友達・恋人同士のお金の貸し借りは危険?トラブル例と注意点

友達・恋人同士のお金の貸し借りは危険?トラブル例と注意点

友達・恋人同士のお金の貸し借り

友達や恋人とのお金の貸し借りによるトラブルを防ぐには

友達や恋人だからこそ、いざというときに頼りになれる。それはそうかもしれませんが、お金の貸し借りではどうでしょうか?それがもとで友達との縁が切れたり、恋人と別れたりといったことにつながる恐れもあります。また、その前段階としてけんかする、連絡が取りにくくなるといったことも想定されます。

好きな相手だからこそ、信頼関係がある中だからこそ、お願いしたくなるのも山々ですが、それがかえってあだとなってしまうことも多いのです。

そこで今回は、友達や恋人からお金を借りた場合のトラブル例と注意点についてご紹介します。

友達・恋人とのお金の貸し借りでありがちな例

まず、友達や恋人とのお金の貸し借りでありがちなケースを紹介します。普段の生活において、下記のようなケースに該当することありませんか?普段取る何気ない行動が、トラブルの種を作っている可能性があります。

買い物でお金が足りないとき

買い物

友達や恋人と一緒に買い物に行くときに、うっかり財布の中身を確認せず、「お金が足りない!」そんなことはありませんか?

この場合に、皆さんはどう対応しているでしょうか。我慢強く、「すいません、お金が足りなかったのでやっぱり買うのをやめます」といえるでしょうか。それとも「ごめん、ちょっとお金が足りないから、少し貸してくれない?」と友達や恋人にお願いするでしょうか。

買うのをやめることができた方は、資金管理がしっかりできている方といえます。中には、友達や恋人がいる前で恥ずかしいと感じる方もいるかもしれません。しかし、ただ仕方なく借りただけでも、それが度重なる貸し借りの始まりになる場合もあるのです。

ただ欲しいものを買うために、身近な人からお金を借りようとした方はトラブルの火種を持っているといえます。もちろん、すぐに返せばトラブルは起こり得ませんが、お金の貸し借りは意外にも借りた側の方が忘れやすいもの。うっかり返すのを忘れてトラブルにつながりかねません。

ギャンブルで負けてお金が足りないとき

ギャンブル

ギャンブル好きな方の場合、お金がないことを理由に友人や恋人からお金を借りるといった経験ありませんか?ギャンブル依存症の場合、「もう一回やれば勝てる」「今度はこれがくる。だからお金が必要」といった感覚に陥る可能性があります。お金を借りてギャンブルに走るのは、自らを破産に導くようなもの。

ギャンブル好きな方は、ギャンブルをするのであればあらかじめ余裕を持った状態で行う、普段使いのお金には手を出さないなど、お金に関して一定のルールを決めて行うべきでしょう。友人や恋人からの貸し借りなどもってのほかです、

生活費が足りないとき

生活費

「旅行に行ったせいで、今月の生活費が足りない」特に新社会人などまだ貯金が貯まっていない世代の場合、このような経験はよくあることではないでしょうか。

生活費が足りないときには、皆さんならどうしますか?クレジットカードのキャッシングやカードローンで借りるといった方もいるかもしれません。親に頼んでなんとか生活費をやりくりするといった方もいるかもしれません。そして、中には頼みごとを聞いてくれやすい友達や恋人から借りるという方もいるでしょう。

しかし、生活費の不足分を貸し借りするようになると、それが次第に当たり前の感覚となる恐れがあります。毎月のように貸し借りが始まると、一回が少額でも積み重なって大きなトラブルになるでしょう。

その他ちょっとした立て替えをしたとき

ちょっとした立て替え

その他、何気ない場面で、ちょっとした立て替えが発生することはありませんか?例えば、飲み会で割り勘となったときにお金が少し足りなかった場合。あとで払うから立て替えといて、とお願いするのはよくある場面です。

また、大勢でホームパーティーをするときに、食材費はとりあえず1人に任せて、あとで払うつもりが忘れていたということも起こり得るでしょう。あるいは、同じ電車の切符が複数人分必要なとき、1人が先にまとめて購入し、お金は立て替えておくといったこともあります。

