貸したお金を返してもらうには?催促するときの言い方や注意点

貸したお金を返してもらうには?催促するときの言い方や注意点

友達・恋人同士のお金の貸し借り

お金を返してもらうにはどうすればいい?貸したお金を催促する際の言い方

貸したお金が返ってこないとき、どのように伝えれば友人関係を崩さずにその後も仲良く続けることができるのでしょうか。本来であれば貸した側が考えることではないかもしれませんが、貸したことによりぎくしゃくしてしまうことはよくあることです。

そこで今回は、貸したお金を返してもらうときにどのように言えば相手もお金を返してくれる可能性があるか、またできるかぎりぎくしゃくせずにその後も良い関係を築いていけるようになるか、催促するときの言い方や注意点についてご紹介します。

お金のトラブルはその後の人間関係を悪化させる最も大きな要因といっても過言ではありません。1人で悩まずに、どう対応していけば良いか知り、行動することが大切です。それでは1つ1つ具体的なケースごとに解説していきます。

貸したお金を返してもらうには?

貸したお金を返してもらうには、どのような手段を取れば良いのでしょうか。考えればキリがありませんが、まずは相手に返してほしいという意思を伝えることが大切です。中には相手もすっかり忘れている場合と、意図的に何も言わない場合があります。もしすっかり忘れているだけであれば、貸した話を伝えるだけですぐに返してくれる場合もあると考えられます。

また、伝え方ですが、まずはメールや電話、直接会って話す方法を取りましょう。メールや電話で対応できる場合には即座に行動を起こしてください。また、お金の話だからこそ直接会って話をしたいのであれば、直接会って話をすべきでしょう。ただ、会って話すとなるとなかなか切り出すのが難しい場合もあります。そこで、どのような言い方で話をするのが効果的か、事例をもとに考えていきましょう。

貸したお金を催促するときの言い方

貸したお金を催促するときに、遠回しに言う方法や相手に嫌な感じを与えずに言う方法が効果的と言えます。こうすることで、相手を傷つけず、かつ円満に解決できる可能性が高いためです。

ここでは貸した相手が、(1)ママ友のケース、(2)親しい友人のケース、(3)それほど親しくない友人・知人のケース、(4)職場の同僚のケース、(5)職場の上司やお世話になった方のケースに分けて見ていきましょう。

1.ママ友の場合

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ママ友は普段からの付き合いであり、付き合いがこじれると後から大変です。とはいえ、お金を貸すといった場面はあるかもしれません。「○○さん、お財布忘れてきちゃった。後で返すからとりあえず出してくれないかな?」という流れで数百円や数千円を貸した程度ではそれほど問題に感じない方もいるかもしれません。しかし、このような話が積もり積もれば大きな金額になりますし、また返さないと貸した側は不快に感じるでしょう。

そこで、もしお金を貸すようなことがあった場合には、その場でメモを取るなり、携帯に書き込むなりして、「○○さん、忘れるといけないからメモしておくね。来週また会うから、そのとき返してね」といった具合に伝えておきましょう。こうすることで、相手も返さないといけないと思う状況を生み出すことができます。

また、何かの拍子に、「あっ、そういえば○○さん、この間貸したお金そろそろ返してもらっても良いかな?」といった風に切り出すのも効果的です。普段の会話の中に織り込むことで、催促している感じを強く出すことなくお金の話に触れられるでしょう。

2.親しい友人の場合

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次に、親しい友人の場合にはどうでしょうか。親しい友人であれば、「ねぇ、この間貸したお金、返してくれないかな?」とストレートに伝えて良いかもしれません。親しければストレートに言った方が、「ごめん、何日に返すから待って」と素直に話してくれるでしょう。

ただし、親しい友人ほど、お金の貸し借りは本来すべきではありません。何年もの付き合いでも、お金のことで仲が悪くなることはよくある話です。ストレートに言えるぐらい仲の良い関係ができていれば、「あ、返す。悪い悪い」といった形でうまく収まるでしょう。

3.それほど親しくない友人・知人の場合

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それほど親しくない友人や知人にお金を貸した場合にはどうすれば良いでしょうか。それほど親しくない友人や知人の場合には、やんわりと伝えていくことで、ぎくしゃくしない関係を作らないことに徹しましょう。

