トラベルローンとは?審査や金利について分かりやすく解説
トラベルローンの審査や金利について。トラベルローンとは?
「旅行に行くために毎月コツコツと資金を貯めなければ……」「友達に旅行に誘われたけれど、資金が足りないから行けない……」というお悩みを持ったことはありませんか?
多忙な日常を離れ、非日常の世界に浸ることで気力が湧き出るということは、誰しも1度は経験したことがあるはず。しかし、金銭的に旅行なんて行く余裕がないという方も多いでしょう。半年、1年先の予定なら今から積み立てて間に合うかもしれませんが、今月、来月といった急な旅行の場合は難しいでしょう。そこでおすすめなのが、旅行に特化したローン、その名も「トラベルローン」です。
今回は、通常のカードローンと違う「トラベルローン」の特徴や審査基準、金利、トラベルローンが利用されるケースについてご紹介します。
トラベルローンとは?
トラベルローンは目的ローンのひとつです。目的ローンというのは、資金の利用用途が指定されているローンのことで、代表的な目的ローンには、住宅ローン、自動車ローン、教育ローンといったものがあります。
これに対して用途が限定されていないローンのことをフリーローンといいます。カードローンはフリーローンの代表格です。
トラベルローンとは、旅行資金を目的としたローンのことです。
ただ、一口に旅行資金といっても、細かく分ければ航空機や新幹線のチケット代から宿泊費、現地での活動費、お土産代などさまざまです。このうち、トラベルローンが利用できるのは一般的にチケット代と宿泊代のみで、現地でのお小遣いやお土産代などは含まれません。
なぜなら、トラベルローンを提供する会社の多くは旅行会社のため、自社で旅行の申し込みをしてもらうことが狙いだからです。
トラベルローンの仕組み
旅行会社が提供するトラベルローンは、分かりやすく言い換えると、「旅行代金の分割払い」です。取り扱う会社によって違いはありますが、3~60回の範囲で分割払いするか、ボーナス払いするかを選択できます。
もちろん、ローン商品である以上は利息が発生しますので、借入期間が長い(分割回数が多い)ほど、支払う利息も多くなります。
銀行などが提供するトラベルローンも、基本的には同じ仕組みですが、旅行会社が用意するトラベルローンよりかは、ややカードローンの要素が強い傾向にあります。ただし、旅行代金の支払いを証明する書類を求められたりする点は、やはり通常のカードローンとは少し異なるといえるでしょう。
トラベルローンの特徴
トラベルローンの特徴は、カードローンよりも金利が低いことです。ただし、その分審査基準は厳しくなっています。
また、限度額も通常のカードローンより低く設定されていて、上限で100万円とする商品が多いようです。数十万円の海外旅行を想定して作られた商品ですので、この設定は当然といえるでしょう。
トラベルローンの審査基準
それでは、トラベルローンの審査にはどのような基準があるのか確認しましょう。
安定した収入がありますか?
通常、審査される内容としては、申込者の年齢、勤務先、勤続年数、年収、そして他社での借り入れがあるか、またその残高はいくらくらいか、というような点が重視されます。
取扱会社によって審査基準はさまざまのため、一概にこれということはできませんが、多くの会社では申込者が正社員でなくても、安定した収入があれば審査対象としてくれることがほとんどです。
パートやアルバイトをしている方は、時間給で得た収入が「安定した収入」と見なされるため、年収に応じた金額の借り入れができるでしょう。
信用情報は大丈夫?
審査においては、個人信用情報の確認は必須要件です。
信用情報とは、信用情報機関に登録された個人の情報で、クレジットカードやカードローン等の契約状況、利用状況、毎月の返済額などがこれに該当します。
過去にクレジットカードやカードローンの返済で滞納したことがある場合は、その記録も信用情報として登録されてしまいます。また、カードローン会社が信用情報を閲覧した記録も残ります。
延滞、滞納などで信用情報にキズがある方は、審査に引っかかる可能性があるため、注意してください。
学生や未成年でも借りられる?
