カードローンの最低返済額はどう決まるの?途中で変更はできる?
カードローンの最低返済額はカードローン会社ごと、または借入額によっても異なるため、必ず事前に確認しておくことが大事です。また、最低返済額には利息が含まれています。そのため、最低返済額をきちんと返済していれば延滞扱いになることはありません。
しかし、最低返済額の大半は利息に回されてしまうため、毎月最低返済額だけ返済をしても、なかなか元金の減少にはつながりません。いつまでたっても借金が減らないこともあるので注意が必要です。そのため、借り入れたカードローンの返済がいつから始まるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。うっかり返済日を間違えると、遅延や滞納にもつながり、場合によってはペナルティーを課せられる場合もあります。特に初めてカードローンを利用する方は、初回の返済日でつまずかないためにも、いつから返済が始まるのかを事前に確認しておきましょう。
そこで今回は、カードローンの返済額はどうやって決まるのか、返済額の変更は途中で可能なのかをご紹介します。
カードローンの返済額はどうやって決まるの?
各カードローン会社や借入額によって、最低返済額は異なります。ただし、最低返済額で返済をするということは、返済期間が長くなって利息が増えるということを理解することが大切です。
ほとんどのカードローン会社は、毎月定額を返済していくリボルビング払いを採用しています。簡単に言うと毎月の返済額を決め、完済まで返済額は変わらないという方式です。
リボルビング払いの特徴
以下では、リボルビング払いの特徴を2つご紹介します。
【1】借入残高が減っても返済額は変わらない
ここが1番の盲点です。毎月の返済額を決めているため、残高が少なくなったとしても決めた額を払うことになってしまいます。
【2】追加で融資を行っても返済額は一定
借入額に対して追加融資を行ったとしても、毎月の返済額は変わりません。
リボルビング払いの種類
主にカードローンで使われているリボルビング払いの種類は、「残高スライドリボルビング方式」「残高スライド元利定額リボルビング方式」「定率リボルビング方式」の3つに分けることができます。
この3つの返済方法を理解することで、計画的に無駄なく返済していくことができるようになるでしょう。
今現在、なんとなくリボルビング払いで返済しているという方は、ぜひこの3つのリボルビング払いの仕組みを理解し、今後の返済に役立てていただければと思います。
【1】残高スライドリボルビング方式
分かりやすく言うと、返済額が借入残高によって変わっていく方式のことです。借入残高が多いと返済額も多くなり、逆に借入残高が少ないと返済額も少なくなります。
リボルビング払いは毎月の返済額が一定ですが、返済額が多くなると利息ばかり払い続けて、元本がほとんど減らないという問題が生じます。この問題点の解決策として利用されるのが、残高スライドリボルビング方式です。
例えば、30万円の借入金に対して毎月5万円返済しているとします。そこで追加融資を受け、借入金が60万円になった場合、毎月の返済額を10万円に変更します。合計借入金60万円に対して5万円の返済は少なく、完済までにかなりの時間を要するのは明白です。そのために返済額を多くして完済までの期間を短くするのがおすすめです。
【2】残高スライド元利定額リボルビング方式
これは、前述の残高スライドリボルビング方式に「元利均等」という方式を追加した返済方法のことです。「元利均等」とは「毎月の支払額には残高に対する支払額に利息も含む」とする考え方で、毎月5万円払うとしたらそこには当然利息分も含まれます。
元利均等方式では借入残高が減っていくにつれ、その分利息が少なくなります。そして、残高に対する返済の増加につながるのです。この仕組みを理解し、うまく利用することで、利子の支払総額を減らすことができます。
【3】定率リボルビング方式
リボルビング払いに「定率方式」を組み合わせた支払い方法のことを「定率リボルビング方式」と言います。
例えば、60万円の借入金に対し、毎月10%の返済をすることにしたとしましょう。1カ月目の返済額は60万円の10%で6万円ですが、2カ月目は合計借入残高が54万円の10%なので5万4,000円になります。ただし、追加で融資を受けた場合は借入総残高についての10%になるので注意が必要です。
