お金を貸してくれる掲示板(個人間融資掲示板)は闇金だらけってほんと?
個人間融資掲示板はお金を貸してくれる掲示板!?
急にお金が必要になり、手持ち資金では不足するためお金を調達しなければならない場合は、友人や家族に借りるという方法があります。
しかし、家族や友人に借りるのは恥ずかしい、友人関係を壊しそうで借りにくいなどの場合に、インターネット上の個人間融資掲示板を利用して借り入れを行った方が、トラブルに巻き込まれるケースが報告されています。
今回は、個人間融資についての基礎知識や個人間融資掲示板の内容、利用時の注意点などについてご紹介します。
個人間融資とは
個人間融資とは、個人と個人の間でお金を貸し借りすることです。
例えば、家族や友人などの間でもお金を貸し借りすることはあり得ますが、家族間や親しい間柄でのお金の貸し借りも、個人間融資の1つだといえます。なお、家族や親しい間柄で、数万円程度の貸し借りの場合、いちいち借用書を作ったりすることはないでしょう。しかし、数十万円などある程度まとまった金額を貸し借りする場合、トラブルを防止するために借用書を作成することになるかと思います。
親しい間柄でお金というデリケートなものを扱うからこそ、返済期限や、金利、返済が遅れた場合の対処方法などを決めて、きちんと形に残しておくことが、今後の関係を良好に保つために必要です。
また個人間融資での金利は、貸金業法の規制を受けないため、個人間のお金の貸し借りに適用される利息制限法の上限金利を適用できます。この場合、10万円までは年利20%、10万円~100万円は年利18%、100万円以上は年利15%が上限金利です。
ただし、利息制限法の上限金利を超えても罰則はないため、出資法(出資の受け入れ、預かり金および金利等の取り締まりに関する法律)の上限金利である年利109.5%を設定することも可能ですが、実質的には利息制限法の上限金利を超えた融資は法律上無効と判断されますし、親しい間柄では、金利もそれほど高く設定することはないでしょう。
また、営利目的での個人間融資は、貸金業法に違反する可能性があるため注意しましょう。
お金を貸してくれる掲示板「個人間融資掲示板」とは
現代はインターネット社会。個人間融資でも、インターネット上でお金の貸し借りをする相手を募る掲示板が存在します。
例えば、ネットオークションは、ものを売ったり買ったりする相手を募る掲示板のようなものです。個人間融資掲示板も考え方は同じで、個人的にお金が必要な場合に、お金を貸してくれる相手(個人)を、インターネットを通じて募集するというものです。
実際、お金を必要とするベンチャー企業などに、個人からのお金を集めて出資するという仕組みがあり、仲介を行う会社も存在します。いわゆるソーシャルレンディングというものですが、これらは出資先が企業であることが多くなっています。
また仲介の会社が存在し、出資者には分配金を支払う形となるため、個人が行う間接的な融資、つまり「投資」のような感覚で利用するもので、直接的に個人間のお金の融資をしているものとは少し内容が異なります。
一方、インターネット上の個人間融資掲示板は、全く面識のない者同士がお金の貸し借りをするものです。しかし、たとえ少額でも、会ったこともない相手にお金を貸してくれることがあるのだろうか?というのが正直なところ疑問であるのは当然です。
実は、インターネット上の個人間融資掲示板では、「審査無しで融資OK」「すぐにお金を調達できます」などと、簡単にお金を貸してくれるような宣伝文句で個人を装った違法な業者が融資を行っていて、結局はお金をだまし取られたりするなどの被害を受ける場合もあるようです。
つまり、お金を貸してくれるといって連絡をしてくる相手は、個人を装った闇金業者だったり、お金を貸してあげるといいながら逆にお金を要求してきたりというように、怪しい相手である場合が多いのです。
中には、本当にお金を貸してくる方がいるかもしれませんが、個人の利用者が、インターネット上の個人間融資掲示板の相手を信用できるかどうかを見分けるのは非常に困難といえます。
