金利・利息・利子とは?3つの違いや利息の計算方法を徹底解説!

金利・利息・利子とは?3つの違いや利息の計算方法を徹底解説!

眼鏡をかけた豚の貯金箱と電卓、お札

金利と利息、利子の違いとは?利息の計算方法を知ろう

「銀行にお金を預けていても金利が低いから、利息もほとんどつかない」、「利子つけて返すから、ちょっとお金貸して」など、金利・利息・利子という言葉は、お金に関する話題によく出てきますね。しかし、「利子と利息ってどう違うの?」、「金利と利息の関係は?」といったことをきちんと説明することは意外と難しいことです。

そこで今回は、よく似た意味で使われている金利・利息・利子の違いや、実生活にも役立つ利息の計算方法についてご紹介します。

金利・利息・利子とは?それぞれの特徴から違いを知る

金利・利息・利子について、それぞれの特徴をご紹介します。

それぞれの特徴を知ることで、それぞれにどのような違いがあるのかを知りましょう。

金利とは

コインを積み上げる手

まずは、金利について見ていきましょう。例えば、友達から何かを借りたら、お礼として何かちょっとした品物をプラスして返したりしませんか?また、困ったときに助けてもらったら、食事をおごったりすることもあるかもしれません。

お金の貸し借りでも同じで、金融機関から借りた元金に対して、「賃借料としてのお礼のお金」を上乗せして返済することになります。その際の、上乗せするお金が、元金に対してどのくらいの割合かを示したものが「金利」です。つまり、金利とは、お金を借りる場合においては、賃借料のようなものといえます。実生活では、金融機関からお金を借りる際の目安として「金利」が使われています。例えば、「住宅ローン金利1%」という場合は、100万円を金融機関から借りると1%を上乗せして返済しなければならないということです。

一方、逆の意味で使われることもあります。私たちが金融機関に預金としてお金を預けた場合、金融機関から利息を受け取ります。その利息が、預けたお金に対してどのくらいの割合なのかを表すときにも「金利」という言葉が使われています。例えば、「定期預金の金利0.01%」というような表現です。立場が変わると、利息は金融機関が利用者に支払うお礼ともいえるため、このような使い方もされるのです。

金利はどうやって決まるの?

金利は、金融市場での貸し手と借り手の間の需給関係によって上下し、経済状況の影響も受けます。私たち消費者側の心理としては、お金を借りるなら少しでも金利の低いところで借りたいでしょうし、逆にお金を預けるなら、少しでも金利の高いところに預けたほうが、元金が増えるため、金融機関の間の競争原理も働きます。

実際に、銀行のホームページで定期預金の金利の一覧を見てみますと、1カ月、2カ月、6カ月、1年、2年…とさまざまな期間で表示されています。理論上では、長く預けたほうが金利は高くなるため、使う予定がしばらくないお金は、期間の長い定期預金に預けるほうが良いというのが一般的です。

しかし、2018年6月現在においては、マイナス金利時代。残念ながら定期預金は、預ける期間によって金利の違いはあまり見られないという状態です。ですが、歴史的な超低金利のため、逆に住宅ローンなどでお金を借りる場合、かなり低い金利で借りることができるというメリットがあります。

金利は、お金を預ける場合、借りる場合の両方に関係してきます。経済状況の流れを読み取って、金利が高いのか低いのかを判断できれば、有利な条件でお金と付き合うことができるでしょう。

金利の表示方法は「年利」が基本

一般的に、金利の表示方法は、「月利」というように特別に表示されていなければ、1年あたりの利率を表す「年利」が基本です。「定期預金の金利0.01%」と記載されているなら、1年後に受け取ることができる「利息」が元本の0.01%の100円ということです。

では、仮に同じ条件の定期預金に1カ月間だけ預金した場合の利息はどうなるのでしょうか。この場合は、期間が12分の1になりますので、利息も12分の1になるのです。

例えば、銀行の定期預金キャンペーン案内で目についた「3カ月定期金利1.2%」という商品に預けたら、3カ月後に受け取る利息が少ないのでは……?と思うかもしれません。

