自分に投資する意味とは?おすすめの自己投資とかけるべき金額
自分に投資する
「自分に投資する」と聞くと、どのようなことを想像しますか?痩せて健康になるためにジムに通ったり、習いごとをして特技を身につけたりすることを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。しかし、自己投資はそれだけに限りません。
今回は、「自分自身にお金をかけて何かをブラッシュアップする」という意味合いでの「自己投資」についてご紹介します。何をするか、どのくらいお金をかけるべきかなど、目下お悩み中の方はぜひ参考にしてください。
自分に投資する意味とは?
ひと昔前に「自分探し」という言葉が頻繁に使われたことを覚えているでしょうか。「自分探し」というと、「自発的に何か日常とは違う経験をして、それを契機としてなりたい自分に近づく努力をする」というニュアンスで主に用いられていました。それに対し「自己投資」とは、特定の目的のために自己資金を使って、より具体的な将来の成功を目指すものと考えると分かりやすいでしょう。
簡単にいうと、自己投資とは「未来の自分のためにお金を使うこと」です。「5年後、あるいは10年後にはこうなっていたい」というイメージをより具体的に描き、それを目指して勉強やレッスン、トレーニングなどをすることを指します。
自己投資する必要性
単に自分の欲求や、便利で快適な生活を実現するためだけに必要以上のお金を使えば、自己投資ではなく単なる浪費になります。しかし、自己投資が浪費と決定的に異なる点は、自分自身をより良くするために、時にはわざわざお金を払った上で何かを努力したり、我慢したりする可能性を含んでいる点です。
ここでは、自己投資が必要である理由について考えてみましょう。
物事への見識を深められる
特定の物事を詳しく知り、学ぶことで仕事に対する見識を深めたり、人間性を磨いたりすることができます。学ぶ内容は仕事に必要な分野でも良いですし、仕事と直接関連はなくても将来的にライフワークにしたい趣味や特技があれば、それに関することでも良いでしょう。
特定のスキルや知識が身につく
手に職をつけたいと考えている方が、それを目的に習いごとや勉強をすることも「自己投資」に当てはまります。レッスンや試験などを経て身につくスキルや資格は一生ものですし、それを習得したことでこの先の人生でずっと役立つという可能性もあります。
将来の選択肢を増やすことができる
「誰でもできるわけではない何かができる」ということは、その分ご自身の可能性を広げることにもつながります。いずれ現在とはまったく異なる状況や環境に移ることが想定されているとしても、将来的な選択肢は多い方が良いはずです。
自己投資におすすめの方法
「自己投資を始めてみようと思っても、やりたい特別なこともなく具体的な将来のプランも特にない……」という方もいるでしょう。そんな場合でも、楽しみながら始められる自己投資の方法は意外に多くあるもの。手っ取り早いからと気軽に始めてみたことが想像以上に楽しく、どんどん深く掘り下げたくなって気づいたらそれを職業にしていたという方も現実にいます。
自己投資の手段がすぐに思いつかなくても、「楽しそう」「手軽にできそう」「子供のころ好きだった」などのカジュアルな動機で何か始めることはできるでしょう。前向きな理由で新しいことに挑戦することは、決して無駄にはなりません。ここでは、比較的どなたでも気軽に始めやすい、自己投資の方法を具体的にご紹介します。
幅広いジャンルの読書をする
「空き時間を使って読書をする」ことも、実は立派な自己投資の1つです。ビジネス書や実用書はもちろんのこと、小説や趣味関連書、マンガなどジャンルを問わず多くの本を読んでみましょう。新たな発見や知識が身につくだけでなく、語彙力や感受性が高まるなどヒューマンスキルの向上にも役立ちます。本をたくさん買うとかさばるのが嫌という方には、パソコンやタブレットなどで読める電子書籍がおすすめです。
実用的な資格を取得または語学を勉強する
自己投資には、実務に役立つ資格や、副業スタートや独立を目指せる実用的な資格を取ること、語学を学ぶことも含まれます。また、資格取得や語学を習得することで、キャリアアップにつながる場合があるでしょう。
