リフォームローンの金利相場はいくら?審査に通らない場合はどうすればいい?
リフォームローンの金利相場はどれくらい?審査に通らないときの対処法は?
住宅の耐用年数が伸びるにつれ、定期的なメンテナンスのニーズが高まっています。外壁の塗り替えや屋根の補修、設備の入れ替えにはじまり、家族構成の変化に伴う間取りの変更、バリアフリーに対応したリフォーム、さらには躯体を残しての大掛かりなリノベーションと、さまざまなリフォームが考えられます。費用も十数万円で済む修繕から、数百万円、もしくは1,000万円規模の大型リフォームまで、内容によって大きく変わります。
数十万円の工事であっても、数百万円の工事であっても、手持ちの現金だけで賄おうと思うとなかなか大変な話でしょう。そんな時に利用したいのがリフォームローン。今回は、リフォームローンの金利相場や審査に通らない場合の対処法など、リフォームローンを利用する前に知っておきたいことについてご紹介します。
リフォームローンについて
リフォームローンは、住宅をリフォームするときに使えるローンです。住宅をリフォームするタイミングとして
- 中古住宅を購入してすぐにリフォームする
- 住宅購入後しばらくしてから(住宅ローン返済中に)リフォームする
- ローン完済後、もしくははじめからローンのない住宅をリフォームする
の3パターンに分けることができますが、それぞれの場合で使えるローンの種類が変わります。
1の場合は、購入代金にリフォーム費用も含めて住宅ローンで借りる方法、もしくは購入代金は住宅ローン、リフォーム費用はリフォームローンの2本立てにする方法のどちらかになります。
2の場合は、既存の住宅ローンの返済に加えて、リフォーム費用はリフォームローンを新たに利用する方法が主流ですが、金融機関によっては住宅ローンの借り増しでリフォーム費用を捻出することができる場合もあります。
3に関しては、リフォームローンを利用するしかありません。
リフォーム費用はリフォームローンでしか賄えないと思っている方も少なくありませんが、上記のように、状況やタイミングによっては住宅ローンでカバーすることも可能なのです。
また、リフォームローンには担保を必要とするもの(担保型)と、担保を必要としないもの(無担保型)の2通りあり、それぞれ次のような特徴があります。
担保型
担保型のリフォームローンの場合、リフォームの目的となる不動産(土地、建物)に抵当権を設定することになります。貸し手の立場からすると、担保がある分貸し倒れのリスクが少ないため、金利を低く設定することができます。
借り手側のメリットとしては、無担保型と比べて金利が低い、借り入れできる金額の上限が高い、最長借入期間が長い、という点が挙げられます。利用目的がリフォームに限られた目的ローンではありますが、長期にわたり大きな金額の借り入れができるなど、住宅ローンと似たようなローン商品であると言えるでしょう。
一方、デメリットとしては、抵当権設定に費用(登録免許税、司法書士手数料など)が必要なこと、審査や手続きなどに時間がかかること(1カ月程度が目安)などがあります。
無担保型
無担保型のリフォームローンのメリットは、やはり手軽さでしょう。審査や手続きにかかる時間も担保型と比べるとグッと短くなり(金融機関にもよりますが、1~2週間程度が目安)、抵当権設定にかかる費用も必要ありません。その分、金利は担保型より少し高めにはなりますが、最近では競争の激化によって低金利の商品も増えてきています。
デメリットとしては、借入金額の上限が低いこと、また最長借入期間が短めに設定されていることが多いという点です。
担保型と無担保型のどちらのリフォームローンを選ぶかは、リフォーム費用の金額の大きさ、毎月の返済可能額などによって判断すると良いでしょう。金額が大きい場合は、そもそも担保型でないと借り入れできないかもしれません。また、借入期間が短くなると、その分毎月の返済額が高くなってしまいます。
例えば、借入金額が300万円、500万円、1,000万円、1,500万円、返済期間が3年、5年、10年、15年、20年として、それぞれ毎月の返済額はいくらになるでしょうか。ちなみに、金利は2.5%、固定金利で元利均等返済とします。
【借入金額:300万円】