しかし、よく考えてみてください。この定期預金は3カ月で満期を迎える商品ですが、3カ月で元金の1.2%分の利息を受け取れるというわけではありません。

実際に受け取る利息は、1年あたり1.2%で計算した利息を、3カ月相当分に計算しなおした利息です。
つまり、金利が表示されているところに、わざわざ「年利」と記載されていなくても、「3カ月定期金利1.2%(年利)」という意味なのです。預入期間が短い金融商品の場合は、金利の表示が年利なのか、月利なのかはチェックしておきましょう。もし、年利ではなく、「月利」で1.2%という定期預金でしたら、受け取る利息は全く違ってくる可能性があります。

利息とは

瓶にコインを入れる手

次に、利息について見てみましょう。すでに金利の説明のときに例を挙げましたが、金融機関に一定期間お金を預けた場合に、上乗せされるものが「利息」です。いわば、金融機関からのお礼のようなものです。

利息は、「金利0.01%の定期預金に預けて利息100円を受け取った」というように、金利とセットにして表現されることが多くなっています。この例では、「金利」は、預けたお金に対してどのくらいの利息がつくかを表す割合を示すのに対し、「利息」は、受け取る対価そのものを指すことになります。
分かりやすく表現すると、お金に関していえば、「金利」は%表記で目に見えないけれど、「利息」は具体的な金額が表記されるため目に見えるものだということ。

また一方で、利息も「支払う」立場になる場合があります。例えば、金融機関から住宅ローンやカードローンを借りた場合、毎月一定額を返済していきますが、借入期間に合わせて計算された利息を、元金と合わせて返済するケースなどです。日常生活においては、利息も、受け取る場合もあれば、支払う場合もあります。

利子とは

コインとハンマー

利息と同じような言葉に「利子」があります。辞典では、「利子は利息と同じ意味である」と説明しているものも多くありますし、実際、ほとんど同じ意味や用法で使われているといって良いでしょう。

具体例を挙げるなら、利子は、「利子所得」や「利子税」など法律用語としても使われていますが、利息も「利息制限法」という法律名で使われているため、あまり用法としての規則性はないようです。ただ、金融機関では「支払利息」や「約定利息」など、利息を使う場合が多いという見方もできます。

お金を「借りる」場合の利息の計算方法

電卓で計算

では、具体的に利息の計算方法を見ていきましょう。利息は、お金を預けた対価として受け取る場合と、お金を借りる際にお礼として支払う場合がありますが、お金を預けた場合の対価として受け取る利息には、そこから税金が差し引かれるなど、考慮すべき点がいくつかありますので、後ほど詳しくご説明します。

まずは、お金を借りる際に支払う利息の計算方法を見ていきましょう。

お金を借りる場合、利息額は、一般的に次の公式で計算できます。

利息額=元金×金利(年利)÷365×借入日数

金利は、1年あたりの利率である年利で示されていることが多いため、借りている期間に対して利息がどのくらいなのかを計算する場合は、このように金利を365で割って1日あたりの利息を算出します。そのあとに借入日数を掛けあわせることで、正確な利息額を算出できます。

ただし、これは借りたお金を一括で返済した場合の利息の計算式です。日常生活では、借りたお金を分割で返済する場合も多くありますが、その場合の計算は少し面倒になります。

例えば、12万円を金利18%で借り、3カ月で返済するとしましょう。便宜上、1カ月を30日として、元本は毎月4万円ずつ均等に支払う、「元金均等返済方式」で計算します。

借りたお金を分割して返済する場合の利息額の計算方法は、支払うたびに、元金から返済した分を差し引いて利息額を再計算していきます。

初回の返済時に支払う利息は、「12万円×18%÷365日×30日=約1,775円」となるため、初回の返済額は4万円+1,775円=4万1,775円となります。

2回目返済時に支払う利息は、「(12万円-4万円)×18%÷365日×30日=約1,184円」となるため、2回目の返済額は、4万円+1,185円=4万1,185円となります。

3回目返済時に支払う利息は、「(12万円-4万円-4万円)×18%÷365日×30日=約592円」となるため、3回目の返済額は、4万円+590円=4万590円となります。

つまり、「元金均等返済方式」では、支払いが進むにつれて元本が均等に減っていくため、支払う利息は徐々に少なくなってくるのです。

また、住宅ローンなどでは、支払期間を通じて、元金と利息を毎月同じ金額で支払う「元利均等返済方式」で返済する方も増えてきています。この方式でも、元金に対して借入期間に応じた利息を支払うという基本的な考え方は同じになっています。支払う利息を少なくしたければ、ローンは短い期間でなるべく早く返す方法が有効だということです。

実質年率と金利の違いは?