実用的な資格であれば、ビジネス系の資格や技能系の資格をはじめ、カルチャースクール、ご自宅、サロンで先生として教えられる、習いごと関連の資格などの取得がおすすめです。特に「何かを教える」場合や「特定の技能を活用して働く」場合には、資格はお持ちのスキルへの説得力を高めて、ご自身の信用度アップにも貢献してくれるでしょう。
また、英語や中国語などの外国語が使えることは仕事で役に立つだけではなく、ご自身の世界を大きく広げるチャンスにもなり得ます。例えば、幸せな結婚を目指す婚活中の方の中には、出会いの幅をさらに広げるために外国語を勉強する方もいらっしゃるほど。語学に少しでも興味があれば、挑戦してみると良いでしょう。
語学の習得には、実践的な英会話を身につける方法とTOEICや英検などの外国語検定を意識して勉強する方法がありますが、目的に応じて方法を選択してください。
興味のある分野を勉強する
仕事などと直接の関連はなくても、自分が興味を持っている分野をじっくりと掘り下げてみることも、自分をブラッシュアップするきっかけになります。歴史や外国文化、手芸・工芸や酒・ワインの味や銘柄など、分野はいくらでも考えられます。
また、趣味の分野のみならず、国家資格などを取得して本格的に専門家への転身を考えている方もいるかもしれません。そのような方は、本やインターネットで自主的に勉強することにとどまらず、カルチャー教室やワークショップ、社会人大学などで学ぶという手もあります。
カルチャースクールで学ぶ
カルチャースクールには、歴史を学んだり、語学と一緒に海外の文化を学んだりできる講座もあります。教室もたいていアクセスに恵まれた場所にあり、受講料も比較的リーズナブルなところもポイント。「独学と並行して、さらに進んだ知識や技能を身につけたい」とお考えなら、受講を検討されてはいかがでしょうか。
ワークショップで学ぶ
カルチャースクールなどで開催しているような教室の内容を単発で実施する「ワークショップ」という体験講習も、最近人気を集めています。レンタルスペースやカフェ、コワーキングスペースなどで開催されることが多く、低料金で気軽に参加できるので、何かを始めるきっかけづくりにも適しています。
ワークショップで講座の雰囲気や難易度についてまず体験し、カルチャースクールや専門の教室での受講へステップアップする方も多いため、お試し受講にもおすすめ。
社会人大学で学ぶ
「さらに専門的に学びたい」「学校での単位が必要な資格の取得を目指したい」と考えているなら、大学や大学院で学ぶ方法もあります。特に通信制の大学・大学院では、多くの社会人学生が学んでいます。
このように「新しい分野を本格的に学び、キャリアアップやキャリアチェンジに役立てたい」「専門家を目指して資格を取るため学び直したい」というご希望をお持ちの方には、大学進学は現実的な選択肢です。
ただし、2~6年ほど継続して学ぶ必要がある点や、履修にまとまった金額が必要となる点はネックとなり得ますので、将来の展望と照らし合わせて慎重に検討する必要はあるでしょう。
旅行やライブ・観劇などの体験を積む
「生の現場を体験する」ということも、自己投資の手段になり得ます。例えば、先に述べたカルチャースクールなどで外国の文化を学んだら、実際に海外旅行をしてそのような異文化を実体験してみるとさらに理解が深まります。その他、音楽ライブや演劇などを見に行って文化に触れ、感性を磨くことも「人生のモチベーションをアップさせる」ことにつながるでしょう。
このタイプの自己投資で注意したいのは、周りの人に自己投資の手段であることを理解されにくい点です。「遊んでいるだけなのでは」「ただの浪費なのでは」と、勘違いされがちになるかもしれません。
しかし、本当にご自身の人生に役立てたいと考えているなら「周囲の、ある意味適当な反応を気にかけないこと」と、「仕事や日常生活に支障をきたさず継続すること」が大切です。
自己投資にかける金額の目安
自己投資に熱中するあまり、最近よく使われる表現でいうところの「沼にはまる」方もいます。これは、暮らしや自己管理にかかるお金を削り生活レベルを下げてまで、持っているお金を自己投資につぎ込んでしまうことというと分かりやすいかもしれません。
