AIが融資審査?!今話題の「スコア・レンディング」とは
AIよる融資審査「スコア・レンディング」について知ろう
「スコア・レンディング」という、新しい個人向け融資サービスをご存じでしょうか。従来、個人融資では信用情報機関などに登録された過去のデータに基づく信用調査が銀行や保証会社の「人」によっておこなわれ、その審査の結果融資の可否や融資金額が決定されてきました。しかし、スコア・レンディングにはAIによる質問の回答をもとに、個人融資に関する審査の補助をする仕組みが導入されています。
スコア・レンディングとは、いったいどのような融資サービスなのでしょうか。また、個人が融資を受ける際に、従来の個人向け融資と比較してメリットはあるのでしょうか。今回は、まったく新しい個人向け融資制度として話題のスコア・レンディングについてご紹介します。
AIが融資審査をする「スコア・レンディング」
スコア・レンディングのもっとも大きな特徴は、融資に関する審査を人がおこなう代わりに「AI(人工知能)」がおこなっている点です。ここでは、スコア・レンディングにおいてAIが実際におこなっている審査の内容や、融資の可否が判断される審査基準などについてご紹介します。
スコア・レンディングとは?
個人融資に関する審査を、銀行や保証会社などの「人」ではなく「AI(人工知能)」がおこない、融資の可否や金額・金利などを決める融資サービスを指します。従来の融資審査で基準とされてきた勤務先や勤続年数、年収などではなく、「スコア」と呼ばれるAIが算出した個人に関するデータを点数化したものが審査の要素とされます。
結局、AIが判断するといっても従来と変わらず、融資の可能性を大きく左右する勤務先や年収をスコア化しただけなのでは?と考えがちですが、それだけではないようです。
もちろん、AIが提示する質問事項には年収や勤続年数などの項目もありますが、従来の審査では「過去にどれだけ信用実績をあげてきたか」を重視してきましたが、スコア・レンディングでのスコアリングでは「今後の成長予測」や「お金に対する考え方」なども重視されます。
スコアが融資内容を左右する
「スコア=融資基準」ではない点も、スコア・レンディングの特徴の1つです。
従来の融資では(人が判断する)スコアリングの結果で直接融資額や金利を決定してきましたが、スコア・レンディングはAIが算出したスコアだけで融資の判断をするものではありません。最終的な融資に関する決定は、実際に融資をする銀行などがおこなっています。
しかし、AIが算出するスコアは「融資の判断や金額などを左右する最重要要素」であることは間違いありません。
従来の審査の問題点
スコア・レンディングが生まれた目的の1つに「従来の融資審査にある問題点の解消」があります。従来の審査が抱えていた主な問題点を、以下にご紹介します。
「ブラック」と判断されただけで融資を止められてしまう
従来の融資では、「過去に融資を受けた経験があるものの、何らかの事情で返済が遅れる」などの履歴があると、それだけで「利用者として好ましくない」と判断され、融資が難しい「ブラックな利用者」として取り扱われてしまいます。
しかし実際には、過去に事故の経験があっても現在は返済に関する問題点などはなく、十分今から融資を受けるに値する能力がある方も少なくありません。スコア・レンディングでは、そのような利用者の可能性を閉ざさない柔軟な判断も場合によっては可能となっています。
過去に融資を受けたことがない人が不当に不利になる