事前に返済計画をしっかり立てる
前述の返済方法の特徴を見てもらえれば分かるように、どの返済方法にも自分が考える返済方法に対しての向き不向きがありますので、自分の収支に合わせて選択する必要です。
返済方法はカードローン会社によって異なり、自分では選べないケースもあります。損をする返済方法を選んでしまうと、返済負担が重くなってしまいますので、カードローン会社を選ぶときは、どんな返済方法があるのかきちんと調べた上で申し込みをしましょう。
約定返済はきっちり守る
返済の仕方については、この最初の計画性が後々まで影響してきます。ここで重要なのは、返済における準備の仕方が分かっているか、そしてそれを実行できるかです。
しかし、個人や家庭の経済状況によっては、月々の返済額を増やしたり、まとめて返済したりすることができない場合もあります。そんなときは基本に戻り、まずは約定返済を続けることを守ってください。そして余裕が生まれたときに、少しでも多くの額の返済をすることを考えると良いでしょう。
必要な場合は第三者にも相談を
1番の基本は「借りる前にきちんと第三者に相談をしておくこと」です。
返済途中でももちろん相談することは可能です。しかし途中からだと、いくら当初しっかりした計画を立てていたとしてもその計画がうまく機能せず、その結果返済が滞り、利息が増えていったという事態にもなりかねません。
当初きちんとした返済計画を立て、その通りに返済を続けていたとしても、場合によっては見直しを行うことも大切です。それらの一連の考え方が理解できるようになると自分1人でも予定を立てることができるようになります。
返済額は途中で変更できるの?
カードローン利用者の多くは、毎月決まった額を決まった日時に支払う約定返済で済ませているのが現状です。返済は契約に沿って期日までに行えば、基本的に何の問題もなくカードローン会社も満足してくれます。
しかし、月々の約定返済だけを繰り返して、どれくらいの期間で完済できるか、実際にシミュレーションしている方はごくまれです。利息分まで含めて計算をしている方はほとんどいないのではないでしょうか?場合によってはリボルビング払いから固定払いへの変更、そしてその逆も考えてみましょう。
いずれにしても返済方法によって完済までのスピードが変わったり、利子の総額が減ったりするので、まずは自分が月々返済できる金額を決めておくことが重要です。
計画的に返済するコツ
毎月のしかかるカードローンの返済ですが、何気なく決まった額を返済している方が多いと思います。ただ重要なのは、「いかに早く完済するか」です。
一般的にカードローンの完済は、最初に支払額を大きくし、短期間で終わらせるようにすると、最終的に支払う利息総額も少なく済みます。そのためには、おまとめローンを利用するなど月に一度の返済で済ます方法に見直すことが必要です。
追加返済、随時返済の利用
毎月の返済額を一時的に増やして、返済総額をできるだけ抑えることが可能であれば、追加返済や随時返済を活用しましょう。これは、毎月最低限度の返済に加え、任意で追加の返済を行うことで完済を早めることにもつながります。
ただし、実際に追加返済や随時返済を行おうと思った場合、各カードローン会社のサービス状況にも左右されることになりますので利用が可能かどうかをまずカードローン会社に確認してみましょう。
追加返済や随時返済を認めているカードローン会社は多いですが、中には約定返済しかできないところもあるでしょう。これから借り入れを始める予定の方は、多様な返済方法が可能かどうかも含め、検討することをおすすめします。
返済方法の変更
返済方法が複数あって、利用後の変更が可能であれば返済方法を変更するのも名案です。
例えば、「元金均等返済方式」という方法を選んだとします。返済開始時は返済額が大きく、月々の返済は大変かもしれません。
しかし、その額は少しずつ縮小していくため、もう1つの返済方法である「元利均等返済方式」よりも支払う利息額が少なくなるという結果に結びつくのです。
返済額をより有利な方式に変更したいとお考えであれば、返済方法の変更ができるかどうか確認してみてください。もしも、変更できないのであれば、有利な方式で返済できる業者への借り換えを検討することもおすすめです。
おまとめローンや借り換えローンの利用
