銀行のマイカーローンの審査基準・期間や金利について分かりやすく解説
銀行のマイカーローンの審査基準と期間と金利について
銀行のマイカーローンの特徴としてよく挙げられるものが、比較的低金利であるという点です。また、保証会社の保証が受けられることが融資の前提ではありますが、無担保での融資が受けられる点も大きな特徴でしょう。保証人も不要で、かつ複数の保証会社の中から銀行が申込者に合わせて保証会社を選び、保証が受けやすいように工夫しているケースもあります。
保証会社には、銀行系列の保証会社や信販系クレジットカード会社などがあります。ただし、銀行系列の保証会社のみである場合も当然あるため、申し込みの際には確認が必要です。このように、銀行のマイカーローンを利用する際には、考慮すべき点がいくつもあります。
そこで今回は、銀行における審査基準やその審査期間・気になる金利について分かりやすく解説します。
銀行のマイカーローンの審査基準
ローンの審査では、申込者の年齢や年収、勤続年数などが最も重要な項目です。例えば、若い方は勤続年数も短く年収も多くないため、比較的安価な車であっても審査はその分厳しくなります。また、他のローンなどの借入状況により、勤続年数や高給の方でも審査に通らないケースも十分あり得ます。
これは過去における返済事故に限らず、銀行には返済比率(※1)と無担保ローンの借入比率(※2)というチェック項目があるためです。ただし、頭金を多く入れることで借入額を減らす、他のマイカーローンを申し込むなどの工夫をすれば審査に通ることもあるため、諦めないようにしましょう。
※1 返済比率:すべての借り入れについてその年間返済額が税込年収の40%(年収の35%~40%が主流ですが銀行によります)以内であることなどの銀行独自の基準です。
※2 無担保ローンの借入比率:すべての無担保ローンの借入額が年収の5割までに制限されますが、判断となる借入額にカードローンの極度額も含まれるところが注意点です。
銀行のマイカーローンの審査期間は?
通常マイカーローンの審査はカードローンのように即日とはいきませんが、最短で2、3日で済みます。ただし、銀行の場合は低利かつ最高1,200万円までの高額な融資が可能なことから、場合によっては2、3週間~1カ月という期間を要するケースもあります。
購入する車も決まっていない場合は、仮審査だけでも申し込みは可能なため、早めにどのくらい借入可能なのか確認したい方は試してみてください。必要な頭金がいくらとなるかなどの確認も可能で準備もできます。また、購入車の変更やマイカーローンを他社に変更するなどを検討するのも良いでしょう。
銀行のマイカーローンの審査に必要な書類
収入を証明する書類や、本人確認書類の他にマイカーローンの場合では、見積書もしくは注文書などの原本が必要となります。必要書類は多くなりますが、担保や保証人が無担保(担保不要)であるなど使い勝手は良いようです。電話・FAX・インターネットでも申し込みができますが、あらかじめフリーダイヤルで電話をかけて確認すると良いでしょう。
まずマイカーローンの申し込みには、以下の事項に対する同意が必要となります。
- 商品の説明書
- ローンの規定・保証委託約款
- 個人情報の利用・提供・登録に関する内容1(※3)と2(※4)
これらはいわゆる重要事項の確認です。同意ができない場合は申込自体ができません。
※3 個人情報の利用・提供・登録に関する内容1:「私は、個人情報の保護に関する法律に基づき、銀行が私の個人情報を、下記の範囲において利用することに同意します」という内容です。
