プリペイド式クレジットカードとは?普通のクレジットカードとの違いは何?

プリペイド式クレジットカードとは?普通のクレジットカードとの違いは何?

ノートPCの上に置かれたプリペイド式クレジットカード

プリペイドタイプのクレジットカードの特徴…プリペイド式と普通のカードは何が違う?

クレジットカードは便利とわかっていても、あとから請求が来るから請求書を見るのが怖い。そういった方も多いのではないでしょうか。あとから請求が来るのが嫌であれば、手元の現金で買い物をすればいいとはいえ、現金の持ち歩きは安全性や持ち運びの面で面倒に感じることもあるでしょう。こうした悩みを解決するには、どうすれば良いのでしょうか?
解決方法の1つとして、プリペイド式クレジットカードを持つことが考えられます。このプリペイド式クレジットカードは、通常のクレジットカードと比べてハードルが低く、使い勝手の面でメリットがあります。
そこで今回は、プリペイド式クレジットカードがどういったものかを解説するとともに、通常のクレジットカードとの相違点についてご紹介します。

プリペイド式クレジットカードとは

レジ担当者にカードを渡す来店者

プリペイド式クレジットカードとは、事前にチャージした金額分のみ利用できるカードのことです。利用できる金額があらかじめ決まっているため、その範囲内で買い物をして使いすぎを防止することができます。また、加盟店でも利用できるので普通のクレジットカードと同じように使えます。

普通のクレジットカードとの違い

プリペイド式クレジットカードを読み取り端末にかざす店員

普通のクレジットカードの場合、後払いでの買い物を行うことになります。プリペイド式クレジットカードは、事前に入金した金額分での買い物となるため、使いすぎといった問題は発生しません。買い物をしたその瞬間に、残高から利用金額が差し引かれることになります。

また、普通のクレジットカードの場合、新規で発行する際に審査や本人確認が必要となりますが、プリペイド式クレジットカードでは前払いのため、入会や審査、本人確認が必要ありません。そして、即時発行が可能です。

他にも、普通のクレジットカードでは、一括支払いが難しい場合、分割での支払いが可能となります。しかし、プリペイド式クレジットカードの場合は、支払い方法は選択することができず一括のみです。
さらに、普通のクレジットカードには旅行傷害保険など、付帯サービスが充実しているものがありますが、プリペイド式クレジットカードでは付帯サービスがないので、大きな相違点といえます。

プリペイド式クレジットカードの種類

カードを片手に微笑む女性

次に、プリペイド式クレジットカードの種類をご紹介しましょう。プリペイド式クレジットカードには、大きく分けて(1)一般的なプリペイド式クレジットカード、(2)ネット専用プリペイド式クレジットカード、(3)海外専用プリペイド式クレジットカードの3種類があります。

一般的なプリペイド式クレジットカード

一般的なプリペイド式クレジットカードには、三井住友VISAプリペイドやポケモンVISAプリペイド、au WALLETカード、JCBプレモカードなどがあります。こうしたプリペイド式クレジットカードは、通常のクレジットカード同様、加盟店においての利用、ネットショッピングでの利用も可能です。
また、カードによってはお金をチャージするときや、利用時にポイントが付く場合もあります。そのポイントは、プリペイド式クレジットカードでの支払いに利用できます。

ネット専用プリペイド式クレジットカード

ネット専用プリペイド式クレジットカードとは、インターネットで通信販売を利用するときの専用カードとして発行されるものです。VISAネットプリカ、ドコモ口座Visaプリペイド、Web Money Card、三井住友VISAバーチャルカードなどがあります。
なお、基本的にはネット専用ですが、Web Money CardはMasterCard加盟店においてクレジットカードと同様に利用することも可能です。三井住友VISAバーチャルカードは、インターネットプロバイダの利用料金支払いにも適用できます。

海外専用プリペイド式クレジットカード

海外専用プリペイド式クレジットカードは、海外で利用することを目的に作られたプリペイド式クレジットカードです。複数の通貨をチャージすることができ、利用したい国で利用したい通貨をもとにお買い物を楽しむことができます。
為替レートをチェックしながら、レートの良いときに外貨に両替しておき、実際に海外に行ったときに利用していくことで効率的な使い方が実行できます。しかも、通常の外貨両替に比べて手数料が安い他、現地通貨として引き出せるカードもあります。

プリペイド式クレジットカードはどんな人におすすめ?