このようなちょっとした立て替えが、支払いを忘れてそのまま放置、そして気づかない間にトラブルにつながる可能性があるのです。

友達・恋人同士のお金の貸し借りで発生しやすいトラブル例

日常で起こり得る、ちょっとした貸し借りが引き起こすこととして何が考えられるでしょうか。ここでは、もっともよくあるトラブルの内容をご紹介します。こうした経験があってほしくないですが、もしあるという方は要注意です。今はトラブルがない方も、今後トラブルを起こさないように日頃から注意しましょう。

人間関係が悪くなる

お金の貸し借りでもっともよくある出来事は、人間関係が悪くなることです。たった1万円の貸し借りでも、その後返済せずにいると関係は悪化します。金額の問題ではありません。借りたものを返していない時点で、信用度が大きく下がるのです。

お金のトラブルが起こればその後連絡が取りにくくなり、自然と人間関係が消滅してもおかしくありません。そして、その後お金を返したとしても、一度壊れた信頼関係はなかなか戻らないでしょう。人間関係は信用のもとに成り立ちます。崩すのは簡単ですが、戻す、強固なものにするのはかなりの時間がかかります。

本当に困ったときに助けてくれる友人や恋人。そんな大切な人間関係をお金の問題でなくすのは避けたいところです。

共通の友人がいる場合は周囲の人間関係も気まずくなる

人間関係が悪くなるのは、友人や恋人だけではありません。お金の貸し借りの話は、その周囲にも知れわたる可能性があります。共通の友人がいる場合には今後ずっと気まずい状況が発生しかねません。

「あいつは金銭トラブルで友達や恋人を失った」という噂が広がれば、周囲からも信用を失う可能性があります。

当然ながら、その後周囲からお金を借りようとでもするならば、白い目で見られるのはもちろん、さらに信用をなくし周りから友人はいなくなり、孤独感を味わうことにもなりかねないでしょう。

恋人の場合は別れにつながることも

当然、お金の貸し借りが原因になり、恋人と別れるということも想定されます。恋人との楽しい思い出が、少しの貸し借りで失われると思うと悲しくなりますが、これが現実です。お金の管理がしっかりできない人は、結婚はもとより恋人関係すらうまく続かないかもしれません。お金に関してルーズな人は、普段の行動も否定的な目で見られる恐れがあります。「この人はやはり信用できない」と思われてしまうと、恋人としての関係には終止符を打たざるをえないでしょう。

元々結婚詐欺だった場合もある

お金の貸し借りでトラブルになるケースとして、結婚詐欺や婚活詐欺を挙げることができます。つまり、結婚する気があると見せかけてお金をだまし取る手口です。

例えば、婚活パーティーなどで明らかに「この人かっこいい」とか、「すごく魅力的な女性だ」と感じた方がいたとします。もちろん、この段階では詐欺かどうかは分かりません。その後、何回かデートを重ねていくうちに、相手はさておき、こちらは恋愛感情が芽生えているため相手のいうことはある程度信用するようになっているでしょう。

そしてあるとき、急に何かを理由にしてお金が必要といってきます。例えば、「親など身内が病気でありその治療費が必要になった」「独立して自分の店を持ちたい。そのための資金を出してくれないか」「一緒に住む家を買いたい。お金をいくらか出してほしい」といった理由です。一見、いずれもまっとうな理由であり、恋人もしくは婚約者という関係であればお金を出しても良いと感じる内容です。

その他、「結婚資金としていくら用意してほしい」といったことを話しかけてくる場合もあります。詐欺師の手口では、足が付かないように現金で欲しいと要求してきます。何かおかしいな、と感じたらそこでストップをかけられれば良いのですが、急を要するなど事情が事情だけにそのまま渡してしまうこともあるでしょう。

そしてお金を渡したら音信不通になり、当然結婚の話なども自然消滅。このようにして結局お金をだまし取られるのが、結婚詐欺、婚活詐欺です。

友達・恋人同士のお金の貸し借りにおける注意点

友達・恋人同士のお金の貸し借りにおける注意点

詐欺は極端なケースですが、いずれの場合においてもトラブルがもとで不快な思いをさせてしまうケースばかりです。そのため、もし皆さんが友人や恋人にお金を貸すといったことがあった場合には、以下の点に注意していただきたいと思います。

