子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」などの自治体提携ローンを活用しよう
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」などの自治体提携ローンとはどんなもの?
「いろいろあって家計のやりくりが大変」「でも、キャッシングやフリーローンに頼るのは金利も高いし怖い……」こんなお悩みはありませんか?
育児や介護などでまとまったお金が必要となったとき、頼りになる融資制度があります。それが、「自治体提携ローン」です。
自治体提携ローンは市民の生活支援を目的としているので、日常生活にかかるお金を一定条件のもとで貸し付けしてくれます。
今回は、育児や介護にかかる費用などが足りなくなったときに助けとなる「自治体提携ローン」についてくわしくご紹介します。高金利の民間ローンに頼らなくても、賢く少額のお金を用立てることができますので、ぜひ参考にしてください。
自治体提携ローンとは?
自治体提携ローンとは、各地の労働金庫や信用組合などの金融機関と自治体が提携して設けている融資制度です。該当する自治体に居住する方や勤務する方を対象とし、住宅や日常生活にかかるお金について低い金利で貸し付けを行っています。
全国の多くの自治体で設けられていますが、金利や融資の条件などはローンの種類によって異なります。くわしくは、お近くの労働金庫や信用組合で尋ねてみると良いでしょう。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」とは?
さて、ここでは自治体提携ローンの一例として、東京都で設けられている自治体提携ローンについて取りあげます。東京都中小企業従業員生活資金融資制度の一つである、子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」についてご説明しましょう。
「すくすく・ささえ」は、東京都内で暮らす方や都内の中小企業に勤める方向けの、育児や介護の支援を目的として資金を貸し付けてくれる自治体提携ローンの一つです。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の融資額はいくら?
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の融資額は「最大100万円まで」となっています。これは「すくすく・ささえ」の場合ですが、各地で設けられる自治体提携ローンの種類によっては、融資上限額が異なることがあります。くわしくは、最寄りの労働金庫・信用組合の窓口で確かめてみると良いでしょう。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の金利はどれくらい?
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の金利は、年利1.5%と大変低金利となっています。一般的な民間のキャッシングやカードローンの金利は年利10~18%ほどですから、それと比較すればほぼ無利子に近いといえそうなほど低金利です。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の審査は厳しい?
「すくすく・ささえ」の審査は、通常のローンと同様に審査が行われます。しかし、申し込み条件によると派遣社員などの非正規雇用で働く方も、安定した収入があり勤続や居住期間を満たしていれば申し込めることになっています。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の返済方法は?
「すくすく・ささえ」の返済方法は、基本的には最長5年までとなっていますが「返済猶予期間」が設けられる場合があることがポイントです。
これは、出産・育児や介護に伴う出費に利用する場合、借り主が育児休暇中や介護休業中の可能性があることに配慮しています。
借り主が育児休暇や介護休業中の方が返済猶予期間付きで融資を受ける場合は、休業明けまでは利息のみを支払って、休業が明けてから元本の返済を開始する形での融資が可能です。職場復帰して、状況が落ち着いてから本格的な返済を始められるのは魅力的ですね。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の申し込みについて
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」には一定の申し込み条件があることは、これまでも少しご説明しました。ここでは、「すくすく・ささえ」の申し込み方法について、さらにくわしくご紹介します。
どんな人が申し込みできるの?
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の申し込み条件は、以下の通りとなっています。
- ご本人または配偶者の方が妊娠中の方
- 妊娠中からお子さまが満20歳になった日以降、次の3月31日までにある方(育児中にあたる方)
- ご親族の介護により休業中の方
- 要介護、要支援認定を受けている三親等以内のご親族がいる方
- 一定の規模条件を満たす中小企業に勤務中の方
- 今の勤務先に6カ月(育児・介護休業中の方は1年)以上勤めていて、現在の住所に3カ月以上住んでいる方
- 勤務先の所在地または現在の住所が東京都内である方
- 住民税の滞納がない方(納付遅れ分を分割納付中の方も可)
- 融資を必要とする正当な理由があり、所定の審査によって返済能力があると判断された方
連帯保証人は必要?
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の利用には、連帯保証人は必要ありません。指定の保証制度に加入することになります。
他に借金があっても申し込みはできる?
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」は、銀行やクレジット・カードローンなどで他に借り入れがある場合にも申し込みは可能です。ただし、もちろん所定の審査は実施されますから、現状の借り入れや返済状況を踏まえて融資の判断をされるでしょう。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の申込先はどこ?
東京都内の中央労働金庫(ろうきん)の窓口やローンセンター、または信用組合の窓口で申し込みができます。
申込時の必要書類は何が必要?
申込時に必要な書類は、以下の通りです。
- 源泉徴収票、給与明細書など給与所得が証明できるもの
- 融資金の使途が確認できる書類(納品書や見積書、契約書や請求書など)
- 健康保険証
- 印鑑(シャチハタは不可)
また、審査後、本契約の際に必要なものとして以下のようなものがあります。
- 借り入れるご本人の実印
- 借り入れるご本人の印鑑証明書
申し込みの流れを分かりやすく解説!
