借金が減らない!カードローンの元金が減らない理由と対策

借金が減らない!カードローンの元金が減らない理由と対策

ノートを見つめて頭を抱える女性

借金が減らない…カードローンの元金が減らないわけは?

「毎月返済しているはずなのに、一向に借金が減っていない気がする」「一体いつになったら返済は終わるのだろう?」「返済が苦しくなってきたから、他から新たに借り入れよう」

カードローンを利用しているうちに、こんな状況に陥っている人もいるのではないでしょうか。はじめは計画的に利用していたつもりでも、気が付けば返済に追われる毎日になっていることもよくあります。

そもそも借り過ぎという場合もありますが、同じくらい問題なのは、利息や元金の仕組みが分かっていないというケースでしょう。返済額を抑えたいからといって、利息に当たる金額しか返していない場合、いくら頑張って返済しても一向に終わりは見えてきません。

今回は、カードローンの元金が減らない理由と対策についてご紹介します。

多重債務は借金が減らない大きな原因

誰しもはじめから多重債務者ではありません。最初の借り入れは1社(A社)から、借り入れと返済を繰り返すうちにだんだん感覚が麻痺してきて、気が付いたら返済に窮するほどの借り入れをしている。そこで、別の貸金業者(B社)から借りたお金でA社の返済をするようになり、今度はB社への返済のためにC社から借り入れをする、という悪循環に陥った結果、立派な多重債務者になるのです。

上記のような一時しのぎを繰り返す行為を一般的には自転車操業と言います。走り出したら壁にぶつかって事故になるまで止まらない、危険な状態です。ではなぜ、多重債務で借金が膨らんでいくのでしょうか。その理由として、以下の3点が挙げられます。

1. 借入額が膨らんでいく

コインが積み上げられたシーソー

1つ目の理由は、単純に借入額が膨らんでいくためです。
A社からの借り入れが20万円、1回の返済額が2万円(うち、元金充当分1万円)として、この2万円のためにB社から2万円借り入れをします。すると、この時点でA社の残債務が19万円、B社の残債務が2万円となります。また次回のA社への返済にB社からの借り入れを当てていくと、B社の残債務はどんどん膨らんでいき、新たな借り入れをしないとB社への返済も滞ってしまいます。

借金を返しているのにもかかわらず、債務総額が増えていってしまうのは、返済した金額全額が元金に充当されるわけではないからです。当たり前のことですが、返済額の中には利息に当たる部分があり(例では1万円)、この分元金の減りが少ない一方、新たな借り入れは単純に債務が増えてしまうのに加え、そこに利息が上乗せされます。これが多重債務の仕組みです。

2. 返済や借り入れの際の手数料がかさむ

ATMにカードを挿入するイメージ

1回当たりのATM手数料が216円だとして、借り入れと返済の度にこれがかかるとしたら、複数社と取引すればするほど無駄な費用がかさむということになってしまいます。無論、ATM手数料がかからないことを売りにしているカードローン商品もありますが、利用時間外や提携していないATMなどを利用する場合は手数料がかかってしまうこともあります。
手数料を取られないようにと注意して利用できる方なら心配はいりませんが、100円、200円くらいいいだろう、と考えてしまう人は要注意です。

3. 少額の借り入れほど金利が高い

「%」が上下するイメージ

通常、カードローンの金利は、利用額が大きいほど金利が下がります(利息制限法の上限もそうなっています)。

つまり、1社から100万円借りるのと、4社から25万円ずつ借りるのでは、金利は後者の方が高く、支払わなければならない利息も多くなるのです(借入期間等の条件が同じ場合)。

カードローンの元金が減らない理由

カレンダーと一万円札のイメージ

カードローンの元金が減らない理由は、返済額のすべてが元金に充てられるわけではないからです。返済方法によって違いはありますが、カードローンの返済方式で多いのが、元利均等リボルビング返済という返済方法で、返済中に新たな借り入れをしても返済額はずっと一定です。