親しい間柄でも借用書を用意

借用書を用意

親しい間柄でも、いえ、むしろ親しい間柄だからこそ借用書を用意しましょう。借用書の作成は貸し借りを明確にすることで、トラブルを未然に防ぐ手段です。

口約束でお金を貸した場合には、証拠が残らないため、後々トラブルを解決しようと思ったときに水掛け論に発展しかねません。しかし、借用書があれば貸した証拠が残るため、明確な根拠に基づいた話し合いが可能です。

借用書には、いくら借りたかだけではなく、いつまでに返済するといったことも記載します。また、貸した日付や、誰が誰に貸したのか、利息が付く場合にはその金利、借り手と貸し手の住所やサイン(もしくは押印)、借用書を作成した日付なども記載してください。このような責任の所在や金額を示す内容をできるだけ詳細に記載することで、貸し借りが行われたことを明確にします。

相手が返済しないときには、この借用書をもとに法的手段に訴えることも可能です。借用書はそのような場合の布石であるとともに、借用書を作ることで相手にお金を返さないとまずいと思わせる効果もあります。相手に対する心理的なプレッシャーをもたらすことで、自然とお金を返すように仕向けるのです。こうして自然とトラブルを減らすことができます。

借金の時効とは

借金の時効

もう一点注意したいのが、借金の時効についてです。貸主によって借金の時効は異なります。今回は友人や恋人からの貸し借りについてご紹介していますが、こうした場合の時効は10年です。なお、銀行などの金融機関、消費者金融などからの借り入れの場合、時効は5年となっています。

ただし、時効と定められた期間が過ぎればすぐに時効となるわけではありません。時効は、時効の主張をすることで成立します。例えば、配達証明付きの内容証明郵便により時効を主張するなどして初めて、時効が成立するのです。

また、貸主は時効を中断することもできます。借主が借金返済を拒み続けたとしても、時効の中断が成立すれば借金の支払義務はなくなりません。時効の中断には、簡易裁判所における支払催促など手順を踏む必要がありますが、どうしても返済を求めたいときには有効です。その他、返済期限から時効が迫ってきた場合には、以下のいずれかを行うことで時効を中断させることができます。

  1. 裁判所で訴訟を起こす場合
  2. 裁判所で支払督促の申し立てをする場合
  3. 貸主が借主に対して仮差押や差押を行う場合
  4. 裁判所で和解のための呼出し、調停などの申し立てを行う場合
  5. 借主が債務があることを認める(承認)をする場合
  6. 貸主が借主に弁済の催告をする場合

なお、5にあるように借用書の有無に関わらず、お金を借りていることを相手が認めれば時効は成立しません。相手が時効を待って返さない場合には、1~6のいずれかの手段を用いて時効を中断し、返済を求めることも考えましょう。

基本的に友達・恋人とお金の貸し借りはしないこと

今回は、友達や恋人同士がお金を貸し借りした場合にあるトラブル例をもとに、その際の注意点についてご紹介しました。

それまで楽しく過ごしてきた間柄であったにも関わらず、お金の貸し借りが原因で翌日から赤の他人となってしまうことに強い違和感を覚える方も多いことでしょう。しかしながら、これがお金のトラブルなのです。再度いいますが、金額の問題ではありません。お金を貸し借りした場合には、返すことが前提であり、返さなければ信用はどんなケースであろうが失うことにつながります。

こうしたトラブルをなくすためにも、一番良いのは友人や恋人同士ではお金の貸し借りをしないこと。お金の貸し借りさえしなければ、今回ご紹介したようなトラブルには発展しません。

また、もし万が一お金の貸し借りがあった場合には、借用書を作成しお互い納得のもとでサインするなど未然に防ぐ処置をしておきましょう。それでも返済しないといった場合にのみ、支払督促などの手段を取るべきです。

伊藤 亮太
伊藤 亮太

CFP(R)認定者
スキラージャパン株式会社取締役、伊藤亮太FP事務所代表

慶応義塾大学大学院商学研究科 経営学・会計学専攻修了。学生時代にCFP®資格、DCアドバイザー資格取得。2007年11月スキラージャパン株式会社設立に参画。取締役に就任。またその後個人事務所として伊藤亮太FP事務所を立ち上げる。独立系FPとして、金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング・相続事業承継、保険見直し、金融機関等における講演など幅広く活動を展開、執筆業務も多岐にわたる。

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