給料の前借りってできるの?前借りする方法や前払いOKなバイトを教えて!

給料の前借りってできるの?前借りする方法や前払いOKなバイトを教えて!

給料の前借りは実際にできる

給料の前借りは実際にできる?給料の前払いOKなバイトはある?

生活費が底をつき、給料日まであと1週間、「困った、給料日までもたない」、「せめてあと3万円あれば……」という経験をしたことがある方は少なくないと思います。

給料はしっかり貯蓄し、計画的に使わなくてはいけない、ということは分かっていても、友人の結婚式や急な医療費、はたまた衝動買いなど、予定外の出費は誰にでもあるものです。今ある現金を節約しながら使って、なんとか給料日まで耐えしのぐことができれば良いのですが、何も食べずに何日も過ごすことなんてできませんし、ストレスがたまるでしょう。

このように預金が底をついてしまったら、緊急事態が起きたとき大変です。

テレビやドラマ、漫画などで、上司に給料の前借りをせがむシーンをよく見ますが、実世界でも本当にできるのでしょうか?

今回は、給料の前借りができる場合やその方法、さらに給料を前借りできるバイトや前借り時の注意点についてもご紹介します。

給料の前借りはできる?

給料の前借りはできる

結論からいうと、一定の条件を満たせば給料を前借りすることは可能です。原則、緊急事態が起きた場合など、会社は従業員から給料の前借り請求があったら、これを断ることができません。会社は、給料日前であっても、すでに働いた分の給料を支払わなければならないことになっています。

ここで注意しないといけないのが、「一定の条件」という言葉。友人と飲みに行くお金が足りないからとか、ギャンブルでお金が無くなってしまったからといった理由では、給料を前借りすることは当然できません。

それでは、どのような条件の下であれば給料を前借りすることができるのか、詳しく見ていきましょう。

前借りできる給料とは

前借りできる給料とは

給料の前借りといっても、働いていない分の給料を先に借りられるわけではありません。あくまでも、すでに働いた分の給料のみになります。

なお、これから働くことを条件に、未来の給料を前借りすることはできません。これは、借りた金額の返済を条件に無賃で働かせる強制労働とみなされ、労働基準法により禁止されています。繰り返しになりますが、前借りできる給料は、あくまでも働いた部分の給料です。

「非常の場合」は法律上前借りが認められている

「非常の場合」は法律上前借りが認められている

「非常の場合」の給料の前借りは、労働基準法第25条(非常時払)において認められています

法令では、

「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常時の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。」と定めております。

ここでいう「非常の場合」について、労働基準法施行規則第9条にて詳細に定義しており、労働者またはその家族の出産、疾病、災害、結婚、死亡またはやむを得ない理由で1週間以上帰省する場合を掲げております。労働者自身の非常時に加え、労働者の家族の非常時も含まれます。家族が入院し急な出費が生じた場合や、親の介護のために1週間帰省しなければならなくなった場合なども、対象になります。

また、非常の場合、給料の前借りは、正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、パートやアルバイトなどでも請求可能です。

「非常時払」と認められない場合はどうなるの?

「非常時払」と認められない場合はどうなる

「生活費が足りない」、「子どもの学用品代金が足りない」、「友人との旅行代金が足りない」などの理由では、基本的には非常時とは認められません。そのような場合、給料を前借りできるかどうかは、会社次第となります。

そもそも会社は、毎月定期的に給料の支払いをしていれば、従業員から給料の前借りを求められても、非常の場合でない限り応じる義務はありません。しかし、福利厚生制度の一環として、給料を前借りできる制度がある場合や、制度がなくても、個々に判断してもらえるケースもあるため、直属の上司や総務の担当者などに聞いたり、自社の福利厚生制度をホームページなどで確認したりしてみると良いでしょう。

給料を前借りできる金額

給料を前借りできる金額

前述の通り、「非常時払」に該当する場合は給料を前借りすることができますが、手に入れられる金額は働いた分の金額のみです。

毎月支払われる給料には、締め日と支給日があります。例えば、毎月10日締め、当月25日支払いの場合、4月11日から5月10日まで働いた分が5月25日にまとめて支払われるということになります。