個人間融資掲示板に多い闇金業者、詐欺者の手口
個人間融資掲示板を利用する場合は、「山口県(33歳)男性、職業アルバイト、希望金額5万円。出費がかさみ困っています。給料が出たらすぐお返しします」というように、お金を借りたい人が書き込みをします。投稿自体にメールアドレスは公開されていませんが、掲示板に投稿する際には入力が必要です。その内容を見た第3者が、メールで連絡を取ることができるような仕組みになっています。
このような個人間融資掲示板を見て連絡をしてきた相手が、闇金業者や怪しい相手なのかを見分けるのは簡単にはできないのですが、実際、どのような手口で接近してくるのか、どんな被害が起きているのかを具体的にご紹介します。
法外な利息を要求してくる
個人間融資では貸金業法の適用を受けないため、高額な利息を要求される場合があります。
個人間融資掲示板を利用しようと思っている方は、すでにカードローンやクレジットカードを限度額まで使っていて、借金の返済のためにさらに借金を重ねるような方が多い傾向にあります。そのため、お金を貸す側も「高い金利でも利用するはず」と弱みにつけ込んでくることが多いのです。
借り入れする際に、詳しい金利も提示されず、一体元本がいくら減っているのかも分からないまま長期間にわたって返済を要求されることもあります。罰則がないとはいえ、個人間融資でも利息制限法の上限金利を守ることが基本です。金利をはっきりと示さず、高額の利息を要求してくるのは、闇金業者といって良いでしょう。
個人情報を聞き出し、バラまかれる
個人間融資掲示板を利用すると、まずはメールで連絡が来ますが、その際に「融資が可能かどうかを判断するため」という理由から、勤務先や年収、携帯電話番号、過去のカードローンの利用の有無や返済状況などの細かな情報を聞いてきます。その上、本人確認のために、免許証やパスポートのコピーなどを提出するよう求められる場合もあります。
このような個人情報を集めた結果、「融資はできない」と断られ、さらに個人情報が流出して別の闇金業者から携帯電話やメールで連絡が来るという事態になってしまいます。つまり、個人情報が闇金業者に売買されている可能性があるのです。知らない相手とお金を貸し借りする場合、本人確認書類などの提出を求められることは当然と思ってしまうでしょう。
つまり、見知らぬ相手との個人間融資は、常に個人情報をバラまかれる危険性があり、相手が信頼できるかどうかという判断も難しいといえます。
お金を借りる前に手数料の振り込みを要求してくる
怪しい業者の典型例として、こちらからお金を借りたいといっているのに、逆に、手数料や保証料という名目で口座にお金を振り込むよう要求してくるケースがあります。そして、お金を振り込んだあとは相手と連絡が取れなくなり、結局だまし取られるのです。
携帯電話や銀行口座の開設を要求してくる
お金を借りたいのに、「連絡用の携帯電話が必要」、「専用の取引口座が必要」などの口実で、携帯電話や銀行口座の開設を要求し、携帯電話や通帳を引き渡すよう要求してくるケースがあります。携帯電話や銀行口座は、振り込め詐欺などの犯罪に利用される場合が多く、闇サイトでも売買されています。
このような要求をしてくる相手は、詐欺犯罪に関わっている可能性がかなり高いため、携帯電話や銀行口座を渡すことはもちろん、お金の取引をしてはいけません。
女性にわいせつな要求をしてくる場合も
女性の場合、わいせつな画像をスマートフォンで撮って送るよう要求されるケースがあります。そのような画像は、インターネット上にバラまかれて取り返しのつかないことになる危険性があり、写真を夫や交際相手にばらすと脅されるなど、警察でないと解決できない事態になってしまうことがあります。
このような場合は、明らかに怪しい相手だからひっかからないと思われるかもしれませんが、最初は通常の取引をしていても、返済が滞って立場が弱くなったところにつけ込んで、わいせつな要求をしてくる場合があることを知っておきましょう。
個人間融資よりもおすすめの借り入れの方法は?