例えば、「○○さん、今月少しピンチになってまして……。もし可能であれば、この間貸したお金の一部でも良いから返していただけると今月乗り切れそうです。何とかなりませんか?」とやんわり伝えてみましょう。親しくない関係であっても、お金を借りていることに罪悪感を覚えればしっかり返してくれるでしょう。

4.職場の同僚の場合

ちょっとした立て替え

職場の同僚の場合には、どう対応すべきでしょうか。毎日のように会っている間柄、お金に限らず何かと貸し借りが発生しやすい関係性です。しかし、お金に関しては関係を悪化させる原因になりかねません。

例えば、給料日に「この間のお金、今だったら返せるよね?分割でも良いから返してくれないかな?」と伝えてみてはどうでしょうか。同僚だからこそ、給料日は同じであることから、率直に伝えてみましょう。ぎくしゃくしたくなければ、少しでも返済するようになるはずです。

また、同僚だからこそ心配するといった方法も用いてみてください。「○○さん、この間貸したお金返せそうかな?何か困っていることでもあるの?」こう聞くことで、何か悩みを抱えているのであれば打ち明けてくれるかもしれません。ただし、お金の悩みだからといって同情してしまうといつまでも返ってこない可能性があるため、ある程度区切りを付けて話をすべきでしょう。

それでも返済が難しい場合や、一向に返す気配がない場合には、上司に相談することも検討してみましょう。ただし、この場合には同僚との関係が悪化するおそれがあるため、お金と同僚との関係どちらを優先するか考えた方が良い場合もあります。

5.職場の上司やお世話になった方の場合

友達・恋人同士のお金の貸し借りにおける注意点

職場の上司やお世話になった方の場合には、どう対応をしていけば良いでしょうか。通常はなかなか目上の方にお金を貸すといったことはないかもしれません。しかし、どうしてもお金が必要な場合に、後輩がとりあえず出すという可能性はあります。

こうした場合は、一般的には上司やお世話になった方が、翌日や翌週には返してくれることが一般的な対応です。とはいえ返してくれない場合もあるかもしれません。例えば、「○○課長、今月そろそろ苦しくなってきました。すいません、この間のお金、何とかなりませんか?」と悲しい表情で伝えてみましょう。上司やお世話になった方がよほど経済的に苦しくない限りは、返さないわけにはいかないでしょう。

もし返済してくれないといった場合には、上司の上司に伝えてみるのも手段としてはありです。ただ、その場合にもまずは貸した上司に「返済してくれなかったら○○部長に伝えるかもしれません」と忠告すべきでしょう。こうすることで、焦りと罪悪感を生み出し、返済してくれることにつながるかもしれません。

それでも返してくれない!貸したお金を催促する方法

今までご紹介した言い方や方法を用いても返してくれない場合、どうすれば良いのでしょうか。できれば会って話をして解決することで円満に終わりたいところですが、会うことができない場合には書面による催促や裁判所を介した話し合いをすることになります。

その前段階として会って話をするときに、いつなら返せるのかを聞いておきましょう。また、借りた事実をしっかり認めさせ、借用証書を作成し署名、押印してもらうことも有効です。この段階で返済を何とかすると向こうから言ってくるかもしれません。

督促状など書面による催促

借用書を用意

もしそれでも何も変わらない場合には、催促状や請求書を送付してください。催促状には、ご自身の名前、相手の名前、請求日、債権額と債権内容(いくらお金を貸したのか。いくら返ってきてないのか)、支払期限、振込先を記載します。

こうした書面が届くだけでも、心理的には「返済しなければまずい」となるはずです。これでも返済してくれない、無視されるといった場合には、再度催促状を送る他、配達証明付きの内容証明郵便を送りましょう

内容証明郵便とは、いつ、どういった内容の文章を誰から誰にあてたものなのかを郵便局が証明してくれるものです。これに配達証明を付け加えることで、配達し確かに相手側が受け取ったことを証明します。これで相手は「そんな文章知らない」とは言えなくなります。

