自分のクレジットカード情報が流出したかも!考えられる原因や対処法
クレジットカード情報が流出したかもしれないときの原因や対処法
スーパーやコンビニ、デパート、ネットショッピングなど、日常的にクレジットカードを利用して支払いをすることは当たり前になっています。公共料金の引き落としもクレジットカード払いを指定すればポイントが貯まりますし、国民年金保険料や、地域によっては自動車税や住民税もカード払いが可能なところもあります。
すっかり私たちの生活に浸透しているクレジットカードですが、怖いのは自分のクレジットカード情報の流失です。一般社団法人日本クレジット協会の調査「クレジットカード不正使用被害の発生状況」によると、平成29年1月~9月のクレジットカードの不正使用被害額は176.8億円。そのうち、クレジットカード番号の盗用による被害は130.3億円で被害額の73.7%という高い割合になっています。
今回は、クレジットカードが流失してしまうのはなぜなのか、考えられる原因や、流出してしまったらどうすれば良いのか、対処法を考えていきましょう。
クレジットカード情報が流出してしまったら…?
最近、企業から利用者の個人情報が流出したというニュースを頻繁に耳にするようになりました。通信販売やネットショップの支払い手段として、クレジットカードはとても便利なものですし、ポイントを貯めるために買い物はすべてクレジットカードという方もいるほどです。
しかし、クレジットカードを利用する場面が増えれば増えるほど、クレジットカード番号や個人情報が流出する危険性は高くなります。もし、自分のクレジットカードが不正利用され、利用した覚えのない請求が来たらどうすれば良いのでしょうか。被害を最小限に食い止めるために、すぐにやるべきことを挙げてみます。
クレジットカードの利用記録がある店舗へ問い合わせる
行ったことがない場所にある店舗からの請求や、買った覚えがない商品名が利用明細に記入されているといった場合、店舗の連絡先が分かれば、まずは店舗に問い合わせて、本当に自分のクレジットカードが使われているのかを確認してみましょう。
通信販売などの場合、商品名は覚えていても請求明細にある会社名を忘れていたり、購入した時から時間が空いていて利用したこと自体を忘れていたりする可能性もあります。
問い合わせの上、身に覚えがないクレジットカード利用があれば不正利用が疑われるため、商品を受け取っていないことや購入した覚えがない旨を店舗に告げ、どのような対応になるか確認しましょう。
クレジットカード会社へ連絡
次に、クレジットカード会社に連絡し、利用した覚えがない請求が来ていることを伝えましょう。通常、返金対応を求める場合は、利用者自身でクレジットカード会社に問い合わせることになります。
ほとんどのクレジットカードには盗難保険が付帯しており、不正利用に関しては損害補償が適用されるケースが大半です。今後の補償について、書類提出の手続きなどはどうすれば良いのかは、クレジットカード会社の指示に従いましょう。
クレジットカード会社の規定によりますが、書類提出は利用明細の発行から60日以内まで、といった期限が指定されています。口座から引き落とされて初めて気付く、また高額請求により引き落としができなくなって初めて気付くといったことがないよう、普段から不正利用がないか利用明細は必ずチェックしておくようにしましょう。
クレジットカード会社でも常にカードの不正利用がないかを監視していますので、利用者が気付く前にカード会社が利用者に連絡をしてくる場合もあります。
情報が流出したクレジットカードの停止および再発行手続き
一度情報が流失してしまったカードを再び利用することは大変危険です。不正利用が発覚したクレジットカードは直ちに使用を停止し、再発行の手続きを進めましょう。公共料金の引き落としなど、定期的な支払いをカード決済にしていた場合、個々の会社にカード番号が変わることを連絡しなければならないため手続きが大変になりますが、順次対応していく必要があります。
クレジットカードの再発行は、クレジットカード会社の補償制度により、年会費は負担せずしなくて済むことがほとんどです。ただし、不正利用に対する補償制度を利用するためには、カードを利用する上での規約違反をしていないことが最低限の条件になります。