例えば、時々おいしいものを食べたり適度に人付き合いをしたりする機会まで制限し、住まいや健康の管理などを手薄にしてまで、自己投資に夢中になることは本末転倒です。あくまで人として普通の生活を送ることができてこそ、自己投資はご自身にプラスになると考えてください。
「家計調査」から見える自己投資の金額
自己投資の沼にはまらないためには、自己投資にかける金額の目安を把握しておくことが大事です。総務省統計局が毎月実施している統計調査に「家計調査」があります。2017年の調査によると、勤労世代の単身世帯の1カ月あたりの可処分所得(給与から税金や社会保険料を差し引いた金額)と教育娯楽費は以下の通りです。
- 【~34歳の男性】
- 教育娯楽費:約1.9万円/可処分所得:約26.9万円
- 【~34歳の女性】
- 教育娯楽費:約1.5万円/可処分所得:約24.3万円
- 【35~59歳男性】
- 教育娯楽費:約2.1万円/可処分所得:約30.0万円
- 【35~59歳女性】
- 教育娯楽費:約2.1万円/可処分所得:約25.3万円
手取り収入の1割程度が自己投資にかけるお金の目安
上記のデータから、多くの方が趣味や娯楽には可処分所得の1割程度の金額を充てていることが分かります。したがって、日常生活に支障なく継続的に自己投資を続けるには、手取り収入の1割程度が自己投資の目安となります。
自己投資の最終的な目標は、「あのときやっておいて良かった」「自己投資のおかげで人生が豊かになった」と、後から振り返って思えることでしょう。そのためにも、無理のない範囲内でお金を使いながらコツコツ続けることが重要です。もちろん、ボーナスなどの一時金や臨時収入があれば、その一部から費用を捻出することも時には有用でしょう。
自己投資をする上で何より大事なポイントは、仕事や生活に支障なく、ずっと続けられることです。大学進学など、まとまった費用が必要な自己投資を今後検討しているなら、早めに貯金を多めにして資金を貯めておくと良いでしょう。
「できればお金をかけずに学びたい」という方も多いでしょうが、そのような場合には独学で身につけることが可能な範囲と、それ以上の領域を見極めることが大切です。「ここまでなら本やネットでの独学で十分」「ここから先は道具や専門学習が必要なので、費用をかけて学ぶべき」という範囲をあらかじめ把握しておけば、最小限の費用で効率的に学習できるかもしれません。
資格試験を受ける場合も、その級や段階次第で独学でも対応可能なものと、講座を受講することが望ましい場合があるでしょう。それらをきちんとリサーチし、事前に資金計画を立ててみることをおすすめします。
将来を見据えて自己投資をしよう
今回は、自己投資におすすめの方法やかける金額の目安についてご紹介しました。 自己投資にある程度お金を使うのは億劫と思ってしまうかもしれませんが、一生ものの知識や技能、それに健康や体力を身につけられると思えば、決して高額ではない場合もあります。
「これを身につけておけば生涯役立てられる」というジャンルを見つけ、勉強やトレーニングをすることは、仕事やプライベートでの行動範囲を広げることでもあります。この先の人生を、さらに張り合いを持って過ごせる可能性も高めてくれるでしょう。5年後、10年後の自分が自己投資の成果でどのように進化できているかを想像しながら、日々楽しく学習やトレーニングができると理想的ですね。

トータルマネーコンサルタント/CFP(R)認定者/第一級ファイナンシャルプラン二ング技能士
(資産設計提案業務)/DC(確定拠出年金)プランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員
30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格、CFP資格を取得すると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
主に個人を相手にお金に関する相談、及び提案設計業務を提供するとともに、資産運用講師なども手掛ける。
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