給料日の1週間前、この場合5月18日の朝にどうしてもお金が必要になった場合、4月11日から5月17日まで働いた部分の給料を、給料日よりも前に請求することができます。ただし、残業代や手当などは前借りできない場合があるため注意しましょう。

給料の前借りといっても、すでに働いた給与分を給料日より前に支払ってもらうため、一般的に利息や手数料は掛かりませんし、会社に返済する必要はありません。ただし当然ですが、給料日当日に支払われる金額は前借りした分少なくなります

「非常時」と認められない場合の前借り金額

「非常時払」と認められない場合でも、「非常時払」と同様に借りられる金額は働いた分のみとなります。ただし、「借りられる金額は働いた分の給料のうち50%まで」などのように、借りられる金額に上限を設定している場合もあるため、給料の全額を借りることはできない可能性はあります。

また、会社によっては利息や手数料が掛かる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

給料を前借りする方法

給料を前借りする方法

病気や災害など、非常の場合は労働者の権利として前借りを請求できるということでしたが、具体的にはどのようにして前借りをすれば良いのでしょうか。

また、非常の場合以外でも、給料日前にどうしてもお金が必要になってしまう場合があります。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか。

ここでは給料を前借りする方法をご説明します。

申請書を提出する

給料を前借りするには、まず会社の総務または直属の上司に理由を説明し、支払い手続きをしてもらいましょう。そして、会社の指示に従い申請書等を作成、提出します。

疾病や災害のような非常の場合ではなくても、前借りしたい場合は総務や上司に相談してみましょう。非常の場合と同様に申請書等の作成が必要となり、申請書には、名前や住所などの個人情報はもちろんのこと、前借りしたい希望の金額、希望の振込日、前借りをする理由、利息がある場合には金利などを記入します。

申請書を作成したら、提出する前に必ずコピーをとり自分用として保管しておきましょう。

「前借りアプリ」の利用

最近では、給料の前払い業務を会社に代わって行う、ペイミーのような給料の前借りアプリを使っての前借りも可能です。会社に給料の前借り制度があり、ペイミーを導入していることを条件に使用できます。

給料の前借りをする際に従業員の審査はなく、企業側の審査のみで利用することが可能です。勤務先の総務や上司への承認なども必要ありません。すべてシステム化されており、Webサイトやスマートフォンアプリで申請すると、最短で働いたその日のうちに働いた分の給料を前借りすることができます。

ただし、手数料が3%から6%掛かり、利用者が負担します。例えば、5万円前借りする場合、1500円から3000円の手数料が掛かります。

ペイミーだけではなく、三菱UFJ銀行が運営するフレックスチャージ、クレディセゾンが運営するアドバンストペイ、ヒューマントラストが運営するキュリカ、enigma payや前払いできるくんなども同様のシステムです。

具体的な利用方法は運営会社により異なりますが、どれも手数料が掛かる点では変わりありません。

「前給制度」の利用

前給制度は、東京都民銀行が行っている給料の前借り制度です。会社が前給制度を導入していれば、従業員はこの制度を利用することができます。現在、全国のさまざまな業種で、前給制度が導入されています。

利用するには、まず前給制度専用のWebサイトにアクセスしてIDやパスワードを入力し、自分のページにログインしてください。すると前給の利用可能金額が表示され、利用したい金額をその範囲内で入力し申請します。すると、翌営業日以降、自分の給与振込口座に入金されます。

前給の利用にあたり、会社の承認は不要です。また審査もなく金利もありません。しかし、振込手数料は利用者負担となり、他の金融機関の送金手数料に比べるとやや高めです。

振込手数料の金額は、利用する金額およびお勤めの会社により異なります。東京都民銀行の口座なら、振込手数料が安くなります。

前払いOKなバイトは?