【1】借り入れの申し込み
都内最寄りの中央労働金庫の本店・支店かローンセンター、信用組合にまず相談します。窓口でも、電話でもかまいません。
その後、必要な書類をまとめて窓口に提出します。
【2】融資にあたっての審査
所定の審査が実施され、申し込みから5営業日ほどで審査結果が通知されます。
金融機関による審査の結果、融資が実行できない場合もあるため注意しましょう。
【3】本契約後に融資実行
申し込んだ金融機関の窓口に出向き、印鑑証明書など提出して本契約をします。契約後、融資が実行されます。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」のメリット
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」は、一般のカードローンや銀行ローンなどと比較して、多くのメリットがあります。融資を受けられる条件が整っているなら、ぜひ利用を検討してみてください。
低金利で借り入れができる
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の最大のメリットはやはり、低金利であること。もし休業中などで返済猶予期間が設けられた場合、復職するまで利息のみを支払うこととなりますが、その利息がかなり低く抑えられますので、育児・介護期間中の生活負担を少なくできます。
保証人が不要
保証団体による保証を付けられるため、連帯保証人を付ける必要がありません。身近な方に無用なご負担・ご迷惑をかけなくて済む点は、精神面でも安心感が大きいはずです。
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」のデメリット
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」は、一定の貸し付け条件などが発生するためデメリットもあります。
申し込み条件をクリアしていないと融資の申し込みができない
先にもご説明した通り、子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」には詳細な申し込み条件が設定されています。それらをクリアできていなければ、申し込み自体ができない場合があります。
お金の使い道が限られている
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」で借り入れをする場合には、使途を証明する書類を提出する必要があります。つまり、育児や教育・介護に関する資金が必要であることを証明できなければ、借り入れができないというデメリットもあります。
融資開始までに時間がかかる
テレビCMなどで見られるローン商品のように、「最短即日融資」といったスピーディーな借り入れはできません。必要書類を集めて印鑑登録証明書を用意し……と、手続きだけでなくご自身で行う準備も煩雑になってしまいます。少なくとも、申し込みから融資実行までには10日~2週間ほどの日数を見ておく必要があるでしょう。
「今すぐにお金が必要」という方にとっては、あまり向いていないともいえそうです。
「すくすく・ささえ」が利用できない場合の対処法
「そもそも東京都在住・在勤ではない」「利用目的が介護や育児ではない」という方や、「すくすく・ささえ」に申し込んだけれど審査に落ちてしまったという方もいると思います。そのような方は、「すくすく・ささえ」以外の方法で借り入れる手段が必要です。
ここでは、子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」の貸し付け条件にあてはまらない方がお金を借りるための、他の方法についてご紹介します。
東京都以外の地方の自治体提携子育て・介護支援ローンを利用する
東京都内に在住・在勤していない方の場合は、お住まいの都道府県で設けている子育て・介護支援目的の自治体提携ローン(ある場合)を利用すると良いでしょう。
東京都以外の自治体提携による子育て・介護支援ローンには、東北ろうきんの「宮城県中小企業労働者福祉資金融資制度」、近畿ろうきんの「滋賀県育児休業者および介護休業者生活資金」など、各都道府県や市町村で独自の融資制度が設けられています。最寄りの自治体でも提携ローン商品を展開しているかもしれませんので、ぜひ調べてみてください。
銀行や消費者金融の子育て・介護支援ローンを利用する
もしお住まいの地域で自治体提携ローンを取り扱っていなければ、自治体提携ローンではない、一般的な子育て・介護支援ローンを利用するという方法もあります。
この場合、融資までのスピードが自治体提携ローンより速くなるかもしれませんし、手続きそのものも煩雑にならずに済む可能性があります。
ただし、自治体提携ローンと比較すると金利は高めになってしまうかもしれません。また、借入金の使い道は育児や介護関連費用に限られますから、使途を証明する書類などを用意しなければならない点は自治体提携ローンと変わりません。
銀行や消費者金融のカードローンを利用する
「借入金の使い道が育児や介護ではない」という場合は、育児・介護支援を目的とした自治体提携ローンを利用することはできません。その場合には、やはり銀行やクレジット会社、消費者金融などで取り扱っている一般向けのカードローンを利用するのがおすすめです。
カードローンのメリットは、なんといっても使い道が自由な点でしょう。その分、申込時の書類も少なくて済みますし、融資が実行されるスピードも速くなります。
借入先によっては「最短即日融資」が可能な場合もあります。カードを持っていれば、急にお金が必要になったときにATMなどからすぐ調達できるのでかえって便利かもしれません。
ただし、一般的にカードローンの金利は高めになりますし、休業中であったからといって返済の据え置きなどには対応してもらえません。借り入れ条件を満たしていて、さほど急ぎでお金を必要としていないのであれば、子育て・介護支援目的の自治体提携ローンを利用したほうがお得になる場合もあると考えられます。
子育て・介護費用が必要になったら自治体提携ローンの利用を検討してみよう
今回は、子育て・介護の資金として低金利で融資を受けられる「自治体提携ローン」について、東京都が設けている子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」を例に挙げてご紹介しました。
これらの自治体提携ローンは、基本的に広告宣伝などは行っていませんし、積極的な利用の呼びかけも実施していません。そのため、制度そのものをご存じない方のほうが圧倒的に多いという現状があります。
もし、子育てや介護などで急な出費に伴いお金が必要になったときには、子育て・介護支援目的の自治体提携ローンを思い出し、利用を検討してみても良いかもしれません。
なお、これらの自治体提携ローンを利用する場合、融資実行までには一定の日数が必要です。融資を受けることを検討しているなら直前になって慌てることのないよう、事前に必要書類などの準備をしておきましょう。

ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役
慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。
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