通常のカードローンでは、満20歳未満の方は申し込みができないという年齢制限が設けられていることがほとんどです。また、学生の利用を断るケースも少なくありません。
では、トラベルローンはどうでしょうか。
銀行などが用意するトラベルローンの場合、担保や連帯保証人を不要としている反面、未成年者や学生が利用できないという商品が多いです。
旅行会社が提供するトラベルローンも、原則連帯保証人は必要ありませんが、未成年者や学生が利用を希望する場合は、連帯保証人を立てなければ利用は難しいでしょう。
未成年は親権者の同意書が必要な場合と、親権者を連帯保証人にしなければならない場合、親権者の名義での申し込みが必要な場合があります。
20歳を超えている学生は、親権者同意書を求められることはありませんが、やはり連帯保証人が必要な場合がほとんどです。
ローン会社によっては、50万円以下のトラベルローンなら内定通知書のコピーで審査してくれるところもあります。そのため、学生の方でも卒業旅行の資金を借りることができるわけです。
学生限定のローンというわけではありませんが、学生をターゲットにして、学生が利用しやすいように工夫されたローンであるというのは大きな特徴といえるでしょう。
提出書類にも注意が必要
トラベルローン独特の注意点として、利用用途が旅行資金であることを証明する書類を後日提出する必要があります。
支払い先や支払い時期、金額が分かることが条件ですが、提出する書類の種類(手書きのものは不可など)や提出時期はローン会社によってさまざまのため、あらかじめ何を提出すれば良いのか確認しておきましょう。
目的外利用が発覚した場合、金利がカードローンと同じ水準まで上げられたり、一括で返済を求められたりすることがあるため注意してください。
また、トラベルローンの申し込み前にすでに支払い済みの旅行代金については、借り入れの利用対象外となることもあります。
トラベルローンを利用する際は、どのような資金までが融資の対象になるか、支払い時期の制限はあるのか、提出書類として求められる書類とその提出時期についてしっかりと確認してください。
トラベルローンの金利
トラベルローンの金利は、通常のカードローンよりも低めに設定されています。一例として、具体的なトラベルローン商品をご紹介します。
楽天銀行トラベルローン
借入金額 | 10万円以上100万円以下(1万円単位) |
---|---|
返済期間 | 最長5年10カ月 |
借入利率 | 11.5% |
HISトラベルローン
返済期間 | 借入利率 (一般) |
借入利率 (学生) |
---|---|---|
3回 | 9.87% | 8.98% |
6回 | 11.23% | 9.71% |
10回 | 11.83% | 9.7% |
12回 | 11.97% | 9.7% |
15回 | 12.09% | 9.7% |
18回 | 12.16% | 9.69% |
20回 | 12.19% | 9.7% |
24回 | 12.20% | 9.7% |
30回 | 12.19% | 9.7% |
36回 | 12.14% | 9.35% |
※他に事務手数料が必要となります
このように、借入期間にかかわらず一定金利が適用される商品もあれば、分割回数に連動して金利が変わる商品、学生の場合に優遇金利が適用される商品もあります。
ちなみに、上でご紹介した、楽天銀行の通常のカードローン(楽天銀行スーパーローン)の金利は1.9~14.5%です。これに比べると11.5%というのはそこまで低くないのではと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、適用金利に幅がある場合は、借入金額によって適用金利が変わります。そして、楽天銀行に限らず、金額が大きくなるほど金利は低くなることが一般的です。
1.9%の金利が適用されるのは最大金額である800万円の限度額が認められ、かつ優良な顧客である場合に限定されます。反対に、借入金額が100万円未満の場合は、最大金利が適用されると思って間違いないでしょう。
とすると、カードローン14.5%とトラベルローンの11.5%では、3%も差ができます。
つまり、100万円を借りる場合、1年で3万円の差がでることになるのです。人によってはとても大きな差だといえるでしょう。
トラベルローンが利用されるケース