※4 個人情報の利用・提供・登録に関する内容2:「私は、本申込および本取引にかかる情報が、保証会社における審査、個人信用情報機関への提供等のため、銀行から保証会社に提供されること、 また銀行での保証審査結果の確認等のため、保証会社から貴行に提供されることに同意します」という内容です。
本人確認書類
重要事項を確認した上で、本人確認書類が必要になりますが、本人確認書類として有効なものは、運転免許証・パスポート・マイナンバー(個人番号)カード・住民基本台帳カード(顔写真付き)などです。ただし、その有効期限も確認されるため注意しましょう。
さらに、何らかの事情で本人確認書類に記載されている住所と現住所が異なる場合は、提出物が増え、現住所に居住しているかを判断する確認書類が必要です。現住所確認には、国税や地方税の領収書・納税証明書・社会保険料の領収書・公共料金の領収書で銀行の受付日より半年以内の領収印が押印されているものなどが有効とされています(電力会社・水道局・ガス会社・NHK・固定電話会社発行のもの)。
年収確認書類
年収確認では、給与所得者の方は源泉徴収票もしくは市区町村発行の所得証明書(住民税課税決定通知書等)が必要で、個人事業主の方は確定申告書もしくは納税証明書(その1およびその2)などが必要となります。また、資金使途の確認では金額等が明示されている請求書・契約書・注文書・見積書・パンフレット・カタログでも仮審査での申し込みが可能です。ただし、契約手続きまでには金額が確定した書類の原本が必要になります。
また、販売店への直接振込対応の銀行を除き、借入後に必要な書類として支払済確認書類(納付済の振込受取書・領収書)があるため、忘れないように注意してください。
金利が低いだけではない銀行のマイカーローン
申し込みには電話・FAX・インターネットが利用できるわけですが、見積書「原本」など必要書類は郵送でも申込可能で、来店が不要のケースがあります。自宅や会社より銀行まで距離があり行く時間がないという方には向いているでしょう。
また、保証会社が保証するため無担保・無保証人での契約が可能で、かつ保証料は金利に含まれているため別途支払う必要もありません。口座を持っていない場合でも申し込めたり、借り換えにも対応していたりする銀行もあります。万が一、他のマイカーローン(高金利)で契約した後でも借り換えしやすいことが、銀行のマイカーローンの特徴といえます。
ただし、このような借り換えを行うケースで注意したいのは、繰り上げ返済時の手数料(税込みで約5,400円)です。それでも5年・7年・10年などの長期間にわたる返済が必要なマイカーローンの借り換えにはメリットがあるといえるでしょう。
パンフレットの中には、無担保の目的型ローンの枠組みで、その先頭に位置しているものもあります。顧客ニーズの大きさに比して、銀行のマイカーローンの位置づけの高さがうかがえます。
注意したい銀行のマイカーローンの利用制限
年齢
銀行により20歳~75歳まで申込可能となっていますが、完済時の年齢に制限がかかっている場合もあるため、高齢者の方は注意が必要です。
収入
前年度の税込み年収が200万円以上の方と収入にも制限を設けているため、銀行ごとにこちらも確認しましょう。収入と関連して、勤続年数も1年以上今の職場にいないと審査は厳しくなります。安定したある程度の収入が見込めないという意味では、年金のみで生活している方の利用はできません。
オプション
見積書に記載の購入時の諸費用やオプションも対象となりますが、自動車や自動二輪車の売買契約書上の名義がローンの申込者に限定されています。当該購入において他社とのローンとの併用は不可です。また、地域限定もあります。
※売買契約の注意点…個人間の売買契約は対象外です
銀行のマイカーローンの金利は?
