専門学校の学費が高い!平均額はいくらなの?入学金が払えない場合は?
専門学校の学費はいくらくらい?入学金が高くて払えない場合の対処法は?
「子どもに教育を受けさせるのは親の務め」と考え、高校卒業まではなんとか子どもを学校へ通わせたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、高校を出てから大学や専門学校に進むとなると、かなりの額のお金が必要になります。「これまでの収入でなんとかできるのか不安……」という方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、子どもを専門学校へ進学させる場合の学費や入学金について、またそれらのお金が自前で用意できない場合の対処法などをご紹介します。お子さんに、高校卒業後もさまざまな勉強をさせたいと考えているお父さん・お母さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
専門学校の学費の平均額
大学も進学先によって学費が大きく異なりますが、それは専門学校も同様です。
ここでは、各学校で教えている分野の系統別に、東京都専修学校各種学校協会調査統計部の調査による、平成28年度の昼間部専門学校の初年度納入額についてご紹介します。
医療系専門学校の学費平均
看護系専門学校 |
90万8,000円 |
理学療法、作業療法系専門学校 |
171万6,000円 |
柔道整復系専門学校 |
149万9,000円 |
歯科技工、歯科衛生系専門学校 |
128万8,000円 |
医療秘書、医療事務系専門学校 |
105万7,000円 |
調理系専門学校の学費平均
栄養、調理系専門学校 |
140万5,000円 |
製菓系専門学校 |
165万2,000円 |
美容系、ファッション系専門学校の学費平均
理容、美容系専門学校 |
135万9,000円 |
服飾系専門学校 |
104万2,000円 |
エンタメ系専門学校の学費平均(ゲーム、アニメなど)
アニメ、声優、ゲーム系専門学校 |
125万5,000円 |
ゲーム制作、CG系専門学校 |
134万円 |
演劇、映画、放送、音楽系専門学校 |
139万8,000円 |
ビジネス系専門学校の学費平均(情報処理、簿記など)
行政、法律系専門学校 |
104万円 |
簿記系専門学校 |
103万4,000円 |
情報処理、IT系専門学校 |
119万円 |
旅行、観光業系専門学校 |
119万8,000円 |
工業系専門学校の学費平均(自動車整備、電機など)
自動車整備系専門学校 |
132万円 |
土木、測量系専門学校 |
122万9,000円 |
電気、機械系専門学校 |
117万円 |
文化、教養系専門学校の学費平均(語学、スポーツなど)
外国語系専門学校 |
113万6,000円 |
美術、写真系専門学校 |
126万9,000円 |
スポーツ系専門学校 |
110万7,000円 |
ペット系専門学校 |
134万9,000円 |
教育・福祉系専門学校の学費平均(児童保育・介護など)
保育、教育系専門学校 |
110万1,000円 |
社会福祉系専門学校 |
117万2,000円 |
介護系専門学校 |
110万円 |
上記は、入学初年度にかかる入学金・施設費・授業料・実習費などを含んだ合計金額です。実習などが多い専門学校の場合、教材費などがその都度かかってくる場合もあります。
また、上記の金額の他にも、入試を受ける際の「受験料」が1校あたり2~3万円かかってきますので、それらの分も忘れず頭に入れておきましょう。
専門学校の入学金はいくらぐらい?
先の項目では、系統ごとに専門学校の初年度納入額を見てきました。そのうち、入学前にまず必要になるお金が「入学金」です。ここでは、専門学校の入学金についても詳しくご紹介します。
専門学校の入学金の平均額
東京都専修学校各種学校協会の「平成26年度学生・生徒納付金調査(結果)」による、専門学校専修課程(昼間部)の入学金平均額は「18万3,679円」となっています。しかしこれはあくまで平均値ですから、学校の系統によってはそれよりも高い場合も低い場合もあります。
例えば、首都圏のある語学系専門学校の入学金は平均よりも低い「12万円」ですが、同じく首都圏の理学療法系専門学校の入学金は、平均よりも高い「30万円」です。お子さんが進学を希望する専門学校の分野によって、かかる入学金も変わってくることを念頭に置いておく必要があるでしょう。
専門学校の入学金は高い?
