銀行からお金を借りるには?個人で銀行融資を受ける方法や条件について
個人が銀行融資を受けるには?銀行からお金を借りるためにすること
一時的に生活資金が足りない、あるいはある目的を実行するために資金が必要などというとき、どのような資金調達方法を考えますか?親兄弟や親しい友人などからお金を借りるということができるのであればそのほうが良い場合がありますが、銀行や消費者金融といった金融機関を利用して必要な資金を調達したいという場合もあるかもしれません。
一般に銀行からの借り入れは、消費者金融からの借り入れより審査が厳しいといわれます。今回は、銀行からのお金の借り入れに焦点を合わせ、銀行融資とはどういうものか、融資を受けるためには何をしなければならないかなどについてご紹介します。
銀行からお金を借りるにはどうすれば良い?
個人が銀行からお金を借りるには、個人の信用情報(信用度)をはじめとする事前の「審査」を受けなければなりません。
個人の信用度を満たした上で、具体的にいくら必要なのか、どういう返済方法なら返済が可能なのかなどを明確にしていく必要があります。まず、個人が銀行から借りられるお金にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
目的別ローン
お金を借りる目的がはっきりしていれば、銀行が用意した各種目的別ローンが利用できます。目的別ローンは、その目的以外に借りたお金を使えないという制約がありますが、比較的金利が低く設定されている点が特徴です。
住宅ローン
住宅ローンには、新規で住宅を建築または購入するための新規ローンと、返済中の住宅ローン残額分を一括で支払うための借り換えローンがあります。
新規に借りる場合は、頭金を用意した上で住宅ローンを申し込むほうが、頭金なしと比べて借入額が少なくなります。頭金の支払いをしている分、その後の返済期間が短くできるので、利子を含めた支払総額が変わってきます。また、住宅ローンの一部では、頭金ありの場合は返済利率が低くなる住宅ローンもあります。
住宅ローン借入時の頭金の金額は、どのくらいが適当かといった目安はありませんが、費用総額の1割を建築費用に、さらに1割を諸費用に割り当てて、費用総額の2割程度の頭金が準備できていれば返済計画が立てやすいといわれています。いずれにしても住宅ローンは、借入額が高額で返済期間が長いという特徴があるために、他の目的別ローンと比較しても低い金利になっています。
また、返済に関する各種サービスを利用することにより、返済総額が当初の予定より少なくなることもあります。住宅ローンについては各銀行のホームページや窓口を通じて、借入時の金利だけでなく変動型金利の場合は返済中の金利についても情報収集を行いましょう。
他にも借り換えローンや、一部または全部の繰り上げ返済など、自分にとって有利な返済方法はないか検討することをおすすめします。
リフォームローン
住宅をリフォームすることを目的としたローンです。リフォームには、増築、改築、補修、あるいは地震対策、省エネ対策、バリアフリー対策なども入ります。銀行によっては、自行が融資した住宅ローンの残高がある場合のみ申し込みができるなどの条件が設定されている場合もあります。
カーローン(自動車ローン、マイカーローン)
新車、中古車、オートバイ(以下、自動車等といいます)の購入あるいは、車検、修理を目的としたローンです。自動車等の購入時に手続きが容易という理由で、その自動車等を扱うディーラーがクレジット会社や信販会社と提携しているカーローンが使われることが多いのですが、銀行によるカーローンのほうが比較的金利が低い傾向にあります。
教育ローン(学資ローン)
自分または子どもの教育資金のためのローンが教育ローンです。多くの銀行では在学中を上限として元金返済の据置期間を設定することができる教育ローンを扱っています。
日本政策金融公庫による国の教育ローンもあり、銀行のローンより低い金利が設定されていますが、借入額は対象者1人あたり350万円までと、上限が定められています。しかし、銀行の教育ローンは借入額の幅が広く、上限額が高いので、医学部など入学金や授業料の高い学部での借り入れにも対応できます。
ブライダルローン
ブライダルローンは、結婚に関するイベントのためであれば、結婚式費用のみならず、新婚旅行費用や婚約指輪の購入にも利用できます。借入額の最高が300万円程度、返済期間が最長8年程度に設定されていて、長期で返済する他の目的別ローンより金利は割高です。
トラベルローン(旅行ローン)
主に旅行会社が扱っているトラベルローンは、一部の銀行でも扱っています。銀行のトラベルローンのほうが、金利が比較的低い傾向があります。また、海外旅行でトラベルローンを利用すると、現地で必要なときに必要な額を工面できるというメリットがあり、クレジットカードのキャッシングより金利面で有利です。