金利には住宅ローンなどと同じく変動金利と固定金利(借入期間別)があります。そして、金利は2%台~3%台など低金利な銀行の商品が多く見られます。ただし、1%台のものもあれば、銀行窓口受付の中には6%以上のものもあります。銀行によっては変動金利のみを取り扱っている場合がありますので、申込時には注意が必要です。
また、保証料は組み込まれていますが、※団信(団体信用生命保険)を付ける場合にはその分が上乗せ(例:0.3%など)されます。変動金利の場合は、最優遇金利がキャンペーン金利と合わせて1%前半台とすることも可能なケースもあるため、住宅ローンなどと同様に変動金利の方が基本的に低金利だといえるでしょう。
返済は元利均等返済でボーナス併用が可能です。ただし、通常払い分とボーナス分の配分比率が50対50や60対40の場合もあり、事前にご自身のニーズに合っているのかは確認しておいてください。
※団信…契約者の死亡やガンと診断された場合にローン残高が0円となる生命保険(健康告知が必要)
金利割引キャンペーンを利用できる場合がある
銀行によりキャンペーンの内容には若干の違いはありますが、基本的に金利優遇です。ただし、その条件に銀行の預金口座があり住宅ローンなどの借り入れがある場合や、銀行系のクレジットカードの保有などが必要なケースもあり、申し込みの際には確認しましょう。
キャンペーン期間の方がお得になる気がしますが、例えば、キャンペーンの条件となるクレジットカードを作った場合には年会費がかかるなどのデメリットもあるため、本当に得するかはそのときの状況に合わせて判断してください。
大手の銀行に限らず地方の銀行のキャンペーン金利は、特に注目です。地域に根ざした銀行ならではの優遇金利を見逃さないようにしましょう。また、少しでも安い金利に越したことはなく、地銀といっても全国対応のケースもありますので、地域を超えた利用が可能かどうかもチェックが必要です。地銀独自のサービスにはロードサービス付帯などもあり見逃せません。
低金利にプラスαが人気の理由
確かにマイカーローンといえば、以前はディーラーの提携する信販会社などが提供する高金利の商品が主流でしたが、現在では銀行もマイカーローン関連の商品を充実させています。銀行のマイカーローンの場合は、大きな資金力に裏打ちされた金利の低さに加えて、無担保・無保証人であるところから、車の所有権を購入した契約者自身としたいニーズに合っています。
一方、信販会社やディーラーローンの場合、完済するまでは車の所有権がディーラーや信販会社にあるため、返済中に車を売却して買い替え(乗り換え)をしたいと思っても手続きが大変になるか、もしくはできないこともあるでしょう。
なお、マイカーローンを利用できなくても、銀行にはやや金利が高いフリーローンや何度でも繰り返し利用できるカードローンがあり、あまり高額でなければ車の代金の支払いにも対応可能です。ただし、借り入れの際には返済計画に無理が生じないように、シミュレーションしてみることをおすすめします。
インターネット専用で金利格安商品の利用も
窓口受付によって金利が大きく異なる銀行もありますが、基本的にはインターネットで申し込んだ方が低金利になるのでおすすめです。また、高金利のマイカーローンを組んでしまった場合にも、借り換えが可能な商品もあります。
マイカーローンは住宅ローンほど長期ではありませんが、5年・7年・10年など中期的な借り入れになるため、金利が1%違うだけでも後々は大きな差になるでしょう。金額が大きい場合は慎重な検討な大切になります。
今や、24時間365日インターネットでの仮申し込みが可能な時代です。資金使途も車検や修理費用はもちろん、運転免許証の取得費用から車庫を建設する費用まで対象とするものまであります。また、便利なネット申し込みですが、申込書類が郵送可能で来店不要な銀行と、ローン契約機での手続きが必要な銀行などそれぞれ特色があるため、このあたりも事前に確認しておきましょう。
銀行のマイカーローンは時間や収入に余裕がある方におすすめ
今回は、銀行のマイカーローンの審査基準や期間、金利などについてご紹介しました。その他にも団信が申し込める商品やキャンペーン金利なども魅力的ですが、キャンペーンの対象となるには一定の条件が必要なので、うまく条件に当てはまる場合は利用すると良いでしょう。
銀行のマイカーローンは低金利な分、審査も厳しいことも特徴です。そのため、時間や収入などにもある程度余裕がある方に向いているといえます。また、仮に審査が予定より遅くなって間に合わない場合には、銀行以外のマイカーローンも検討してみましょう。その他、マイカーローンの審査がすべて通らなかった場合でも、カードローンの審査なら通るケースもあるため、諦めずに試してみてください。
ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)
ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。
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