クレジットカードのリボ払いとは?分割払いとの違いや手数料の計算方法
リボ払いとは?リボ払いの手数料や分割払いの違いについて
クレジットカードを申し込むときに、支払い方法として便利に思えるリボ払い。手数料や分割払いとの違いなどがよく分からないまま、リボ払いを行っている方はいませんか?
リボ払いは使い方次第で毎月の支払いが一定額となり月々の支払いが楽になると感じる一方で、延々と支払いをしていかなければいけないと感じる方もいるでしょう。リボ払いは、使い方によってメリットを感じることもあれば、デメリットを感じることもあります。
今回は、リボ払いについて、手数料の計算方法を含めて、どのような支払い方法なのかをご紹介します。
クレジットカードのリボ払いとは?リボ払いの仕組みを解説
リボ払いとは、クレジットカードを利用したときの支払い方法の1つです。
買い物をクレジットカードで行ったときに、毎月の返済額を一定額にできるため、大きな買い物を何回かに支払いを分けて購入する場合に用いられます。
リボ払いの支払い方法は「定額方式」と「残高スライド方式」の2つ
このリボ払い方式ですが、支払い方法により大きく「定額方式」と「残高スライド方式」に分けることができます。2つの方式の違いは何でしょうか。
定額方式
まず、定額方式からご説明します。定額方式とは、クレジットカードの支払残高に関係なく毎月一定額と手数料を支払っていく方式です。
定額方式では、クレジットカードを複数回利用して支払残高が増加しても、毎月の支払額は変わらず、その代わり支払期間が延びることになります。
例えば、6月に5万円の買い物をクレジットカードで支払い、リボ払い「定額方式」で支払うとします。仮に毎月5,000円と手数料を支払っていくとしましょう。この段階には、その後の毎月の支払額は5,000円+手数料となります。その後7月に3万円の買い物をクレジットカードで行い、リボ払いで支払うとします。7月の段階の支払残高は7万5,000円ですが、毎月5,000円+手数料を支払っていく点は変わりありません。
ただし、当初は10カ月間で返済していく予定だったのが、その後の買い物金額を含めて、このケースでは16カ月間で返済していくことになります。これが定額方式です。
残高スライド方式
一方、残高スライド方式とは、あらかじめ設定されているクレジットカードの支払残高に応じて、毎月の支払額+手数料が増減していく方式です。仮にクレジットカードの支払残高が大きく増えた場合には、月々の支払額もその後増加します。
例えば、6月に5万円の買い物をクレジットカードで支払い、リボ払い「残高スライド方式」で支払うとします。仮に毎月5,000円と手数料を支払っていくとしましょう。この段階には、その後の毎月の支払額は5,000円+手数料となります。その後7月に3万円の買い物をクレジットカードで行い、リボ払いで支払うとします。7月の段階の支払残高は7万5,000円ですが、毎月5,000円+手数料を支払っていく点は変わりありません。
そして、8月に20万円の大きな買い物をしたとします。8月の段階の支払残高は27万円となり、その後の毎月の支払額は1万5,000円+手数料となったとします。このように、大きな買い物をしたあとの毎月の支払額が増加するのが残高スライド方式です。
リボ払いの申し込みの種類は4パターン
支払い方法から見たリボ払いは、2通りありました。それでは申し込みをする方法としてはどんなやり方があるのでしょうか。実は申し込みの仕方によって、「事前登録型リボ払い」、「店頭リボ払い」、「自動リボ払い(リボ専用カード)」、「あとからリボ払い」の4パターンに分けることができます。
事前登録型リボ払い