ライフサポートローン(多目的ローン)
人生のイベントに沿った必要資金を準備するためのローンで、結婚、旅行など他の目的ローンと利用目的が重なるところもあり、広い用途で借りることができるローンです。各種目的別ローンをまとめてライフサポートローンと称して、金利等利用条件を目的別に設定している銀行もあります。
フリーローン
目的別ローンのライフサポートローンより利用目的が広く、事業資金目的以外に自由に借り入れができるローンがフリーローンです。いろいろな目的で借りているローン残高をまとめて返済するためにも利用できるローンですが、目的別ローンよりも金利が高めに設定されているので、利用には慎重な判断が求められます。
フリーローンは、この後に紹介するカードローンと比較されることが多いローンです。その理由は、使い道が自由で、金利がほぼ同じであることも含め、用途がほぼ重なっているからです。
カードローン
カードローンは、その名の通り各銀行でカードを作り、そのカードで毎回使い道の自由なお金を借り出すことができるというものです。ただし、カードローンにも事前に借り手の信用度(返済能力)の審査があります。
カードローンでは、この審査に通って借入限度額が決まると、その限度額までなら次回の審査を受けることなく、同じ銀行から原則として何回でもお金を借りることができます。借り入れを希望するときに毎回審査を受けることになる、フリーローンとの大きな違いはここにあります。
個人で銀行融資を受ける方法
銀行の目的別ローンは、銀行のフリーローンやカードローン、あるいは消費者金融のカードローンと比べて金利が低い点が魅力です。そのため、利用目的が明確なときは、まずは銀行の目的別ローンへの申し込みを考えることになると思いますが、昨今では銀行の窓口へ出向く方法の他にインターネットによる申し込みもできます。
特に短期間の少額ローンでは、申し込みから審査、融資に至るまで窓口など対面による銀行担当者とのコンタクトなしに利用できる場合も珍しくありません。それぞれの申し込み方法について触れておきましょう。
窓口相談
住宅ローンなど高額で返済期間が長期にわたるローンでは、借り入れを申し込む前に個別に窓口を尋ねる、あるいは銀行が開催する相談会に参加することで、頭金や希望借入額、返済シミュレーションによる返済計画まで、ある程度の現実味を帯びたシナリオを作ることができます。住宅ローンに限らず、銀行窓口に出向けば親切に対応してくれます。
事前に予約をし、希望額と返済可能額をはじめとする借り入れ条件を具体化しておくことで、実のある相談になるでしょう。
電話相談、インターネット相談
電話による借り入れの相談では、目的のローンと金額、返済期間と毎月の返済額をあらかじめ明確にした上で、無理のない返済計画が立てられるかどうかを相談することができます。ただし、数字を見せながら自分の考えを面と向かって表現し、銀行員の方の意見が直接聞ける窓口相談に比べ、電話相談には制限があります。住宅ローンの場合、電話相談によりある程度の具体性を帯びた段階で、一度は窓口に出向く必要があるかもしれません。
インターネットによる相談は、項目別の質問に回答の選択肢を選ぶことで回答が得られる方法と、最後に質問フォーマットに質問事項などを書き込んで、後で回答が得られる方法があります。こちらも、住宅ローンなどの明確にしなければならない内容が多岐にわたるローンでは、一度窓口相談を受ける必要があるでしょう。
窓口で申し込む
事前相談を終えた段階で必要書類等を準備して、銀行窓口で申し込みます。
通常、銀行窓口では担当者による簡単なヒアリングから始まり、目的別ローンの具体的内容(使途、融資金額、返済期間等)について審査されます。
インターネットで申し込む
窓口で申し込む方法に加えて、インターネットによる申し込みも可能です。必要書類をスキャンして送信するなどの手間がかかりますが、銀行のホームページから手順および指示にしたがって送信すればそれほど難しいものではありません。ただし、インターネットの場合、事前審査と呼ばれる審査が行われます。申込者個人の信用度(返済能力)が低いと判断された場合、この段階で融資を断られることもあります。
個人で銀行融資を受ける条件
銀行による融資の金利が比較的低い理由は、個人の信用情報(信用度)を厳しくチェックし、申込者の返済能力を評価しているからです。評価の結果として銀行が申込者に返済能力がない、あるいは疑わしいと判断すれば融資はされません。この段階を通ったら、必要書類をそろえて融資の申し込みをします。
ローンの内容によりそろえるべき書類が変わりますが、一般的にどのような書類が必要か見てみましょう。
本人確認書類の提出
