犬や猫の治療費が払えない!ペットの医療費の相場や使えるローンはある?

犬や猫の治療費が払えない!ペットの医療費の相場や使えるローンはある?

犬や猫の治療費が払えない

犬・猫の治療費を払えない…ペットの医療費の相場と払えない場合の対処法

犬や猫といったペットを飼っている方は多いことでしょう。ペットを初めて自宅に迎え入れたときは、「いよいようちにもかわいいペットが来た!」と喜ばれたと思います。ただ、飼ってみると意外にかかるペット関連のお金。特にペットが病気をすると、大きな治療費がかかることがあります。
ある程度資金をお持ちの方は現預金で対応できると思いますが、そうではなかった場合はどうすれば良いでしょうか。かわいいペットのためになんとかしてあげたい……そう思う気持ちを実現するためにも、まずはペットの医療費の相場を知り、対策を立てておきましょう。今回は、ペットの医療費の相場と、いざというときに利用できるローンについてご紹介します。

犬や猫などのペットの治療費(医療費)は全額負担!

犬や猫などのペットの治療費(医療費)は全額負担!

ご存じの通り、人間の場合には公的な健康保険が適用されるため、病気やケガで治療を受けた場合には年齢にもよりますが、3割(もしくは1割~2割)の負担で済むことが一般的です。
しかしながら、犬や猫などのペットには公的な保険はないため、治療費は飼い主の全額負担となります。全額負担なうえ、突然のケガや病気も多くあり、飼い主が気づかず様態が急変するといったこともありますので、待ったなしの対応を迫られることになります。そうした場合にも備えておくことが大切であるため、まずはペットの医療費の相場を知っておきましょう。

犬や猫などのペットの医療費の相場は?

犬や猫などのペットの医療費の相場は?

まずは犬や猫のペットの医療費の相場を解説します。東京都福祉保健局「東京都による犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成23年度)」によれば、犬の医療費は年間3~6万円未満という回答が最も多く、次いで1~3万円未満という回答が続きます。

この統計の注意点としていえることは、この医療費はあくまでさまざまな犬の種類をもとにした回答であること。年齢を重ねるほど診療費は上がる傾向にあり、例えばゴールデン・レトリバーの場合には年間診療費は20万円程度となる場合もあります。1年間で10~20万円の診療費は馬鹿にできませんし、手術等によってはさらに費用がかかることも想定できます。
一例ですが、犬の椎間板ヘルニアの手術の場合、手術前の検査から手術費、入院費、リハビリ通院費など含めると、20~50万円ぐらいかかる場合もあるので、場合によっては多額のお金がかかることもあることは覚悟しておくべきです。
実際に東京都の調査では、年間の医療費が20~50万円未満と回答している割合が7.0%、6~10万円未満が6.6%となっており、高額となるケースも考えられます。

次に、猫の場合はどれぐらいの医療費がかかるか確認していきましょう。東京都福祉保健局「東京都による犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成23年度)」によれば、猫飼育者の28.0%が年間1~3万円未満の医療費がかかっていると回答し、16.0%が3~6万円未満と回答しています。

この割合は、犬に比べれば年間診療費が低いとも見ることができますが、猫も年齢がかさむにつれて診療費は上昇する傾向にあります。回答では、20~50万円未満が1.1%、10~15万円未満が5.7%、6~10万円未満が4.6%となっており、高額な医療費がかかっているケースも見受けられます。
具体的な一例として、猫がガン(悪性リンパ腫)にかかった場合、検査費用や治療費用で26万円ほどかかったケースがあります。もちろん、さらに費用がかかるといった場合も想定されます。

それでは、犬や猫以外のペットの場合の年間医療費はどうなっているのでしょうか。実は高額な医療費が発生する可能性があり、鳥では5万円以上かかるケースも多くなっています。
こうして見てみるとお分かりのように、大型の動物は小型の動物と比較して診療費が高くなる傾向にあるほか、日々接する機会が多い動物の方が異変に気づくことが多いからかもしれませんが、年間診療費が高くなる傾向にあります。

なお、ペットの餌代なども考慮すると、年間で多額のコストがかかります。東京都の調査では、犬の餌代は年間で3~6万円未満と回答した割合が33.9%、1~3万円未満と回答した割合が33.1%となっています。猫の餌代については、1~3万円未満が36.6%、3~6万円未満が21.7%、6~10万円未満が20.6%となっています。餌代だけでも大変なのに、医療費もかかるとなるとご家庭の負担は大きなものと想像されます。毎年10万円前後は犬や猫のペットにかかるのが当たり前と考えておくべきかもしれません。

ペット保険に入っていれば問題ない?