例えば、カードの裏面にきちんと署名を行っているか、家族を含めカードの貸し借りをしていないか、暗証番号は第三者に知られないよう、適正に管理されているかなどが問われます。「忘れてしまうのが心配だから」とクレジットカードの裏に暗証番号を書いているなどの行為をしていると、補償の対象外といわれても仕方ありません。
そのため、普段からクレジットカードを利用する際に利用規約を守るよう心がけることが大切です。万一、補償制度が利用できない場合は、自分で警察に被害届を提出してお金が戻ってくる方法を模索することになりますが、かなり困難になるでしょう。
クレジットカードが流出する原因と対処法
クレジットカード情報の流出にはさまざまな原因が考えられます。クレジットカードを不正利用されないために自分でどのような対策を立てれば良いか、ケースごとに考えてみましょう。
利用先の企業からクレジットカード情報が流出するケース
最近は、ほとんどのスーパーやコンビニなどでクレジットカードが利用できます。また、インターネットのショッピングサイトにはさまざまなジャンルの店舗や商品が並んでいて、クレジットカード決済が一般的です。
しかし、利用した店舗からクレジットカード情報が流出する可能性もゼロではありません。企業がハッカーから攻撃されたり、何らかのシステム上の不備でインターネット上に個人情報が流出したりするケースも考えられます。
また、クレジットカード情報が従業員や会社に出入りしている者によって盗まれるケースも考えられます。相手先の人為的な問題は防ぎようがないといえますが、普段から下記のようなことに気を付けておくことで、情報流出を防げる場合もあります。
怪しげな店舗ではクレジットカードを利用しない
公益社団法人日本通信販売協会の調べによると、2016年度の通販の売上高は前年比6.6%増の6兆9,400億円に上り、直近10年は平均成長率6.6%のペースで拡大を続けています。通信販売はインターネットやテレビ、電話などで行われますが、クレジット決済を行う方も多いでしょう。
インターネットを介せば世界中の商品を購入することができますが、カード情報を抜き取る目的で作成されたサイトが存在することも事実です。ネットショッピング中に少しでも怪しいと思ったサイトは利用しないように注意してください。
利用するサイトごとにIDとパスワードを変える
よく利用するインターネットのショッピングサイトのログインIDやパスワードは、サイトごとに変えておくようにしましょう。管理が大変になりますが定期的にパスワードを変えるとさらに安心です。
ショッピングサイトを利用するたびにクレジットカード情報を入力しなくても済むように、カード情報を登録しておくことができるサイトもあります。しかし、むやみにカード情報を登録してしまうと、サイトのログイン情報を盗み取られアカウントに侵入された場合、簡単にカード情報を利用されてしまいます。
クレジットカード情報の登録は、情報流出のリスクが増えてしまうことを認識した上で利用するとともに、利用しなくなったショッピングサイトは退会して、個人情報を消しておくなどの対策を講じましょう。
ICチップ付きのクレジットカードにする
クレジットカード情報を読み取る端末に、特殊な装置を取り付けて情報を抜き取る「スキミング」による被害も増えています。スキミング対策としては、店舗でクレジットカードを利用する際に店員が不自然な操作をしていないかを確認することや、暗証番号を入力する際に番号を見られないよう気を付けることが有効です。
また、磁気ストライプだけのクレジットカードより、ICチップ付きのカードの方がスキミングされにくいため、ICチップ付きのカードを選ぶ方が良いでしょう。特に、海外ではスキミングの危険も高いといわれています。海外でクレジットカードを利用する際は、カードの暗証番号を盗み見られないよう、入力していない方の手で手元を隠すくらいの用心が必要です。
自分の不注意でクレジットカード情報が流出するケース
カード紛失やLAN環境からの情報流出など、自分が気を付けていればカード情報の流出を防げるケースもあります。個人情報管理への危機意識を持ち、自分でできる対策はとっておきましょう。
クレジットカード紛失に対する対策
自分の不注意でクレジットカードを紛失してしまい、不正利用につながることもあります。不正利用を防ぐためには、自分が保有しているカードの種類や枚数を把握しておくことや、カードごとの利用先をきちんと把握しておくことが大切です。カードの利用明細は必ずチェックし、不正利用されていないかをきちんと確認するようにしましょう。不正利用する相手は、最初気付かれないほどの少額を利用して様子を見てから、高額の利用をしてくる場合もあるため請求内容をきちんと確認してください。