事前登録型リボ払いとは、最初に月々5万円など毎月の支払金額を指定する方法です。指定金額を超えた分に関しては、翌月以降にリボ払いで支払っていきます。つまり、5万円の支払いまでは今月行うけれども、それ以上の残りは次月以降に月々5万円以内で支払っていくといった方法になります。
例えば、6月に3万円の携帯代などの支払いに充てた場合、事前登録型リボ払いでは翌月7月に3万円の支払いを行います。この場合には枠の5万円以内の買い物のため手数料は発生しません。7月に同様に携帯代などの支払いに3万円掛かったとして、それ以外に買い物で5万円リボ払いを適用したとします。
この場合には、8月に5万円分のみ支払います。残った2万円は9月に繰り越しとなります。こうして毎月5万円など一定額までを支払い、残りは繰り越していく支払い方法が事前登録型リボ払いです。
店頭リボ払い
店頭リボ払いとは、お店で買い物を行った都度、リボ払いが指定できる方法です。クレジットカードをお店で利用するときに、リボ払いでと伝えることで利用できます。この方式では、月々の支払額を決め、それを限度に買い物した金額を支払っていきます。
自動リボ払い
自動リボ払い(リボ専用カード)とは、リボ払い専用のカードを作成し、このカードで買い物を行っていくものです。当初からリボ払いが設定されているため、月々決めた金額を支払っていくといった形になります。
あとからリボ払い
あとからリボ払いとは、買い物後にクレジットカード会社に連絡を行い、支払い方法をリボ払いに変更する方法です。希望する利用分に関してリボ払いに変更できます。これを利用することで、1回払いだと資金繰りが苦しくなりそうな場合、毎月一定額支払いへと変更できるため、日々の資金繰りを楽にすることができます。
ただし、1回払いと異なり、手数料が発生することになります。
リボ払いと分割払いの違いとは
リボ払いは複数の手段により利用できるわけですが、似たような仕組みとしてクレジットカードには分割払いがあります。リボ払いと分割払いの違いは何でしょうか?
繰り返しになりますが、リボ払いとは毎月決まった一定額を返済していく仕組みです。これに対して、分割払いとは、買い物する度に支払い回数を設定します。つまり、金額から設定するのか、支払う回数から設定するのかの違いです。リボ払いでは支払期間をご自身で決めることはできません。
いずれの方式においても、返済を早く終わらせたい場合には繰り上げ返済といった方法を用いることもできますし、月々の支払額を抑えられる点は同じです。この他、手数料が掛かる点も同じですが、1回払いや2回払いでは手数料は掛かりません。
分割払いでは、買い物をすればするほど毎月の返済額が膨らんでいくため、使いすぎに歯止めを掛けられます。一方でリボ払いの場合には、毎月一定額ずつ返済していけば良いため、頻繁に買い物をしても、使いすぎと感じにくくなり、返済が長期化して手数料が膨らむ恐れがあります。
リボ払いと分割払いはどちらが得?
リボ払いと分割払いでは、どちらが得といえるのでしょうか?これは使い方次第で結論が異なります。
使いすぎを防ぐという観点からは、分割払いの方にメリットがありますが、月々の資金管理では分かりやすいのはリボ払いです。また、金利面で考えると、実は支払いにおける金利やいわゆる手数料の面では、分割払いに軍配が上がります。リボ払いでは、2018年5月現在でほとんどのカード会社で実質金利(年)15%。これに対して分割払いでは、カード会社や分割回数にもよりますが、実質金利(年)12~15%です。
総合的に考えると、分割払いの方が資金計画を考える上では使いすぎを防ぎ、金利面でも得と考えることができますが、毎月の支払額を分かりやすくしたい、一定金額に抑えたいという場合には、リボ払いの方が使い勝手の面からはメリットがあるといえるでしょう。
リボ払いの手数料はいくら?