コインと電卓とえんぴつ

金利と同様の意味で使用される用語に「実質年率」という言葉があります。例えば、消費者金融のカードローンの広告では、お金を借り入れる場合の金利を「実質年率」と表示していますよね。実質年率とは、表示されている金利に、支払利息だけでなく、手数料や印紙代、保証料などの費用も含まれていることを示しています。

一方、住宅ローンなどで示されている「ローン金利○○%」という表示の場合は、ローンの利息とは別に、ローンの取扱手数料や収入印紙代、保証会社に支払う保証料などが別途かかる場合があります。つまり、「金利」は、純粋な借入利息にかかる費用のみを示している場合もあるということです。

しかし、消費者金融のカードローンの「実質年率○○%」という表示の場合は、別途、保証料などを請求されることなく、お金を借りることができます。

このように厳密にいえば、実質年率と金利では内容が異なりますが、カードローンに関しては、銀行で「カードローン金利○○%」と表示された商品を利用する場合も、別途手数料を取られることなく、通常は表示されている金利だけで利用できます。

お金を「預ける」場合の利息の計算方法は?

カレンダーの上に散らばったコイン

では次に、銀行などの金融機関にお金を「預ける」場合、対価として受け取る利息の計算方法を見ていきましょう。

預貯金についた利息の計算は、お金を借りる場合の計算方法と同じで、「利息額=元金×金利(年利)÷365×借入日数」この公式で計算できます。

しかし、預貯金は「利子所得」の対象です。利息額から一律20.315%(所得税15%・地方税5%・所得特別復興税0.315%)が徴収されるため、実際に受け取る利息は上記の計算式で算出した利息額より少なくなります。そのため、銀行などの広告の金利には、「税引き前金利」と表示されている場合もあります。

ただし、障害者手帳を持つ方や障害年金を受けている方、また遺族年金や寡婦年金を受けている方など、一定の要件を満たす方の預貯金の利子などについては、一定額まで非課税制度の適用が受けられる場合があります。また、会社員などが財形貯蓄制度を利用する場合も要件を満たせば、一定額までの利子は非課税になります。

単利と複利の違いは?

通帳とお札の受け渡し

お金を預ける場合、金利は「単利」なのか「複利」なのかを確認しましょう。それによって受け取れる利息は異なります。例えば、100万円を金利1%の定期預金に2年間預けた場合、単利であれば、預けた元本に対してのみ利息が発生します。そのため、利息は1年目が1万円、2年目も1万円で、2年間の合計利息は2万円になります。つまり、単利の場合は、何年たっても利息額は一定です。

一方、複利の場合は、発生した利息も運用の対象になります。年利1%の場合、1年目の利息は元本100万円に対して1%で1万円、2年目は元本100万円プラス利息1万円に対して、利息が発生しますので利息は1万100円となり、合計利息は2万100円です。2年程度では大した差にはなりませんが、長期間預けると大きな差が生じます(計算では利子税を考慮していません)。

金利・利息・利子の違いを知って賢くお金を使おう

今回は、お金に関する身近な言葉である、金利・利息・利子について、違いや計算方法についてご紹介しました。

金利・利息・利子は、普段あまり意識せずに使っている言葉ですが、詳しく見ていくと示している内容や仕組みが分かったのではないでしょうか。

お金を借りる場合は金利だけでなく、他にかかる費用はないか、少しでも低い金利で利用できないかを確認しましょう。一方で、お金を預ける場合は、金利が高いかどうかだけでなく、示している金利が月利か年利か、単利か複利かなどをチェックすると良いでしょう。

社会人として生活していく上で、金利や利息というものは必要な知識ですし、常に金利は変動していますので、損をしないため、また有利な条件でお金を利用できるためにも、常にアンテナを張っておくことをおすすめします。

水野 圭子
水野 圭子

CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事

大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」

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