特に、Web明細はいつでも見ることができて便利な反面、ログインして内容を確認することが面倒になり、確認を怠ったため不正利用されていることに気付かないこともあります。利用明細の発行後、一定期間を過ぎてしまうと、不正利用されても補償制度の対象外となってしまうため、定期的な確認は必ず行いましょう。
また、クレジットカードの暗証番号は絶対に電話番号や誕生日など、類推されやすい番号にしないことをおすすめします。クレジットカードの利用明細や、住所、電話番号など個人情報が分かるものをそのままゴミとして捨ててしまうことも危険です。クレジットカード会社によっては、暗証番号を利用したカード決済では、補償制度の対象外としている場合もありますので、暗証番号の管理は特に厳重にしましょう。
無線LANからのクレジットカード情報流出対策
自宅でパソコンを利用している時だけでなく、外出先でも常にスマートフォンでインターネットにつながるので、通勤時間や休み時間にネットショッピングをする方も多いようです。クレジットカードなら支払いも簡単に済むという理由から、インターネットでの買い物ではカード決済が多く利用されています。
しかし、公共の場でフリーWi-Fiや無線LANにつながっている時に安易にクレジットカード情報を入力すると、悪意あるものに情報が傍受され、カード情報が盗まれてしまう危険性があります。公共の場でのインターネット利用では、SSL(Secure Sockets Layer)という情報を暗号化するセキュリティシステムが導入されているかを確認して利用しましょう。
インターネットの個人情報を入力する画面に鍵マークが表示されることや、入力ページのURLが「https://~」となっており、「http」後に「s」が表示されていることで確認できます。フリーWi-Fi環境でのインターネット利用は、ネットサーフィン程度にとどめておく方が安全です。また、自宅での無線LANでも情報が洩れることがないよう暗号化を行い、パソコンにはウイルス対策ソフトを導入した上で、常に最新の状態にしておいてください。
フィッシング詐欺でクレジットカード情報が流出するケース
信頼できる金融機関やクレジットカード会社を装って、クレジットカード番号やパスワードなどを盗み取る「フィッシング詐欺」と呼ばれる手法による情報流出のケースも増えています。フィッシング詐欺対策としては、下記のような内容が有効です。
メールで指示されたURLをクリックしない
フィッシング詐欺は、信頼できる相手を装ってメールを送り付けることから始まります。利用しているクレジットカード会社から、個人情報が流出しているため暗証番号を変更するよう促すメールが来て、指示されたURLで暗証番号を盗み取ろうとするものなどが代表的な例です。詐欺サイトも本物そっくりのため見分けが付かず、騙されてしまうケースも多いのです。
メールで指示されたサイトURLはクリックしないというのが、基本の対策になります。暗証番号やパスワードの変更は、普段利用しているサイトをブックマーク登録しておき、そちらから行うようにしましょう。
SSL暗号化システム対応サイトか確認する
フィッシング詐欺サイトでは、SSL(Secure Sockets Layer)という情報暗号化システムを導入していることはないため、安心できるサイトかどうかは、まずはSSL対応サイトかどうかを確認するようにしてください。
普段からクレジットカード情報の流出に備えを
今回は、クレジットカード情報が流出する原因やその対策についてご紹介しました。私たちの生活に密着し、毎日のように利用するクレジットカード。クレジットカードの安易な管理によって、被害にあう可能性は誰にでもあります。日頃から防犯意識を高め、被害にあわないよう、自己防衛のための対策を立てておきましょう。
また、被害にあってしまった際に、どのような対応をすれば良いかを知っておくことも大切です。この機会に、自分が利用しているクレジットカード会社の利用規約や補償制度を確認してみてはいかがでしょうか。
CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」
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