前払いOKなバイトは

アルバイトでも給料を前借りできる制度を整えている企業はまだまだ多くありませんが、都民銀行が行っている前給制度を導入している企業では、給料の前借りが可能です。

例えば、デニーズなどのセブン&アイフードシステムズ、ファミリーレストランで有名なすかいらーくグループ、笑笑、魚民など居酒屋チェーンで有名なモンテローザ、100円ショップのキャンドゥなどが、前給制度を導入しています。

前給制度以外にも、ペイミーなどのシステムを導入している会社や、独自の方法で、給料の前借りに対応している会社もあるため、求人情報サイトなどを利用し福利厚生制度を確認すると良いでしょう。

給料の前払いが難しい場合の対処法

勤め先の会社やアルバイト先で給料の前借りができない場合、どうしたら良いのでしょうか。また、給料の前借りができたとしても、金利や手数料が高いなど、必ずしも前借りすることが適切な方法ではない場合もあります。

さらに、勤め先にお金が足りないことを伝えるのに抵抗感を持つ方も多いはずです。給料を前借りする以外に、お金を用意する方法はないのでしょうか。

日払いのアルバイトを探す

インターネットや雑誌などで求人情報を見ていると、日払いのアルバイトがあります。日払いといっても、中には給料が1日あたりで計算されるだけで、支払われるのは月に1回、または週に1回といったケースもあるため注意が必要です。すぐにお金を受け取りたいならば、「即日払い」というキーワードでアルバイトを探しましょう

お金が必要なとき、普段より多く働いて給与収入を得ることができれば一番良いのですが、1日で1万円以上稼ぐためには基本的には拘束時間が長くなりますし、きつい労働もあり得ます。より多くのお金が必要な場合、アルバイト1日分だけでは難しいでしょう。

また、お金が必要でかつ時間的に余裕があるときに、タイミングよく即日払い求人が見つかれば良いのですが、そうとも限りません。即日払いのアルバイトを見つけたからといってすぐに連絡しても、その日のうちに働ける可能性はかなり低いといえます。

カードローンを利用する

お金に困っていて給料の前借りもできない場合や、前借りをしても生活費が足りない場合の対処法として、カードローンを利用するという方法があります。利用したことがない方にとっては、「金利が高く、返済できないのではないだろうか」や、「怖い人が取り立てに来るのではないだろうか」、などと不安に思われる方もいるかもしれません。しかし、実際はそのようなことはなく、意外と身近に利用されているものです。

金利は年率2%から18%程度で、借りた日数だけ利息を払えば大丈夫です。例えば、金利が15%で5万円を1週間借りた場合の利息は、5万円×15%×7日間/365日=144円です。

カード会社にもよりますが、審査は簡単で保証人も必要ありません。在籍確認がある場合もカードローンの審査であることはまず明かされないため、会社の上司や同僚に知られることなくお金を借りることができます

事前に審査を済ませておけば、24時間いつでもコンビニエンスストアのATMなどでお金を引き出すことができるため、緊急なときでも安心です。

バイトで給料の前借りができない場合はカードローンを活用する

今回は、給料の前借りはできるのか、給料を前借りする方法についてご紹介しました。

会社を通じて給料を前借りすると、当然会社に知られてしまいます。会社によっては、「自分のお金の管理もできないのか」と、思われてしまうこともあるでしょう。

会社に知られず、給料を前借りする方法としては、ペイミーなどの給料前借りアプリや東京都民銀行の前給制度もあります。しかし、これらの方法はそもそも会社側が制度を導入していないと利用できませんし、また、手数料も高額になりがちです。

カードローンであれば、急にお金が必要な場合でも、簡単な審査で誰にも知られずお金を借りることができます。利息は借りた日数分だけのため、次のお給料が振り込まれるまでの間でしたら、そこまで大きな金額にはなりません。ただし、カード会社によって規約はそれぞれ異なるため、利用規約をよく読んで、賢く利用しましょう。

富田 浩司
富田 浩司

ファイナンシャルプランナー AFP/富田FP事務所 代表

ゴールドマン・サックスでの勤務経験のある独立系ファイナンシャルプランナー。
防衛省陸上自衛隊、国内大手電気会社、外資系証券会社、独立系コンサルタントの経験を経て、2007年(株)フォーチュンフィールドを設立。富田FP事務所所長として、資産運用や家計の見直しセミナー、コンサルティング業務、マネー情報に関する執筆活動を行っている。設立から12年、「家計と企業財務の健康促進パートナー」をモットーに顧客の資産形成および収支改善に向けアドバイスを行っている。
著書:『子育てママのためのお金の教室 実況中継』、『「稼ぐFP」の作り方:ネット社会を生き抜く新しいFP戦略とは』

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