様々な種類のプリペイド式クレジットカードが存在しますが、どんな人がプリペイド式クレジットカーを持つべきなのでしょうか。いくつかの観点から、おすすめしたいケースをご紹介します。

使いすぎが心配な人

カードとレシートと小銭

まず、何といっても使いすぎが心配な方におすすめです。プリペイド式クレジットカードでは、あらかじめチャージした金額までしか利用できません。そのため、後払いで何とかなる、分割すれば買えるなどといった行動がなくなります。

例えば、「1カ月に〇円まで」と決めてチャージを行い、その金額の範囲内で買い物をする、といったルールを決めることで使いすぎの心配はなくなるでしょう。

海外旅行や海外出張が多い人

衣類の入ったスーツケースにパスポートをしまう人

海外旅行や海外出張が多い方にもおすすめです。海外旅行では奮発して買い物を楽しむこともあるでしょうから、普通のクレジットカードを利用する場合、あとでいくら利用したかわからなく恐れがあります。プリペイド式クレジットカードを利用することで、そうした使いすぎをなくし、決めた予算内で安心して買い物をすることができます。

また、両替をして現地通貨を入手する手間も省けます。両替手数料も割安のため、事前に欲しい通貨でチャージできる点もメリットです。さらに、為替レートのタイミングを見計らって通貨の購入もできます。レートの良いときに通貨を確保できるといった点も、海外出張が大方にはメリットと映るのではないでしょうか。

この他、プリペイド式クレジットカードを海外留学中の子供に持たせ、仕送りの送金として利用することも可能な場合がありますので、海外での使い方の可能性が広がります。

インターネットショッピングでクレカを使いたくない人

買い物袋に囲まれながらノートPCを見る女性

インターネットショッピングでクレジットカードを使いたくないとお考えの方にも、プリペイド式クレジットカードは有用な決済手段です。

ネットショッピングで利用すると、情報漏洩が心配という方も多いでしょう。しかし、プリペイド式クレジットカードでは、カード紛失時や情報漏洩により利用されたとしても、チャージされた金額以上に使われることはありません

なお、プリペイド式クレジットカードも、クレジットカードと同じようにカード会社に連絡することで利用停止することが可能です。紛失した場合には、カード会社に連絡し忘れないようにしてください。

プリペイド式クレジットカードのメリット・デメリット

親指を立てるグッドのジェスチャーと親指を下げるバッドのジェスチャー

プリペイド式クレジットカードは、使い方次第で大変メリットの大きい支払い手段となります。その一方で、普通のクレジットカードやデビットカードなど、他のカードと比較するとデメリットもあります。
そこで、プリペイド式クレジットカードのメリット、デメリットをまとめてご紹介します。

プリペイド式クレジットカードのメリット

まず、プリペイド式クレジットカードのメリットについて解説していきましょう。

繰り返しになりますが、1つ目に使いすぎる心配がない点を挙げることができます。
普通のクレジットカードでは、手元にお金がなかったとしても買い物ができます。これは、どうしても欲しい商品が見つかったとき、お金がなくても分割で買えるなどのメリットがあるものの、後々資金繰りで困るといった問題を引き起こしかねません。プリペイド式クレジットカードは、こうしたお金の返済で困ることはないでしょう。

2つ目のメリットは、万が一紛失して利用された場合に被害額を抑えられることです。プリペイド式クレジットカードの場合、利用されたとしてもチャージ金額の範囲内にとどまります。
普通のクレジットカードでは、利用限度額いっぱいに利用される恐れもあるでしょう。とはいえ、プリペイド式クレジットカードが紛失したときのことを考慮し、チャージ金額を少なくする、1カ月ごとに利用できる金額の限度を決めてチャージするなどの工夫をすれば、大きな被害が出る心配はありません。

3つ目のメリットは、普通のクレジットカードを作りたくても作れなかった人も利用できることです。
普通のクレジットカードでは審査があり、借金の返済で過去に延滞したなど、返済に関するマイナスなできごとがあった場合には、新規にクレジットカードを作ることができない恐れがあります。それに対して、プリペイド式クレジットカードには審査自体がないため、何かしらの理由があって普通のクレジットカードを作成できない方でも利用できます。