ブラックと判断された人だけでなく、これまでまったく融資を受けたことのない「完全ホワイト」の人も、実は融資において不利になってしまう可能性があります。「ローンやクレジットの利用・返済履歴がまったくない」という人は、年収や勤続年数などでメジャーな要素がなければ「信用度の判定が難しい=融資は見送り」と判断されてしまいがちになるのです。
スコア・レンディングにおいては、完全ホワイトの利用者も現状の勤務先や家族の状況、保有資産やお金との付き合い方などからスコアを算出し、適正な融資の判断に役立てています。
人間性を見て「お金を貸したい人である」という判断ができない
当然ではありますが、従来の審査では「その人の性格や人間性」で融資の判断をおこなっていません。データとして判断材料になるのは「過去の信用情報」と「現状からの返済能力の判断」のみです。
しかし、スコア・レンディングでは利用者の「お金との付き合い方」や「趣味や暮らしぶり」など、人間性に関する情報までを審査の要素としています。「お金を貸すことで、双方がよりメリットを得られる人物」に融資をおこなえるよう、性格や将来性まで加味して審査をおこなえるようにしているのです。
スコアは600点以上必要
現状国内で展開されているスコア・レンディングサービスで、融資を申し込める最低スコアは「600点」とされています。興味をお持ちの方は、試しにスコア・レンディングサービスのWebサイトでAIからの質問に回答し、スコアを判定してもらってみてください。しかし、初めて利用した方の場合、600点を超えられるスコアを出せる方はそれほど多くないかもしれません。
後でご説明しますが、スコアの判定は何度でもおこなえますし、もし回答の主旨が同じであっても受け答え方の工夫でスコアをアップさせられる工夫もできます。
スコア・レンディングのやり方
ここからは、実際にスコア・レンディングサービスを利用する方法についてご紹介します。「過去の信用情報に不安がある」という方や「試しにスコアチェックだけしたい」という方も、気軽にチャレンジできるのがスコア・レンディングの利点でもあります。
1.メンバー登録
メンバー登録をしないと融資の申し込みができないのですが、その前に5問程度の簡単なスコア診断があります。それを試しにおこない、なんとなく感覚がつかめてからメンバー登録をおこなっても良いでしょう。
メンバー登録するには、まずメールアドレスだけを登録して認証URLが書かれたメールを受け取る必要があります。正しくアドレスを入力して仮登録をおこない、メールが返ってくるのを待ちましょう。
2.認証URLをクリック
仮登録を申し込んでしばらく経つと、認証URLが記載されたメールが登録アドレス宛てに届きます。もし所定の時間を過ぎても届かなければアドレスの記載を誤った可能性がありますので、もう1度同じ手順でメールアドレスの登録をやり直してください。
メールに記載の認証URLをクリックすると本登録画面が開きますので、指示にしたがって必要事項を記入し、登録を完了させましょう。これで、正式なスコア診断をおこなって融資を申し込む準備が整いました。
3.AIによるスコア診断
スコア診断画面に進み、正式なスコア診断をおこないます。メッセージアプリのような画面でおこなわれ、AIが吹き出し型のテキストボックスを順に表示しながら質問してきますので、それに回答していきましょう。
主な質問の内容は、生年月日や性別などのほか、家族に関する項目やこれまでの借入金などがあります。質問への回答が完了したら、実際のスコア(点数)と借り入れられる限度額、金利などが表示されます。
ちなみに、実際に融資を申し込む場合、最終的に融資の可否や金額・金利を決定するのは金融機関による審査の後となります。スコア診断によって表示される金額や金利などはあくまで目安と考えておきましょう。
スコア・レンディングでスコアアップするには?