おまとめローンや借り換えローンを利用して返済額を変更する方法もあります。
カードローンの返済で、現在の借り入れしているカードローンの返済額が多すぎて、返済できない状態になってしまっている方は、低金利で毎月の返済額が少ないカードローンへ借り換えの検討を行うことは有効な手段です。
しかし、複数借り入れがある場合は、その借り入れを1社にまとめるおまとめローンを利用することで、毎月の返済負担を削減することが可能です。
ただし、サービス内容によっては、逆に金利が高くなるケースもありますので、おまとめローンで本当に返済が楽になるのかについて、事前にしっかりとしたシミュレーションを行うことが大切です。
おまとめローンを利用すると新たな借り入れはできなくなります。これはおまとめローンの唯一のデメリットと言える点であり、ここをしっかりと認識しておくことが重要です。
カードローンは、2010年に改正貸金業法が施行され、新たに総量規制という規制ができました。総量規制によって、消費者金融から借り入れできる総額は、年収の3分の1までと決められてしまったため、複数社から債務があり、返済のために新規で借り入れしようと思っても、審査に通らず、借り入れできないという方が増加しました。この事態の救済措置として注目されているのがおまとめローンです。
おまとめローンは商品の特性上、総量規制の対象外とされています。そのため、すでに年収の3分の1まで借り入れがある方でも、消費者金融などから新たに借り入れでき、他社の債務の返済に充てることができるのです。
例えば、複数の消費者金融から合計100万円を借りている場合、それぞれ18.0%の金利が適用されていると想定されるでしょう。
しかし、低金利の銀行で借り換えを行うことで、金利は12%〜15%くらいまで下げることができ、毎月の返済も1社で済むため、返済負担が少なくなるというメリットがあります。
ただし、このおまとめローンですがうまく利用しないと逆に損をしてしまうケースが多いので、利用する際は慎重に検討しましょう。
収入を増やすことを考える
「少しでも返済を早く終わらせたい」なら、多少自由な時間を削ってでも、アルバイトなどをしてお小遣いを稼ぎ、月々の返済額を増やしていくことをおすすめします。
収入が増えれば多少は家計にも余裕ができ、お金がなくて困るといった事態も防げるでしょう。収入の少ない生活になるとどうしてもまた借金を重ね、その結果借入先が増えてしまうこともあります。
収入を増やすことは、返済を早めるだけでなく、これ以上借金が増えるのを防ぐことにもつながるため、前向きに検討することをおすすめします。
毎月の返済額を多くして早期返済を目指そう
今回は、カードローンの返済額はどうやって決まるのか、返済額の変更は途中で可能なのかをご紹介しました。
毎月支払うカードローンの返済については、何気なく決まった額を返済している方が多いと思います。しかし、返済において重要なことは「いかに早く完済するか」ということです。
カードローンの完済は、「最初に支払額を大きくし、短期間で終わらせる」という考えに基づいて行動すると、最終的に支払う利息総額も少なく済みます。そのためには、現時点の返済方法を見直すことが必要です。ライフプランの状況に応じた最適な返済方法を選んで、無理なくそして無駄のない返済をしていくよう心がけましょう。
トータルマネーコンサルタント/CFP(R)認定者/第一級ファイナンシャルプラン二ング技能士
(資産設計提案業務)/DC(確定拠出年金)プランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員
30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格、CFP資格を取得すると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
主に個人を相手にお金に関する相談、及び提案設計業務を提供するとともに、資産運用講師なども手掛ける。
- 審査から借入までのスピードがダントツ! アコム
- 返済金額が一定で計画的に利用できる! アイフル
- アプリローンで契約から返済まで完結可能! プロミス
- 住宅ローン有りの場合は金利が優遇! みずほ銀行
- 銀行ならではの安心金利! J.Score