専門学校の入学金は、ことさら「安い」とはいえないかもしれません。しかし、大学の入学金と比べれば安くなる場合もあります。例えば、学費の高さで知られる私立大学の医学部などでは、入学金だけで100万円単位の金額になります。また、私大でも学費が安いといわれる文系学科の経済学部などでも、30万円台半ばの入学金がかかるケースがあります。
専門学校の入学金が払えないとどうなる?
専門学校の入学金を期限までに払えない場合、入学資格がなくなる可能性があります。学校によっては、相談すれば分割納付や納付期限延長に応じてくれることもありますが、基本的にそれらの措置はあまり期待できないと考えて動いたほうが良いでしょう。
入学の見通しが立った時点で、納入が必要な入学金は全額用意しておくべきと考えておくことをおすすめします。
専門学校の「学費以外にかかる諸費用」って?
専門学校で学ぶための費用は前の項目でご紹介しましたが、学費以外にかかってくる費用も含めて教育費と考えれば、さらに追加でかかる諸費用があります。専門学校へ通学する場合、学費以外にどのような費用がかかるのかを、以下でご紹介します。
学費以外にはどんな費用がかかるの?
専門学校の学費以外の費用としては、学校までの交通費や食費の他、娯楽費、通信費などがかかります。
アパートや寮、下宿などで1人暮らしをしながら専門学校へ通学する学生の場合は、上記に加えて家賃や光熱費などの住居費がかかります。また、進学のタイミングで1人暮らしを開始する場合は、家具や家電などの購入費用も必要です。
学生自身がアルバイトで生活費を補填できるのか
「おこづかいや仕送りで足りない生活費は、本人にアルバイトをさせればなんとかなる」と思っている保護者の方も多いかもしれません。しかし、専門学校生がアルバイトをする時間的余裕を持てるかどうかは、進学する学校の系統によっては難しい場合もあります。
例えば、授業のコマ数が多かったり、帰宅後に自宅ですべき課題が多かったりすれば、アルバイトをする時間もなかなか取れない場合があるでしょう。特に実習の多い医療系や、課題の多い美容系・美術系の専門学校などでは、学校がある日には空き時間の確保も困難になってしまうことがあります。このような場合は、専門学生本人にアルバイトをさせて、学費や生活費を補填させることは難しいといえるでしょう。
専門学校の学費が足りない・払えない場合の対処法
専門学校の学費が足りなくなることは、めでたく入学して通学を開始した後でも十分に起こり得ます。もし、学費の納付期限までに必要なお金が足りないことが分かった場合、いくつかの対処法がありますから、それらを知っておくと良いでしょう。
まずは学校に相談
学費の納入については、学校に相談することである程度融通を利かせてくれることがあります。もちろんすべてのケースで可能とはいえませんが、少なくとも先にご紹介した入学金の場合よりは融通が利く可能性が少し高くはなるでしょう。
まずは事情を正直に相談し、分割納付や納付期限の延長について掛け合ってみてください。子どもが日ごろから授業に真剣に取り組み頑張っているようなら、それらを考慮して応じてくれる可能性もあります。
本人にアルバイトをさせる
専門学校の分野によっては、放課後や休日にまとまった時間を取れる場合があります。それらの空き時間を活用して、お子さんにアルバイトをさせて学費の足しにする方法も検討する余地があるでしょう。
奨学金を利用する
大学に進学するときに奨学金を利用する方法は一般的ですが、実は専門学校で学ぶ場合にも、奨学金を利用することができます。
日本学生支援機構の奨学金制度
現在、もっとも多く利用されている奨学金制度は「日本学生支援機構」による貸与型の奨学金制度です。本人が卒業後に分割で返済していく形になりますが、無利息の第一種奨学金と利息付きの第二種奨学金、そして入学時特別増額があります。
また、日本学生支援機構の奨学金には、低所得世帯や児童養護施設出身者などを対象とした給付型奨学金(返済不要の奨学金)もあるため、状況に応じて利用を検討しましょう。
その他の奨学金制度
都道府県や市区町村、あるいは学校単位で設けている奨学金制度を利用する方法もあります。あまり知られてはいませんが、お住まいの市町村でも奨学金を受けられることがありますので、一度詳しく調べてみましょう。