4つ目のメリットは、チャージがどこでもできることです。プリペイド式クレジットカードでは、専用アプリの利用やインターネット経由で、カードにチャージができるので大変便利です。
パスモなどの電子マネーでは、駅などでチャージする必要がありますが、プリペイド式クレジットカードではわざわざ出向いてチャージする必要がなく、その手間を省くことができます。

5つ目のメリットは、プリペイド式クレジットカードの種類によっては年齢制限がないことです。年齢制限がないということは、中学生などでも利用可能ということになります。
普通のクレジットカードでは18歳以上から、デビットカードでは15歳以上といった制限があります。海外留学を高校生から行う場合などでは、海外送金の手段として利用する他、限度を決めて生活費として利用することができますので、親御さんも安心でしょう。

プリペイド式クレジットカードのデメリット

プリペイド式クレジットカードのデメリットには何があるのでしょうか。

まず、1つ目に、特典や補償といった観点からは、普通のクレジットカードの方が魅力的である点を挙げることができます。普通のクレジットカードでは、海外旅行傷害保険が付帯されている場合や、特定のお店で割引が受けられる、ポイントやマイルなどが貯まるといったメリットがあります。プリペイド式クレジットカードでは、こうした付帯サービスがあったとしても、クレジットカードと比べると劣るでしょう。

2つ目に、プリペイド式クレジットカードでは一括払いしかできません。また、毎月継続的に支払いが発生する取引や、自動更新などの支払いもできない場合が多いため、公共料金の支払いや保険料の支払いに活用することは難しいのが現状です。

3つ目に、普通のクレジットカードに比べて、利用できる場所が限定される可能性があります。プリペイド式クレジットカードは、いままさに普及拡大している最中であり、支払いという観点から見ると普通のクレジットカードに比べて劣るでしょう。

4つ目に、プリペイド式クレジットカードでは残高の払い戻しができません。使用していないプリペイド式クレジットカードを、金券ショップで買い取ってもらうことは可能ですが、購入価格を大きく下回る可能性がありますので計画的に利用すべきです。

5つ目に、プリペイド式クレジットカードではキャッシング機能は基本的に利用できません。海外専用プリペイド式クレジットカードであれば現地通貨の引き出しなど、キャッシングサービスを利用できる場合があります。しかし、国内ではキャッシングができない場合がありますので、ご注意ください。

6つ目に有効期限がある点が挙げられます。プリペイド式クレジットカードには、有効期限が設定されている場合が多く、その有効期限をすぎるとカード番号や残高が無効となります。使い切れないほどチャージすると無駄遣いになったり、何のためにプリペイド式クレジットカードを使っているかわからなくなったりする可能性がありますので、ご注意ください。

プリペイド式クレジットカードで買い物や資金管理を便利に

今回は、プリペイド式クレジットカードについてご紹介しました。

プリペイド式クレジットカードは、利用の仕方次第では資金管理に便利であり、特に海外などでの利用は大いにフル活用できます。普通のクレジットカードとは別の、異なった魅力のあるカードです。
ただし、プリペイド式クレジットカードはチャージした金額までしか利用できないため、実際に買い物を行うときに資金が足りない、といった状況が発生する恐れもあります。残高がどの程度あるか確認しながら、無駄な買い物はしないように管理していきましょう。

また、プリペイド式クレジットカードは有効期限があるため、その期限を忘れると残高が無効になり使えなくなってしまいます。メリットやデメリット、クレジットカードの違いに留意し、プリペイド式クレジットカードを賢く利用していきましょう。

伊藤 亮太
伊藤 亮太

CFP(R)認定者
スキラージャパン株式会社取締役、伊藤亮太FP事務所代表

慶応義塾大学大学院商学研究科 経営学・会計学専攻修了。学生時代にCFP®資格、DCアドバイザー資格取得。2007年11月スキラージャパン株式会社設立に参画。取締役に就任。またその後個人事務所として伊藤亮太FP事務所を立ち上げる。独立系FPとして、金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング・相続事業承継、保険見直し、金融機関等における講演など幅広く活動を展開、執筆業務も多岐にわたる。

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