申込者が本人であることを確認するために本人確認書類が必要です。公的機関が発行した写真付きの身分証明書(例えば、自動車免許証、パスポート、マイナンバーカード、写真付き住民基本台帳カード、在留カードなど)の場合1通、写真がない場合(健康保険の被保険者証、年金手帳、写真なしの住民基本台帳カード、児童扶養手当証書など)は、いずれか2通を提出します。銀行によっては、健康保険の被保険者証1通でも良いというところもあります。また、写真付きの身分証明書で運転免許証かパスポートのいずれかに限定する銀行もあります。
目的ごとの見積書の提出
目的別ローンの中で、住宅ローン、リフォームローン、自動車ローン、多目的ローンなどでは、融資したお金の使途がその目的に沿ったものであるかを示す、購入元発行の見積書、あるいは注文書を提出します。見積書、あるいは注文書には、資金使途と金額が明記されているため、返済金の振込先が書かれていることを確認してください。振込先、振込金額が振込依頼書など別の書類に書かれている場合は、その書類も用意します。
住宅ローンの場合は、見積もりが適正かを判断する目的もあり、本体工事、設備工事、付帯工事の内容が書かれた見積書の提出を求められます。設備工事などでは、工事内容が「一式」などと書かれている場合は、内容の詳細が記載されたものが必要です。
収入証明書類の提出
目的別ローンの借り入れ希望額が一定の金額を超える場合、収入証明書類の提出が求められます。銀行が指定する収入証明書類には、源泉徴収票(給与が複数の会社から出ている場合、そのすべて)、所得証明書、確定申告書のいずれか、あるいは、これらに代わるものとして会社名がわかる給与明細の直近何カ月分かを提出する必要があります。
銀行融資を受ける際の審査項目
銀行からの融資は審査が比較的厳しいといわれていますが、どのような審査が行われているのかご存じでしょうか。
当然ながら銀行としては、融資したお金が返済されないという事故が発生しないよう厳しい判断をしています。したがって、審査に時間がかかるという特徴もあります。事前審査と本審査の内容は、以下の通りです。
事前審査
目的別ローンの銀行融資を希望するときに、インターネットを利用して事前に銀行により申込者個人の信用度(返済能力)が審査されます。最初から目的別ローンの詳細情報を持参して窓口で申し込む場合は別にして、借り入れ希望額、返済期間の情報をはじめ、銀行が契約している個人信用情報機関のデータベースを参照し、本人の借り入れ、および返済履歴などが調べられます。
この個人信用情報機関のデータベースでは、他金融機関での現在の返済残高も明らかになるので、現在および将来にわたる返済能力が正確にわかります。したがって、この情報に過去の返済遅延などの「事故」記録があると、事前審査に通ることは難しくなるでしょう。
本審査
事前審査に通った人または詳細情報を持参して窓口に来た人を対象に本審査が行われます。事前審査を受けていない人は、窓口で事前審査同様のヒアリングが行われ、この段階で断られることがあります。
では、本審査ではどのようなことが審査されるのでしょうか。住宅ローンを例にとると、国土交通省による各銀行等への調査結果では、融資を行う際に考慮する項目のベスト3は完済時年齢、健康状態、担保評価の順になります。年収や雇用形態のような申込時の状況以上に、長期間、健康で返済ができることを重要視していることがわかります。
また、実際に融資をするときには、人的担保や物的担保を設定するよう求められます。人的担保とは、万が一返済が滞ったときに申請者(債務者本人)に代わって返済を肩代わりする連帯保証人等です。物的担保は、多くの場合、融資の対象となる住宅に抵当権を設定することで担保とし、長期間にわたる返済期間の途中で返済が滞った場合、担保物件で清算ができるようにします。
高額で返済期間が長期のときは銀行融資が有利
今回は、個人が銀行からお金を借りる方法や条件についてご紹介しました。
銀行による融資は、消費者金融や信販系のローンより金利が安いという特徴があるので、比較的高額で返済期間が長期にわたる場合は、銀行からの借り入れが有利です。
また、クレジットカードによるキャッシングの代わりにトラベルローンを使うなど、目的別ローンをうまく利用すると、金利面でメリットを得られることもあります。住宅ローンでは、完済時年齢や健康状態が本審査の重要な要素となるので、申し込み時期や返済期間、生活態度に関する考慮事項にも注意するようにしましょう。

ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役
慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。
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