介護福祉士や保育士など、進学後に特定の資格を取得する見通しがある場合に利用できるタイプの奨学金もあります。資格取得を見据えて専門学校に進む場合は、ぜひ検討してみることをおすすめします。
学校単位で奨学金制度を用意している場合、卒業後の就職先によっては奨学金の返還が不要になる場合もあります。
教育ローンを利用する
奨学金を受けられない場合や、奨学金の返済負担を子どもに課したくない場合は、「教育ローン」で学費を確保する方法もあります。
教育ローンは、入学金や授業料などの学費をはじめとする、教育のための費用を借りられるローンのことで、一般のフリーローンやカードローンよりも金利が低く抑えられるという点がメリットです。銀行や信金、ろうきんなどの金融機関で取り扱われている他、国の教育ローンもありますので、さまざまな手段を検討してみましょう。
なお、教育ローンと貸与型奨学金が大きく異なる点として、返済に関する以下の条件があります。
貸与型奨学金の場合 |
返済が始まるのは、学校を卒業した後から |
教育ローンの場合 |
返済は在学中であっても開始となる |
ただし、「在学中に元本を含めた返済を行うことは厳しい」という場合、ローンの種類によっては、「卒業までは利息のみを返済し、卒業から元本を含めた返済を開始する」という措置を取れることもあります。
教育ローンを利用する場合、住宅ローンや自動車ローンなどの目的別ローンと申し込みの手順はほぼ同じです。所定の手続きや審査を経て融資となりますので、基本的には申し込みから融資実行までには、ある程度の期間を要すると考えて良いでしょう。
教育ローンの利用を考えているなら、学費などの納入に備えてある程度前から検討し、早めに申し込む必要があるといえます。「数日以内に学費を納める必要があり、今すぐにお金が要る」というケースでは利用できない方法です。
カードローンを利用する
「数日以内に資金を確保したい」という急ぎのケースでは、使い道が自由なカードローンでお金を借りて、学費に充てる方法もあります。奨学金や教育ローンは申し込みなどをある程度計画的に行わなければなりませんが、カードローンは期日や手続きの面でかなり有利です。
申し込みから融資までのスピードが速い
申し込み当日に審査が完了し、翌日には融資が行われるなど、「すぐにお金を調達できる」という点が、カードローンの大きなメリットです。
担保や保証人が不要で、手続きが簡単
カードローンは、基本的に無担保で保証人は不要です。担保の設定や保証人の選定に煩わされることなく、思い立ったときすぐに申し込みができます。
「学費にカードローンを利用するという発想はなかった」という方も多いと思いますが、子どもの進学には何かと急な出費がつきものです。転ばぬ先の杖としてカードローンを申し込み、万一に備えておくということも検討してみてはいかがでしょうか。
専門学校の学費をしっかり準備して子どもの学業をサポートしよう
今回は、専門学校の学費に関するさまざまなデータや、入学金や学費など、お金が必要になったときのさまざまな対処法についてご紹介しました。
子どもが高校を卒業するまで公立校に通っていれば、一度に高額な費用負担を強いられる機会はあまりないため、「教育にはたくさんお金がかかる」という認識が薄い方もいるかもしれません。しかし、その先さらに学ぶためには、実に多くの費用がかかります。子どもの将来の夢を応援するためにも、きちんとお金を用意しておきたいですね。
専門学校は通学期間が大学より短く済むことが多いため、資金計画も比較的立てやすくなります。「子どもの独り立ちまでもう少し!」と考えて、しっかり学業をサポートしてあげましょう。
ファイナンシャルプランナー
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当
大手賃貸仲介業者に就職、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。 その後、創業者杉本雅幸の後継として株式会社大峰の代表取締役に就任、現在に至る。住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、相続対策などに関しての相談業務を行っている。
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