この毎月の返済額が一定である「元利均等」方式の特徴として、返済初期は利息のウエイトが大きく、元金の減りが遅いという点が挙げられます。返済額が一定で返済計画が立てやすいというメリットがある反面、元金の減りが遅いので、返済と借り入れを繰り返していると永遠に返済が終わらないという状況にもなりかねません。

元金と金利から利息の計算をしよう

それでは、実際に利息はどれくらいかかるのでしょうか。また利息はどういった計算で算出されるのでしょうか。ここからは、利息の計算について具体例を確認しましょう。

利息の計算方法

利息の計算方法は、以下のような計算式になります。

【利息の計算式】

借入金額(残債)×年率金利÷365日(うるう年なら366日)=1日当たりの利息(A)
(A)×借入日数(前回の返済から今回の返済までの日数)=利息

具体例として、

  • 借入金額50万円
  • 金利18%
  • 総返済回数60回(5年)
  • 1回当たりの返済額12,697円
  • 初回返済日までの借入日数30日

のケースで計算してみましょう。

500,000円×18%÷365日=246.57円
246.57円×30日=7,397円

となり、1回目の利息は7,397円になります。1回当たりの返済額が12,697円ですので、利息を差し引いた元金返済分は5,300円となり、1回目の返済後の残債は、

500,000円-5,300円=494,700円

となります。

2回目の返済日までの借り入れ日数が31日だとすると、2回目の利息は、

494,700円×18%÷365日=243.96円
243.96円×31日=7,562円

となり、利息は7,562円、元金返済分は5,135円、残債は489,565円となります。これを繰り返していくと、60回目で完済となるわけですが、このケースでの総支払利息は261,803円で、総返済額は761,803円となります。

返済が進むとだんだん元金が減ってきますので、それに合わせて利息の負担も軽くなるのがお分かりいただけたかと思います(借入日数は月によって増減しますので、見た目の支払利息は前月より増えることもあります)。

金利の違いによる利息額の違い

では金利が違うと利息額にはどれくらい差が出るのでしょうか。百聞は一見に如かずということで、具体例をご覧ください。

(イ)金利が15%の場合

  • 借入金額50万円
  • 金利15%
  • 総返済回数60回(5年)
  • 1回当たりの返済額12,697円
  • 初回返済日までの借入日数30日

500,000円×15%÷365日=205.47円
205.47円×30日=6,164円

(ウ)金利が12%の場合

  • 借入金額50万円
  • 金利12%
  • 総返済回数60回(5年)
  • 1回当たりの返済額12,697円
  • 初回返済日までの借入日数30日

500,000円×12%÷365日=164.38円
164.38円×30日=4,931円

前項での金利18%の例((ア)とする)も含めて比較すると、

一日当たりの利息額
(ア)246.57円
(イ)205.47円
(ウ)164.38円

初回30日分の支払利息、元金返済分、残債

(ア)7,397円、5,300円、494,700円
(イ)6,164円、6,533円、493,467円
(ウ)4,931円、7,766円、492,234円

となります。最終的には、

総返済額、総支払利息

(ア)761,803円、261,803円
(イ)713,698円、213,698円
(ウ)667,333円、167,333円

と、かなりの差が出ることがご確認いただけるでしょう。

1日当たりの利息の差は(ア)と(イ)、(イ)と(ウ)でそれぞれ約41円とわずかな金額ですが、返済期間が長くなればなるほど差が大きくなるのです。

カードローンの元金を減らす対策

利息の仕組みがお分かりいただけたところで、次はカードローンの元金を減らすにはどうすればいいかについてご紹介しましょう。

返済額は利息に充てられる

十数枚の一万円札を手に取り数えるイメージ

返済額のうち利息に充てられる部分は、返済初期ほど多いことが分かりました。より正確に言うと、元金が大きいときほど利息が多くなり、返済額に占める利息の割合が増えるということです。

前項の(ア)の例で、10回目まで問題なく返済した後の残債額は444,378円となります。もしもこの時点で新たに10万円借り入れをすると、残債は544,378円になります。
追加で借り入れをしなかった場合と比べると、11回目の返済の内訳は次のような違いが現れます。