3年:86,584円、5年:53,242円、10年:28,280円、15年:20,003円、20年:15,897円
【借入金額:500万円】
3年:144,306円、5年:88,736円、10年:47,134円、15年:33,339円、20年:26,495円
【借入金額:1,000万円】
3年:288,613円、5年:177,473円、10年:94,269円、15年:66,678円、20年:52,990円
【借入金額:1,500万円】
3年:432,920円、5年:266,210円、10年:141,404円、15年:100,018円、20年:79,485円
これはあくまでも参考値ですが、ご自身の家計の状況から、毎月いくらの返済であれば耐えられるかを考えた上で、長期の借り入れが必要であれば担保型を選択した方が良いでしょう。
最近は無担保型でも1,000万円を超える借り入れや、15年、20年といった長期借り入れに対応するものもあります。しかし、当然ながら最大額や最長期間をフルに使えるかどうかは分かりません。審査内容によっては、申込額の半分に満たない金額や期間までしか利用できないということもあり得ます。こういった場合もやはり担保型で検討する方が良いでしょう。
反対に、500万円までで収まるような場合には、抵当権の設定費用などが無駄なコストになる可能性が高いため、無担保型を検討した方が良いかもしれません。
リフォームローンの金利相場
それでは、リフォームローンの金利相場はいくらくらいなのでしょうか。
担保型リフォームローンの金利は、住宅ローンの延長として扱われることも多いため金利も住宅ローンに準じる場合があります。この場合、低いものでは0.4%台から、他に0.5%台~0.9%台のリフォームローンもあります。
リフォームローンは目的こそリフォーム資金となっていますが、住宅ローンとほぼ同じ扱いです。このため、団体信用生命保険への加入や保証料の上乗せ、抵当権設定費用が必要になり、審査にも時間がかかります。金利が0.5%だとしても、保証料で0.2%上乗せされると実質0.7%の負担、さらに初回の抵当権設定費用など初期コストがかかることになります。
また、ここで表記したのは優遇金利を最大限まで受けた場合の数値ですので、審査内容によってはもっと高い金利が適用される可能性もあります。
無担保型のリフォームローンの場合は、固定金利で2.5%程度から、変動金利の商品では1.5%程度からとなっていることが多いようです。金利の表記として、「1.3%~4.475%」「1.5%~4.0%」「1.65%~4.8%」など、幅を持った記載になっているのは、審査内容によって金利が変動するということを意味します。年齢や職業、勤続年数、年収、その他の借り入れ状況と、今回の借り入れ希望額を総合的に審査し、その結果適用金利が決まるという仕組みです。
一部のローン商品では、はじめから金利がはっきりしているものもありますので、審査後でないと金利がわからないのが不安な方は、そういった商品を選択する方法もあります。
リフォームローンの審査について
つづいて、リフォームローンの審査についてご紹介しましょう。
審査内容
リフォームローン審査内容は、住宅ローンやカードローンの審査に準じたものとなります。担保型は住宅ローンの審査に、無担保型はカードローンの審査に近いと考えれば良いでしょう。
前者は年収、勤務先、勤続年数、信用情報、健康状態など人的な評価ポイントと、担保不動産の評価という物的な評価を合わせて審査されます。後者は担保評価が不要ですし、団体信用生命保険への加入が必須条件ではありませんので、健康状態も基本的には問われません。また、担保型、無担保型ともに総量規制の対象外ですので、申込金額が年収の3分の1を超えていたとしても問題はありません。
審査項目
リフォームローンの審査項目として、次のようなものが挙げられます。
- 申込時の年齢と借り入れ希望期間(=完済時の年齢)
- 現在の年収
- 勤務先の情報
- 勤続年数
- 他の借り入れ状況
- 返済比率
- 信用情報
担保型リフォームローンの場合は、上記に加え次の項目が追加されます。
- 当該物件(不動産)の担保評価額
- 申込者の健康状態
上記以外にも、家族構成やリフォーム工事の内容、金額などを含めて総合的に判断されることがあります。