「スコア・レンディングのスコア診断に挑戦してみたけれど、600点未満で融資を申し込めなかった」「これから挑戦するけれど、ぜひ600点超えを達成して融資を申し込みたい」という方も多いはずです。ここでは、スコア・レンディングのスコア診断で600点を達成させるコツについてご紹介します。
可能な限り全問にきちんと回答する
勤務先や生年月日など、審査に直結する質問にはどなたも必ず答えているでしょう。しかし、もっとくわしいご自分のプロフィールやライフスタイル、性格などに関する項目はそれほど重要でないと判断し、回答していない方もいるかもしれません。
しかし、性格や生活ぶりなどの人間的要素も融資の判断に影響するのがスコア・レンディングの大きな特徴です。一見必要なく感じられる項目にもきちんと回答し、ポジティブ要素を増やしておくことが600点超えの秘訣になるかもしれません。
銀行とのデータ連携を済ませておく
現在国内で取り扱いを始めているスコア・レンディングサービスは「ジェイスコア」1つですが、「ジェイスコア」は、「みずほ銀行」と通信大手の「ソフトバンク」が共同で設立したサービスです。そのため、みずほ銀行の口座をすでに持っているなら診断前に口座の連携を済ませておくと、ぐんとスコアアップを図れる可能性があります。
みずほ銀行の口座をまだ持っていないという方なら、これから口座を開設して連携を済ませてからスコア診断をおこなうのも手でしょう。
また、ソフトバンクと何らかの通信契約をしている(携帯・スマートフォンやご自宅の電話・インターネットなど)方の場合は、利用料金の延滞などを極力避けるようにすると良いかもしれません。
まめにスコア診断を実施しておく
スコア診断は何度でも繰り返しおこなうことができ、マイページでスコアや情報を更新することが可能です。また、スコア診断の設問なども随時変更や追加がおこなわれているとのことですから、常にご自分のページを確認することも大切でしょう。質問事項が変わる可能性も十分にあるため、1度診断してスコアが600点未満だったからとあきらめず、まめに診断をおこなって600点超えを目指しましょう。
スコア・レンディングでやってはいけないこと
スコア・レンディングでスコア診断を受ける際には、もちろんおこなってはいけないこともあります。ここでは、スコア・レンディングでNGとされていることをご紹介します。
虚偽の情報を入力する
当然ですが、スコアをアップさせたいからといって嘘の情報を書き込むことはNGです。なぜなら、スコアの結果のみで融資の判断がされるわけではなく、審査そのものは金融機関によっておこなわれます。虚偽の申告をすれば、審査の段階で現状との齟齬を指摘されてしまいます。嘘の情報を書いたところで、審査によって必ず発覚してしまうためまったく無意味です。
また、虚偽の情報を登録したということで信用を得られなくなり、融資そのものが一切不可能になってしまう可能性もあります。スコアアップのためにわざと「盛った」回答をしても、結局デメリットにしかならないため避けましょう。
ネガティブ要素となることをあえて回答する
スコア診断で嘘を書くことはNGですが、回答する必要がないことをあえて答えないことは時に有用となり得ます。
例えば、スコア診断でのプロフィールやライフスタイルに関する質問において、「高額な買い物」や「ギャンブル」を日常的におこなっているなどとわざわざ回答する必要はないでしょう。たとえそれらの趣味や遊びが金銭的な不都合を招いていなかったとしても、ネガティブな印象を招きかねない要素なら記入を避けましょう。代わりに、好印象を与えそうなご自身の別要素に置き換えて回答するなどした方が良いでしょう。
面倒になって適当に回答してしまう
質問数が多いと、面倒になってよく考えず適当に回答してしまう方もいるでしょう。
しかし、スコア診断で得られた回答内容はすべて保存されますし、その時点でのやり直し・修正はできません。
重要な質問事項で誤った回答をしてしまうと、先にご説明した虚偽の回答と同等に扱われてしまい、融資を受けられなくなる可能性もあります。もちろん住所や生年月日などの入力間違いがあっても、修正はできないため十分に注意しましょう。
個人向け融資を検討中ならスコア・レンディングをチェックしておこう
今回は、AIが審査に協力するという画期的な個人向け融資「スコア・レンディング」についてご紹介しました。
現状、国内で実施されているスコア・レンディングサービスは「ジェイスコア」の1つのみ。そのため、スコアの配点要素にも特定の銀行や通信サービスとの取引状況などといった偏りがありますが、今後同様のサービスを他社でも取り扱うようになれば状況は変化するでしょう。
いずれにせよ、スコア・レンディングサービスの内容からは、従来の個人向け融資に関する審査が抱えていた多くの問題点をクリアにしていこうという姿勢がうかがえます。また、スコア・レンディングで融資を受けると最高でも年利12%程度と、従来のカードローンなどよりかなり低金利になるというメリットも魅力的。
これから個人融資を受けることを検討している方にとっては、スコア・レンディングは十分有用な選択肢となるかもしれません。ぜひチェックしておきましょう。
ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役
慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。
グで融資を受けると最高でも年利12%程度と、従来のカードローンなどよりかなり低金利になるというメリットも魅力的。
これから個人融資を受けることを検討している方にとっては、スコア・レンディングは十分有用な選択肢となるかもしれません。ぜひチェックしておきましょう。
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