それでは、実際にトラベルローンが利用されるのはどのようなケースでしょうか。ここからは、トラベルローンが利用されるケースを具体的にご紹介します。
海外旅行に行きたいけれど
一般社団法人日本旅行業協会の調査では、海外旅行費用(旅行参加費、現地旅行費、買い物費、その他の合計)の平均額は2013年度で1人あたり約23.9万円となっています。もちろん、行き先や日数、時期によっても大きく変わるでしょうが、20~30万円の出費は覚悟しなければなりません。
理想は手持ち資金や貯金で賄うのがベストですが、資金的に余裕がない場合はそうはいっていられません。そういった方のためにトラベルローンがあります。
時間を借りることはできませんが、お金を借りることは可能です。せっかく旅行できるだけの時間がある場合は、トラベルローンを利用して、普段の生活から抜け出し、気分転換に旅行するのも良いかもしれませんね。
今しか行けない!卒業旅行
「旅行に行くお金がないのであれば、あるときに行けば良いじゃないか」、ごもっともです。しかし、今しか行けないというタイミングがあることも事実です。
その代表格は卒業旅行。
1人旅であれば時期も予算も自分でコントロールできますが、友達とみんなで行く場合は足並みをそろえる必要があります。
手元資金がないからといって、卒業前の思い出作りをあきらめてしまうよりかは、トラベルローンを利用してでも旅行に行くほうが、卒業後のモチベーションにもいい影響を及ぼすのではないでしょうか。
学生ならではの優遇措置がある商品もあるため、通常のカードローン商品よりもお得に利用できる可能性があります。ぜひ比較検討してみてください。
カードローンとどっちが有利?
トラベルローンとカードローン、結局どちらの方が使い勝手が良いのでしょうか。ここでは、もう一度それぞれのメリット、デメリットを整理してみましょう。
トラベルローン
- メリット
- 金利が低い、未成年者・学生の利用が可能
- デメリット
- 利用目的が制限されている、審査が厳しい(カードローンと比べて)、提出書類が多い
カードローン
- メリット
- 利用目的は自由、審査は甘い(トラベルローンと比べて)
- デメリット
- 金利が高い、未成年者・学生は利用できない場合が多い
目的に応じて有利なほうを選ぼう
トラベルローンは旅行代金以外に使用できないという制限がありますが、利用対象者が広く、未成年者や学生の利用が可能といった特徴があります。そのため、学生が旅行にかかるチケット代や宿泊費を捻出したい場合はトラベルローンが最適でしょう。
連帯保証人が必要という点に関して、やや敷居が高いと感じるかもしれませんが、そこは未成年、学生である以上は仕方がないと割り切ってください。
一方で、旅行先での買い物やお土産代をメインに考えているのであれば、多少金利は高くともカードローンのほうが使い勝手が良いといえます。
利用者の状況や利用目的に応じて、有利なほうを選択しましょう。
トラベルローンの利用を検討しよう
今回は、トラベルローンについて、その特徴や審査基準、金利、トラベルローンが利用されるケースについてご紹介しました。
カードローンとの1番の違いは、トラベルローンが目的ローンであるという点です。フリーローンに慣れている方にとっては、少し窮屈に感じるかもしれませんが、その分金利面などでメリットが得られることも確かでしょう。また、上限金額がカードローンよりも低く設定されていることに関しても、用途が旅行代金に限定されていることを考えればデメリットではありません。通常のカードローンよりかは利用シーンが限定されている分、トラベルローンを利用できる条件がそろったときにはメリットを最大限発揮できます。
「友達に旅行に誘われたけれど、資金が足りないから行けない……」「せっかくの卒業旅行だから絶対に行きたいのに……」と困っている方は、トラベルローンの利用を検討してみるのはいかがでしょうか。
CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当
大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。
住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。
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