これまで見てきたように、個人間融資掲示板でお金を貸してくれる相手は、闇金業者や詐欺者である場合が多く、個人間融資掲示板を使ってお金を借りることはリスクが高いといえます。
審査もなく簡単にお金を借りられるとはいえ、わざわざリスクの高い個人間融資掲示板を利用してお金を借りるよりも、銀行や消費者金融、ノンバンクなどから合法的な方法でお金を借りるほうが安心です。どのような金融機関からお金を借りることができるのかを簡単にご紹介します。
銀行
個人が銀行からお金を借りる場合は、カードローンやフリーローンを利用することが一般的です。カードローンやフリーローンは、無担保でお金を借りることができ、限度額の範囲内であれば、何度でも借り入れをすることが可能です。また、利用目的も自由のため、生活費の補填や、急な冠婚葬祭の費用などに利用することができます。
銀行のカードローンの金利は、都市銀行、地方銀行、ネット銀行、それぞれで多少異なりますが、一般的に2%程度~15%程度となっています。申し込みは、銀行の店舗に行かなくても、電話やネットからでも可能です。カードローンは、その銀行の口座を開設しなくても利用できる銀行もあります。ただし、審査手続き上、どんなに早い場合でも融資は翌日となります。
また、利用目的がはっきりしている場合は、車を買うなら自動車ローン、子どもの学費に使うなら教育ローンなど目的別のローンを利用することで、カードローンやフリーローンより低い金利で利用できます。
消費者金融
消費者金融でも、カードローンでお金を借りることができます。金利は銀行から借りる場合よりも高めですが、銀行と比較すると審査が緩やかといわれています。また、消費者金融のカードローンを利用する場合は、申し込みから融資までのスピードが速いということが大きな特徴です。
金利は3%~18%程度が多く、申し込みは無人契約機や電話の他、インターネットからも受け付けていて、店舗に出向かなくても融資をしてもらえます。ネットで申し込みから融資までできるカードローンもありますし、即日融資が可能な場合もあるため、急いでお金を融資してもらいたい場合は便利な存在です。
なお無人契約機では、その場でカードを発行してもらうことができるため、スピーディーな利用が可能となります。
ノンバンク
カードローンより手軽に利用できる方法としては、信販会社やクレジットカード会社など、いわゆるノンバンクの金融機関からクレジットカードのキャッシング枠を利用してお金を借りる方法があります。
クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠があり、通常の買い物でクレジットカードを利用する際は、ショッピング枠を利用しています。
すでにクレジットカードを持っている場合だと、キャッシング枠がいくらあるのかを確認して、その範囲内でキャッシングを行うことが可能です。もし、キャッシング枠を設定していなければ、通常はコールセンターなどに連絡して申し込むことができます。
キャッシングは、金融機関やコンビニのATMで行えますし、口座振り込みができるノンバンクもあるため、手軽に利用できるでしょう。
個人間融資掲示板は闇金の可能性がある
今回は、個人間融資についての基礎知識や個人間融資掲示板の内容、利用時の注意点などについてご紹介しました。
そもそも、個人間融資掲示板を開設している運営元が、闇金業者である可能性があります。軽い気持ちで個人間融資掲示板に投稿するだけで、たくさんの闇金業者に情報が行きわたり、闇金業者からメールが殺到することになってしまうかもしれません。
お金が必要になったら、個人間融資掲示板などを利用しなくても合法的な手段で銀行や消費者金融などからお金を借りる手段があります。多重債務状態になって通常の金融機関からお金を借りることができない場合は、法的手続きで債務整理をして、生活を立て直すことも1つの方法です。安易にネットでお金を貸してくれる掲示板などを利用しないようにしましょう。

CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」
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