっていますので、婚約&結婚指輪の費用も予算に入れておきながら話し合っていきましょう。
このように、結婚前での予算でウェイトが大きいのは婚約指輪になりますが、婚約や両家挨拶、指輪などのトータルで平均80万円前後はかかる計算となります。
では、次に結婚費用のメインである挙式や披露宴についての費用を見てみましょう。
結婚式にかかる費用
結婚資金の中でも一番お金がかかるのが挙式や披露宴などの費用で、平均でも300万~350万円前後かかるようです。会場や招待客の人数によっても費用は随分変わり、一流のホテルや貸し切りのハウスウェディングに比べて、レストランウェディングの場合には平均250万円と100万円は安くできそうです。
招待客を増やしたい、料理や引き出物のグレードアップ、衣装にこだわりたいといった要望がある場合は、結婚式や披露宴だけで500万円を超えてくることもあるでしょう。
また、式場や招待客の人数で想定していた予算で計画していても、実際に見積もりを取ると、想定以上に高くなるケースもあります。例えば、お色直しの回数や写真撮影、装花代、ビデオ撮影代等、1つ1つの細かいサービスを変更した場合などが考えられます。このように細かなサービスをカスタムしていくと、全体の料金が基本パック料金を上回っていくのです。コストを抑えるには、サービスの有無を1つずつ見定めていくことが大切です。
一方、結婚式などにかけられる予算が少ない場合でも、リーズナブルな挙式や披露宴をすることは可能です。例えば、招待客を親族だけにする場合や、衣装を借りて結婚記念の写真だけを撮るフォトウェディングなどが挙げられます。予算が少ない場合でも、現在はさまざまな選択肢があるのです。
新婚旅行の費用
挙式や披露宴が終わった後には、お楽しみの新婚旅行が待っています。通常の海外旅行とは違って一生に一度となるハネムーンだけに、費用をかけて海外でゆっくり過ごしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そんな新婚旅行の費用は、全国平均では60万円前後となっているようです。中には、国内旅行で10万円前後かけるケースや、近場の国を選んで20万円前後で費用を抑えるケースもあります。旅行先がハワイやヨーロッパなどの場合は、50万~60万円程度考えておくと良いでしょう。
また、親戚や友人、知人などお世話になっている方にお土産を用意するための費用として、10万円前後かける人も多いようです。新婚旅行の費用は、トータルで安くても20万円、高くて70万円程度かかると見ておきましょう。
さて、挙式をしてハネムーンを満喫した後には現実の生活に戻るのですが、2人の新婚生活を始める上でも準備費用がかかってきます。どのくらいの費用がかかるのかを見てみましょう。
新生活にかかる費用
2人の新生活を始める上では、家賃の他にも入居する際にまとまったお金がかかる傾向にあります。具体的には、引っ越し代、家具や家電の購入費などです。2人のうちどちらも一人暮らしをしたことがない場合には、家具や家電は基本的にすべて購入する必要がありますので費用もかかりがちです。家族からのプレゼントやお下がりで安く済ませられる場合もありますが、50万~70万円前後はかかると見ておいたほうが良いかもしれません。
また、住宅の賃貸費用でも入居時にはお金がかかります。例えば家賃10万円の賃貸物件を借りる場合には、敷金や礼金として2、3ヶ月分の家賃を支払うほかに、家賃保証の費用、家賃の前払い分、火災保険代などがかかってきますので、40万~50万円は確保しておいた方が良い計算となります。少しでも初期費用を抑えるコツとしては、同じ物件でも敷金礼金がゼロの物件や、敷金礼金を低い金額に設定している不動産会社を探すことが考えられます。
以上のように、新生活にかかる費用としては、住宅関連の費用と併せても100万円前後は考えておいた方が良いでしょう。
予算は余裕を持って計画しよう
結婚にまつわる費用や平均金額について見てきました。想像以上にまとまったお金がかかるということがイメージできたかと思います。
どんな結婚式や披露宴を挙げるのか、また新婚旅行の行き先によっても数百万円変わってきます。そのため、まずは全体的な予算を立てた後に詳細を決めていくのが良いでしょう。また、無理をして生活を圧迫するほどの予算を組んでしまうと、予期せぬ出費が生じた場合に生活が立ち行かなくなってしまう可能性があります。
そのようなことにならないためにはどのように結婚資金を準備すれば良いのかについてご紹介します。
優先順位をつけて全体的な予算を決めておこう!