審査基準
審査基準は各金融機関によって異なりますが、申し込み条件として公表されているポイントもあります。
審査項目として挙げたもので言えば、完済時の年齢は満70歳、あるいは満75歳、満80歳までとしているケースがほとんどです。勤続年数が1年以上であることを条件とする場合や、申込時の年齢が20歳以上であること、リフォーム対象物件が自己所有、あるいは家族所有で申込者本人が同居していることなどを条件とする場合もあります。
個人信用情報に事故情報が残っていたり、団体信用生命保険への加入が必須なのに健康状態が悪かったりすると、それも審査落ちの原因になってしまいます。
また、年収にもよりますが、返済比率が30%を超える場合は拒否されることもあります。返済比率とは、年収に対する年間の返済額の割合で、例えば年収が500万円、年間返済額が200万円だとしたら、返済比率は「200万円÷500万円×100=40%」となります。この場合、30%に収めようとするなら、年間返済額は150万円まで、月額換算で12.5万円までとなります(利息を含んだ返済額で考えます)。
この基準は必ずしも30%ということではなく、25%の場合もあれば35%の場合もあり、金融機関によって基準は異なります。また、他に住宅ローンや自動車ローン、カードローンなどを返済中であれば、その返済額も含めて計算しますので、借り入れがある方は注意が必要です。
審査期間
無担保型はカードローンの審査に準じますので、早い場合は即日、遅くとも1~2週間あれば十分に結果は出るでしょう。一方、担保型の場合は、団体信用生命保険の審査や住宅の担保評価といった項目に時間がかかりますので、3~4週間が目安となります。
リフォームを検討中の段階で明日すぐにお金がいる、という状況になることは少ないでしょうが、スピード重視なら無担保型の方が有利であることは間違いありません。
リフォームローンの審査に通らない場合の対策
「審査基準」の項で触れたように、返済比率がリフォームローン審査における重要なポイントになってきます。たとえ返済能力が高かったとしても、他に借り入れがある場合にはその分差し引いて考えなければなりません。短期のローンを利用している場合など、一月あたりの返済額が一時的に大きくなっていることもあるでしょう。そういった場合は、先にその借り入れを完済しておくなど、リフォームローンの申し込み前にしっかりと準備をする事が必要です。
一般的に、同じ金額であれば無担保型より担保型の方が審査に通りやすいと言えます(健康状態の問題がある方は別として)。そのため、不安な場合は担保型のローンの利用を検討しましょう。また、完済年齢や勤続年数要件など引っかかる項目がある場合は、リフォームローンの利用条件をよく読んだ上で、自分に合ったローン商品を選択するようにしてください。
自分に合ったリフォームローン選びを
今回は、リフォームローンの金利相場や審査など、リフォームローンを利用する前に知っておきたいことについてご紹介しました。
住宅の購入や建築ほどではないにせよ(場合によってはそれに匹敵することもあり得ますが)、リフォームには大きなお金が必要なケースもあります。そして金額が大きくなればなるほど、金利や諸費用の負担が大きくなります。日々の家計や生活に支障をきたすことのないように、リフォームローンを利用する際には自分に合った商品を選択することが重要です。
ファイナンシャルプランナー
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当
大手賃貸仲介業者に就職、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。 その後、創業者杉本雅幸の後継として株式会社大峰の代表取締役に就任、現在に至る。住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、相続対策などに関しての相談業務を行っている。
- 審査から借入までのスピードがダントツ! アコム
- 返済金額が一定で計画的に利用できる! アイフル
- アプリローンで契約から返済まで完結可能! プロミス
- 住宅ローン有りの場合は金利が優遇! みずほ銀行
- 銀行ならではの安心金利! J.Score