ここでは、リボ払いの手数料がどのような方法で計算されるのか解説します。
ポイントは、毎月の支払額を一定としていることから、手数料が大きくなりやすいという点です。具体的には以下の通りに計算することで手数料を求めることができます。
手数料の計算方法
リボ払いで毎月支払う手数料は、以下の計算式で求めることができます。
「支払残高×金利(手数料率)÷365日×30日(※1)」
(※1)「30日」は、あくまで30日ごとに支払うケースを想定しています。おおよそ1カ月おきであれば毎月の手数料の目安は上式で求めることが可能です。
例えば、支払残高が100万円、金利が年15%であると想定してみましょう。
この場合の1カ月(30日)後の手数料は、100万円×0.15÷365日×30日≒1万2,328円です。
これはあくまで目安であり、また毎月この金額が手数料となるわけではありません。返済が進むにつれて、支払残高が減っていくため手数料も減ります。なお、月々の返済額を抑えた場合には、支払い回数が増え、手数料もかさむことになるため注意してください。
それでは具体的なケースを用いて、トータルの手数料金額がどの程度になるか、シミュレーションを行ってみましょう。
仮に30万円分の買い物を行うとして、月々1万円+手数料を支払っていくとします。金利は実質年15%とし、定額支払いで支払うとします。
このケースの場合には、30カ月で返済をすることになりますが、支払い元金は30万円、これに対して手数料合計は5万7,572円となり、合計で35万7,572円です。30カ月で5万7,572円の手数料であればかまわないという方もいるでしょう。
一方、手数料が高いと感じる方もいると思います。短期的な資金繰りを優先するのであればこの手数料を払うことに抵抗感はない方もいるでしょうし、少しでも手数料を減らしたい方は抵抗があるかもしれません。
1ついえることは、手数料に抵抗があっても、いったんリボ払いを継続的に利用するとそれが当たり前となり、ついつい利用することで手数料も膨らんでいくということ。こうした場合にはいかに手数料を抑えるかは大きな課題です。
それでは、一度リボ払いで支払いを始めてしまった場合、もしくはこれからリボ払いを検討する場合に手数料を抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。
リボ払いの手数料を抑えるには?
実はリボ払いを利用する場合、手数料を抑えることは可能です。
その方法とは、「1.毎月の支払額を上げる方法」と、「2.繰り上げ返済や一括返済を利用する方法」です。
1.毎月の支払額を上げる
まず、リボ払いを利用するときもしくは利用している状況で、毎月の支払額を上げることを検討してみましょう。あくまでも支払いに余裕がある場合に限りますが、毎月の支払額を上げることで早めに支払いを終わらせることにつながります。この結果、手数料も安く済ませることができます。多くのカード会社では毎月の支払額を増やす場合、電話やホームページから変更が可能です。
2.繰り上げ返済や一括返済を利用する
もう1つの方法としては、毎月の支払いは一定としてその間にコツコツ貯蓄を行っていきます。そして、まとめて支払いを行う、もしくはある程度まとまった資金で支払いの一部を返すことを検討してみましょう。
これは繰り上げ返済や一括返済と呼ばれる方法です。カード会社によっては、「まとめ払い」や「よゆう払い」といった呼び方をする場合もあります。繰り上げ返済や一括返済をすればローン残高を一気に減らすことができるため、手数料もその分減るのです。具体的には、ATMでの支払いや銀行振り込みなどにより行うことができます。
どちらが良いかはそのときの状況次第といえますが、いずれにせよ資金計画をしっかり行い早く返済するという点は同じです。こうすることでトータルの支払額を抑えることが可能となります。
リボ払いと分割払いの違いを理解して状況に応じて判断しよう
今回は、クレジットカードのリボ払いについて解説するとともに、リボ払いと分割払いの違いや手数料の計算についてご紹介しました。
リボ払いは、毎月の支払いを一定額にできるなど、使い方次第では大変便利な支払い方法です。ただし、使い方を見誤るといつまでたっても返済が終わらず、買い物を続ければ続けるほど返済期間もどんどん延びていき借金地獄と化す恐れもあります。
そのため、毎月の支払額を上げる、繰り上げ返済や一括返済を利用するなど早めの返済も心がけていくことが大切。どうしても欲しい商品がある場合などにリボ払いでいったん利用し、その後まとめて返すなど、資金計画がしっかり立てられる方には使い勝手の良い方法です。
手数料も気にしながら、状況や支払う金額により、分割払いとリボ払いどちらを使うべきか判断していきましょう。
CFP(R)認定者
スキラージャパン株式会社取締役、伊藤亮太FP事務所代表
慶応義塾大学大学院商学研究科 経営学・会計学専攻修了。学生時代にCFP®資格、DCアドバイザー資格取得。2007年11月スキラージャパン株式会社設立に参画。取締役に就任。またその後個人事務所として伊藤亮太FP事務所を立ち上げる。独立系FPとして、金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング・相続事業承継、保険見直し、金融機関等における講演など幅広く活動を展開、執筆業務も多岐にわたる。
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