内容証明郵便には、支払いをいつまでに行うのか、その返答期限を明示してください。もし相手が無視するのであれば、その場合には法的手段を取る旨も記載しておきましょう。ここまで行う場合はすでに円満な解決には程遠い手段となっていますが、お金を返してもらうことを一番の目的とするならば、かなり効果的な方法です。

法的対応

借金の時効

それでもまだ返さないとなれば、簡易裁判所による民事調停や仮差押え、裁判所を利用した支払督促などによる方法を利用することになります。債権額が60万円を超えない場合には少額訴訟により訴えることも可能です。

こうした裁判所まで利用する方法は、時間もお金も掛かることになるかもしれません。貸したお金が多額の場合や、必ず取り返すといった強い思いがある場合にはここまで考えるべきでしょう。

ただし、その後の人間関係は確実に悪化するため、まずは言葉で誠意ある対応を見せ、何とかお金を返してくれないかどうかを考えることをおすすめします。法的なステップはあくまでも最後の手段として捉えておきましょう。

返済を催促する際の注意点  

最後に、借金の返済を催促する際の注意点についても触れておきます。まず、催促の仕方次第では、相手が逆上する可能性があります。「返そうと思っているのにしつこく言ってくる」、「そんなの1回聞けば分かっている」、こうした思いで相手は聞いているかもしれません。そのため、ストレートに伝えることが望ましいのか、やんわりと伝えるべきなのか相手の状況や環境を踏まえて話すべきです。

また、貸したお金を返ってくるようにするためにも、金銭消費貸借契約書(借用証書)を作成し、書面での契約も結ぶことを伝えましょう。こうした証明書類があるかないかでは、その後の取るべき手段が変わってきます。証明書類がなければ裁判を有利に進められない可能性があります。

併せて返済期限も必ず聞いておきましょう。いつまでなら返せるのか。期限までに返せない場合にはどうするのか。こうしたことも催促をする上で聞いておくと、相手の心理にも大きな影響を与えるでしょう。

もう一点、10万円以下など少額の貸し借りの場合、相手側は裁判の方がお金が掛かると最初から知っていて借りてくる場合があります。そのため、労力を使って取り戻す暇があったら働いて稼いだ方が良いといった状況になるかもしれません。

法的手段は返済催促の最終手段

今回は、貸したお金を返してもらう対処法として、催促するときの言い方や注意点、催促しても返してもらえないときの方法についてご紹介しました。

お金の貸し借りほどトラブルが多いものはありません。「お金の切れ目が縁の切れ目」よく言われる言葉ですが、現実として起こりえる問題です。貸した側が言い回しなど気を付けることでお金が返ってくる可能性があるため、催促の仕方次第ではうまくまとまる可能性もあります。円満に解決するためにも、貸して返ってこない場合には、相手の状況に応じてどうしたお金が返ってきそうか考えてみましょう。

注意点は、借りた側が催促の言葉に敏感に反応する可能性があること。開き直って返さないといった場合や、返したもののその後の関係が大きく悪化する可能性もあります。

そもそも一番良いことはお金の貸し借りをしないことですが、貸した後ではそのような対処法も効きません。そのため、いかに相手を傷つけないように話を行い、円満に解決するかを考えましょう。それでもダメといった場合はやむを得ませんが、督促状や借用証書、内容証明郵便などを用いて催促し、さらには裁判にまで持ち込み法的手段を取ることも手です。ただし、法的手段を取るということは相手との人間関係は二度と戻らないと思った方が良いでしょう。

 相手も人です。必ずや話し合いにより解決できることがあるはずです。それでもどう考えてもダメな場合には裁判を選ぶようにしてください。

伊藤 亮太
伊藤 亮太

CFP(R)認定者
スキラージャパン株式会社取締役、伊藤亮太FP事務所代表

慶応義塾大学大学院商学研究科 経営学・会計学専攻修了。学生時代にCFP®資格、DCアドバイザー資格取得。2007年11月スキラージャパン株式会社設立に参画。取締役に就任。またその後個人事務所として伊藤亮太FP事務所を立ち上げる。独立系FPとして、金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング・相続事業承継、保険見直し、金融機関等における講演など幅広く活動を展開、執筆業務も多岐にわたる。

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