追加借り入れなし:利息6,574円、元金返済額6,123円、残債438,255円
追加借り入れあり:利息8,053円、元金返済額4,644円、残債539,743円

ご覧の通り、元金が増えた分利息が増え、現金返済額が減りました。この仕組みを理解すれば、反対に利息の負担を減らす方法もご想像できるのではないでしょうか。

毎月の返済以外に繰り上げ返済をしよう

コインと積み上げている様子

毎月一定の返済額とは別に、繰り上げ返済をすることで元金を効率的に減らすことが可能です。例えば、前項の例を利用して、11回目の返済前(10回目の返済直後)に10万円繰り上げ返済したとすると、以下のような違いが現れます。

繰り上げ返済なし:利息6,574円、元金返済額6,123円、残債438,255円
繰り上げ返済あり:利息5,094円、元金返済額7,603円、残債336,775円

繰り上げ返済をした場合、利息の負担が大きく減ったことが確認できるでしょう。とはいえ、「10万円も繰り上げ返済する余裕などない」という方もいると思います。そんな方でも、普段よりも多く返済する余裕が生まれたときを利用して、コツコツと繰り上げ返済していくことをおすすめします

例えば、毎月の返済額12,697円のところ、「今月は余裕があるから20,000円返済できる」「今月は15,000円、来月は30,000円返済できそう」と、少額であっても多めに返済することができる月があるかもしれません。そんなときは多めに返済していきましょう。
12,697円を上回った分は、すべて元金の返済に充当されますので、20,000円であれば7,303円、15,000円であれば2,303円、30,000円であれば17,303円元金を減らすことができます。

「チリも積もれば山となる」という言葉があります。ぜひ余裕があるときは少しでも繰り上げ返済して利息の負担を減らすようにしましょう。

おまとめローンを利用しよう

手のひらいっぱいにコインを抱えるイメージ

「金利の違いによる利息額の違い」の項でご説明した通り、長期の借り入れの場合、金利の違いは大きな利息負担となってのしかかってきます。

利息制限法では10万円未満の借り入れは上限金利が20%、10万円以上100万円未満の借り入れは上限金利が18%、100万円以上は上限金利が15%と定められています。実際のカードローン商品においても、少額であればあるほど上限金利に近い金利に設定されている傾向があります。もしも複数社から少額の借り入れをしている場合は、おまとめローンの利用を検討してはいかがでしょうか。

1社当たり30万円を4社から借りている場合、仮に上限金利いっぱいの設定だとしたら、計120万円を18%で借りていることになります。これを1社で120万円のおまとめローンに乗り換えると、上限金利が適用されたとしても120万円を15%で借りることになりますので、単純に金利を下げることができます。

おまとめローンのメリットとしては、金利引き下げが期待できることの他に、返済日や返済金額を一本化でき管理しやすい、返済にかかる手数料を削減できる、といったポイントがあります。

なお、新規でカードローンを申し込む際は、貸金業法の総量規制(最大で年収の3分の1までしか借り入れできないという規制)に引っかかるのではないかと心配される方もいますが、おまとめローンが目的の場合はその規制の対象外となりますのでご安心ください。

繰り上げ返済でカードローンの元金を減らそう

今回は、カードローンの元金が減らない理由と対策についてご紹介しました。カードローンに限らず、返済と利息の仕組みが分かれば、元金が減らない、あるいは減りにくい理由も、元金を効率よく減らす方法も自然とお分かりいただけるでしょう。

大幅な繰り上げ返済などする余裕がないという人でも、コツコツ少額の繰り上げ返済を続けることができれば、結果的には大きな利息の削減につなげることができます。また借り入れ状況によっては、おまとめローンを利用して金利自体を下げることが可能です。ご自身の状況を正確に把握し、自分に合った方法で早期完済を目指すようにしましょう。

田中 裕晃
田中 裕晃

ファイナンシャルプランナー
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当

大手賃貸仲介業者に就職、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。 その後、創業者杉本雅幸の後継として株式会社大峰の代表取締役に就任、現在に至る。住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、相続対策などに関しての相談業務を行っている。

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