ペット保険に入っていれば問題ない?

こうした医療費に関して不安に思う方も多いと思われます。そこで、ペット保険の加入を検討されても良いでしょう。
ペット保険では、大切なペットが病気やケガで治療を受けた場合などにかかった費用について、一定割合や限度額を補償してくれます。提携している動物病院において窓口精算を行っている場合などもあり、いざというときに非常に助かります。しかし、ペット保険に加入すれば安心とは限らないことをご存じでしょうか。

実は、ペット保険に加入していても、保険金が支払われない場合があります。例えば、予防のために動物病院へ通うケースは、治療ではないため保険金は支払われません。また、避妊手術や去勢手術も保険は適用されません。このほか、生まれつき抱えていた病気(先天性)がある場合には、保険の適用外となります。
そして、通常の診察時間外で診察してもらった場合には、時間外診療費が余分にかかることになります。また、ペット保険が適用される日数を超えて動物病院に通った場合には自己負担が重くなります。保険金だけではまかなえないケースも想定されますので注意しなければなりません。

ペット保険の保険料にも注意です。保険の種類によっては、毎年保険料が上がるタイプもあるほか、加入年齢に制限があります。加入しようと思ったときには手遅れといった場合も考えられます。

ペット保険加入時などにこうした条件などをしっかり確認し、理解されていれば問題ありませんが、そうではない場合にはこんなはずではなかったのに、とあわててしまうかもしれません。ペット保険に加入したから大丈夫ではなく、ペット保険では対応できない場合があることも知り、その際の対処法も考えておくべきです。

犬や猫などのペットの(治療費)医療費が払えないときの対処法

医療費が高額な場合に備えてペット保険に加入したものの、実際には思ったよりも支払いが少なかった場合や、そもそもペット保険に加入しておらず高額請求された場合にはどう対処していけば良いのでしょうか。犬や猫などのペットの治療費が支払わない場合の対処法についてまとめてみました。

クレジットカードで分割払いする

クレジットカードで分割払いする

最近では、クレジットカードによる支払いができる動物病院も増えてきています。クレジットカードでの支払いができれば、その場で現金を持っていなかったとしても対処できるほか、分割払いを利用することで毎月のやりくりの中から返済を行っていくことも可能となることでしょう。
なお、すべての動物病院がクレジットカード支払いに対応しているわけではありません。そのため、動物病院を訪問する前に、クレジットカード支払いができるかどうか確認されておいた方が良いでしょう。

動物病院へ分割払いの相談をする

動物病院へ分割払いの相談をする

クレジットカードが利用できない場合には、動物病院へ分割払いの相談をしてみましょう。医療費の前払いを求める動物病院も多く、支払いに困るといったことがありえますが、動物病院に長年通っていたりすると、融通を利かせてくれることも考えられます。
後払いで何回かにわけて支払うことができないかどうか、率直に相談されてみてはいかがでしょうか。必ずしもOKとなる保証はありませんが、動物病院によっては相談に乗ってくれるかもしれません。

ペットローンで借り入れして支払う

ペットローンで借り入れして支払う

クレジットカードや分割払いが難しい場合には、ローンが組めないか検討してみましょう。ローンを組む場合はペットローンもその選択肢の1つとなります。ペットローンでは、ペットの購入のほか、入院や手術、通院費用などにも使えることから、金融機関に相談してみるという方法も利用できるのです。