結婚資金の平均金額などを元に、自分たちがどうしていきたいかを話し合い、全体でどのくらいの結婚資金をかけるのか、自分たちなりの予算を決めていくと良いでしょう。その際にはこだわりたいポイントを把握し、優先順位をつけることをオススメします。
優先順位をつける際の具体例を挙げてみましょう。
例えば同じ予算だとしても、結婚式にお金をかけるよりは、婚約指輪や結婚指輪にお金をかけたいと考えるカップルもいれば、ゲストをたくさん招待し、一生に一度の盛大な結婚式を挙げたいと考えるカップルもいます。
また、こだわりの衣装にお金をかけ、プロのカメラマンに結婚式や披露宴の写真を撮ってもらいたいと考えるカップル、レストランウエディングなどで挙式を安くすませ、新生活のための費用にお金をかけたいというカップルもいるでしょう。
このように、カップルによって結婚資金の考えかたや使い方などの価値観は随分違います。あれもこれもと希望を盛り込むと、あっという間に予算オーバーになるため、予算を組み立てる際は、「ここは絶対に譲れない!」というポイントをパートナー同士で出し合い、それから優先順位をつけていきましょう。
早めに貯金を始めよう!
予算が決まった後は、お互いの預貯金で捻出できる金額なのかどうかを確認してみましょう。しかし、結婚資金のために一体いくらくらい貯金をしておけば良いのか、なかなかイメージがわかないかもしれません。そこで、ご紹介した結婚資金の平均金額を元に、結婚式までにどのくらい貯金をすれば良いのかの計算例をご紹介します。
※結婚資金を500万円と仮定した場合
{トータルの結婚資金500万円-(今の貯金額+贈与)}÷結婚までの年数÷12ヶ月÷2人
例えば、現在夫婦それぞれ100万円ずつの貯金があり、2年以内に結婚を考えていた場合で計算してみましょう。計算式は以下のようになります。
(500万円-200万円)÷2年÷12ヶ月÷2人=月に6.25万円
これで、パートナーそれぞれが結婚までに月6万円前後の貯金を目指せば良いということがわかります。
それでは、お互いの両親に結婚のお祝いを100万円ずつもらえるとなると、どう変わるでしょうか?計算式は以下のようになります。
(500万円-200万円-200万円)÷2年÷12ヶ月÷2人=月に約2万円
このように、パートナーそれぞれが結婚までに月に約2万円貯金すれば、目標額に到達します。月4万円ずつ貯められるのであれば、挙式を1年短縮する夢もかなえられるかもしれません。
自分たちで積み立てをするなら、何年後にいくらくらいの金額を目標にするのか、両親や親族に援助を求めることができるのかを明確にし、計算した上で計画的に準備しましょう。
場合によってはブライダルローンを活用
ブライダルローンとは、結婚式や新婚旅行などの資金を貸してくれる金融商品です。自分たちの貯金もほとんどなく両親にも頼れない場合、ブライダルローンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ブライダルローンは、使い道を結婚資金に限定しています。取り扱う金融機関にもよりますが、結婚資金として認められるのは、主に結婚式・披露宴や結婚指輪、新婚旅行、新居の家具などです。使い道を限定している分、一般的なカードローンよりも低い金利で借りることができるというメリットがあります。
ただし、見積書などの提出書類が多かったり、審査もカードローンなどに比べて時間がかかったりとデメリットもありますので、ブライダルローンの活用を検討している方は、早めに申し込みをした方が良いでしょう。
結婚はそう何度も経験することではありませんので、「貯金が少し足りなくてもなんとか式を挙げたい!」と考えるカップルや、「お金がかかっても良いからこだわった式にしたい」と考えるカップルもいるでしょう。ブライダルローンはそんなカップルの強い味方です。返済計画をしっかり立てた上で活用してください。
目標金額を設定して早めに結婚資金の準備を始めよう
今回は、結婚にまつわる費用の平均額や予算の組み方についてご紹介しました。イメージはわいたでしょうか?
具体的なプランが全く決まっていない場合でも、まずは平均的な費用(結婚前から新生活でかかる費用まで、およそ500万~600万円)をベースに、自分たちはどのような挙式をしたいのかなどを話し合ってみてください。
ご祝儀は前もって金額がわかるものではないのであてにはせず、「ないもの」として計画を立て始めましょう。また、挙式まで時間があるようでしたら、目標の金額を設定して早めに準備を始めることが大事です。結婚式の会場の支払いは、ほとんどの場合クレジットカードは使えず、挙式当日より前の現金支払いとなりますので、スケジュールは前もってしっかりと確認しましょう。
![水野 圭子](/wp/wp-content/themes/bustup/images/photo5.png)
CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」
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