クレジットカードの分割払いにおける年利に比べて低いため、金利という側面からはメリットがあるといえます。ただし、審査に時間がかかる可能性があることと、利用できる金融機関が限られている点は考慮する必要があるかもしれません。
ペットローンの取り扱いがある金融機関は、スルガ銀行、イオン銀行となっています。ご興味のある方は、一度問い合わせてみると良いかもしれません。

カードローンで借り入れして支払う

カードローンで借り入れして支払う

もう一つ、カードローンで借り入れを行うことで治療代を支払う方法が考えられます。カードローンのメリットは、比較的短時間でつくりやすく、使いみちが自由な点を挙げることができます。
限度額内であれば何度でも借りることができるため、何回かペットの治療で費用がかかる場合やトータルでかかる治療費が読めない場合などには使い勝手が良いといえます。特に、急ぎの場合には、即日融資も可能であるため、カードローンにとりあえず頼り、その後貯蓄等でまとめて返済することで利子を抑えるといったことも可能です。資金繰りで大変な場合や、支払いまでに時間がない場合などにはカードローンの利用を検討すると良いでしょう。

犬や猫などのペットの治療費(医療費)のためにカードローンを利用する際の注意点

なお、急な出費であればカードローンと考えたいところですが、ペットの治療費のためにカードローンを利用する際の注意点を挙げておきます。

カードローンだけの話ではありませんが、長期で利用した場合にはそれなりの利息がかかることになります。そのため、借りた後は返済を早めにできるように努力してみましょう。何回も限度額範囲内で利用できる反面、計画的な返済を行わなければなかなか返済額が減らず、悩みの種となってしまいかねません。

そして、ご自身の職業に合わせたカードローンを選ぶことも考えてみましょう。これは、自営業や専業主婦、アルバイトの方の場合にいえることです。特に、専業主婦やアルバイトの場合、安定的な収入があるかどうかという観点で審査が厳しくなる恐れがあります。専業主婦やアルバイトでも利用可能かどうか、しっかり確認しておくことが大切です。
なお、配偶者の同意が必要になりますが、配偶者の年収も考慮して審査を行うカードローンもあります。これは「配偶者貸付」と呼ばれるものです。配偶者に相談し、ペットのためと理解を得たうえでお金を借りるのも一手かもしれません。

もう一点、特に治療費の支払いについて急ぐ場合には、融資までのスピードが早いカードローンにはどんなものがあるのか調べることです。インターネットからの申し込みにより、即日融資が可能なカードローンとして、プロミスやアイフル、アコムなどの消費者金融系を挙げることができます。なお、即日審査、即日融資ができる場合でも、締め切り時間を過ぎるとその日の融資は不可能となります。
おおよその目安ですが、平日14時までや14時50分頃までに手続きを完了していることで融資を受けることが可能となっています。カードローン各社によって対応が異なりますので、審査を受ける際に確認しておきましょう。

犬や猫の治療費が払えないときはカードローンによる対処方法も

今回は、犬や猫などのペットの治療費の相場と、実際に治療費がかかる場合にどのように対応していけば良いかについてご紹介しました。

年間の治療費を見ていただいてお分かりの通り、治療費は10万円単位でかかる可能性があります。手術などによっては、さらに費用がかさむ場合も考えられます。ペット保険や預貯金などで対応するほか、資金に不足するときには分割払いやペットローン、カードローンによる対処方法もあることを思い出しましょう。
「ペットがいないと、自分は生きていけない」そう思う皆さんは、ペットの治療費を払うための対策を事前に練っておくべきです。いざというときにあわてないように、今やれることから準備していきましょう。

伊藤 亮太
伊藤 亮太

CFP(R)認定者
スキラージャパン株式会社取締役、伊藤亮太FP事務所代表

慶応義塾大学大学院商学研究科 経営学・会計学専攻修了。学生時代にCFP®資格、DCアドバイザー資格取得。2007年11月スキラージャパン株式会社設立に参画。取締役に就任。またその後個人事務所として伊藤亮太FP事務所を立ち上げる。独立系FPとして、金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング・相続事業承継、保険見直し、金融機関等における講演など幅広く活動を展開、執筆業務も多岐にわたる。

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