クレジットカードの請求額が払えないとどうなる?支払いできない場合の対処法

クレジットカードの請求額が払えないとどうなる?支払いできない場合の対処法

クレジットカードの請求額が払えない

クレジットカードの請求額が払えない…。払えない場合はどうなる?

クレジットカードを日々使っていると、利用明細が届いたときに「思ったより使いすぎていた」と思わず後悔した、という経験はどなたにでも一度はあるものです。現金のように「お金を使った」という実感を得にくいクレジットカードだけに、引き落とし口座にどのくらいお金があるかを意識しないまま使ってしまう、という方も多いのではないでしょうか。

そこで注意してほしいのが、クレジットカードの請求額が払えない、という事態に陥らないようにすることです。もし支払いできない場合はどうなってしまうのでしょうか。また、支払いできない場合の対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、クレジットカードの請求額が支払えないとその先に起こりうる事態や、どうしても支払えなくなったときの対処法についてご紹介します。クレジットカードをつい使いすぎてしまうと自覚をお持ちの方は、ぜひご参考にしてくださいね。

クレジットカードの請求額を払えない状況ってどんなとき?

「クレジットカードの請求額が払えなくなる状況」とは、指定の銀行口座などの自動引き落としが残高不足でおこなえなくなる事態を指します。
ここでは、なぜ引き落とし日に口座の残高が足りなくなってしまうのか、想定される主なパターンを5つご紹介します。

【1】引き落とし口座への入金を忘れていた

クレジットカードの請求額が引き落とされる口座は決まっていますが、給与の振り込みが別の口座に変更になったなどでうっかり指定口座への入金を怠ってしまうこともあるでしょう。そうなれば、手元にお金があるかないかにかかわらず、その口座に残高がない限り引き落としはおこなわれなくなってしまいます。

【2】収入がないのにクレジットカードを利用した

支払いに見合った収入が得られないのに、それを想定せずにクレジットカードを使ってしまうことも、残高不足で引き落としができなくなる事態を招いてしまいます。現在収入がなくても、以前に作ったクレジットカードを持っているというケースは少なくありません

「今は口座にお金がたくさんあるから……」「後でお金の工面ができる」「臨時収入が見越せるから大丈夫」と思い、気軽にカードを利用してしまう方もいるかもしれませんが、そのことを忘れたり予定通りにいかなかったりする場合もあります。
そうなれば、口座の残高不足で引き落としがされない事態に陥ってしまうでしょう。

【3】クレジットカードで買い物をしすぎた

うっかり、ご自身の収入を優に超える金額の買い物をクレジットカードでしてしまうと、請求額が口座の残高を上回ってしまい引き落としできなくなるかもしれません。利用限度額が月収を超えないレベルならある程度は安心ですが、限度額が高ければご自身の収入に見合わない高額な買い物も簡単にできてしまうことが、クレジットカードの怖いところでもありますね。

【4】一括払いを後で分割払いやリボ払いに変更しようとして忘れた

クレジットカードの利用分を支払う際に、一度に支払える金額を低く抑えたいときには「分割払い」や「リボ払い」を利用することができます。分割払いやリボ払いなら支払い額が足りたはずなのに、支払い方法の変更を忘れて締め日を過ぎてしまい、引き落とし口座の残高が足りなくなったというケースも珍しくないでしょう。

【5】手数料のかかる分割払いやリボ払いを使用しすぎた

便利な分割払いやリボ払いですが、便利な代わりにカード会社へは一定の手数料を支払わなければなりません。分割払いやリボ払いを多用すると手数料がどんどんかさみ、想定していた実際の支払い額よりもかなり高額な請求となってしまう可能性もあります。
手数料はつい見落としがちですが、積み重なると想像以上になっている可能性もあります。カード利用の際は注意しましょう。

クレジットカードの請求額が払えないとどうなる?

さて、できればあまり考えたくないことではありますが、ここでは「クレジットカードの請求額が払えないと、その先どうなるか」についてご紹介します。「しばらくなら、放ってもいても別によいのでは?」と、安易に考えてしまっている方もいるかもしれません。しかし、未払いを放置しておくことの先に何があって、どんなことが起こるのかについてこの機会にしっかり把握しておいた方がよいでしょう。

【1】再引き落としの連絡が来る

再引き落としの連絡が来る

まず、引き落とし日から1週間程度(カード会社により異なります)を過ぎると、ハガキなどで再引き落としに関する通知が来ます。再引き落としの日にちが記載されていますので、それまでに指定の口座への入金を済ませればいつもの支払い日と同様に引き落としがおこなわれます。

なお、この時点でクレジットカードの新規利用が停止されるケースが一般的です。通知が来てから再引き落としされるまでは、クレジットカードを利用できなくなることもあるため注意しましょう。
ただし、再引き落としがおこなわれれば通常通りカードを使えるようになりますし、再引き落とし日を待たずに早く利用を再開してもらいたいなら、カード会社に連絡して早期に振り込みで支払いを済ませる方法もあります。いずれの方法においても、支払いが確認された時点からカードが再び利用できるようになります。

また、再引き落とし扱いになった時点から、「遅延損害金」という手数料が支払金額に加算される場合もあるため注意しましょう。

【2】電話・書面による督促が来る

電話・書面による督促が来る

再引き落とし日にも引き落としができないと、次は郵送で支払いの督促が届きます。この時点からは、自動引き落としではなく送られてくる「払込用紙」を使用しての直接振り込みとなります。コンビニ決済用の用紙を用いる場合には決済手数料が加算されますし、指定口座への振り込みで入金する場合は振込手数料がかかる場合もあります。

督促の書面が郵送される時点から、職場などに督促の電話が来ることもあります。ただし職場へ連絡があっても、社名ではなく個人名を名乗って電話してくるケースが中心です。また、督促の連絡のためにカード会社の人が自宅を訪問する場合もあります。

督促が届いてからすぐに入金の手続きをすればその後は特に何もなく、カードの利用も通常通りおこなえるようになります。

【3】クレジットカードの更新を拒否されるまたは解約される

クレジットカードの更新を拒否されるまたは解約される

払込用紙と督促の手紙を送付しても支払いがなければ、クレジットカードの有効期限が来ても次回の更新をおこなわないという措置が取られることがあります。または、その時点でクレジットカードを解約されてしまう場合もあります。

「しばらくは大丈夫だろう」という皮算用で支払いを引き延ばしているうちに、大事なカードが二度と使えなくなってしまうという事態を招いてしまうかもしれません。「持っているクレジットカードがもう使えなくなることだけは避けたい」と思っているなら、支払いを先延ばしにしないことが鉄則です。

【4】新たなクレジットカードやローンの契約ができなくなる

新たなクレジットカードやローンの契約ができなくなる

クレジットカードを強制解約されるなどの事態になると、その事実が個人信用情報として記録されます。実質的にほぼすべてのクレジット・ローン会社において、審査をおこなう際にはそれらの個人信用情報を参考にしています。そのため、カードを強制解約されたなどの情報が記録されれば「信頼度の低い顧客」と判断されることになります。クレジットカードを新しく作ったり、ローンを新規で契約したりすることは難しくなるでしょう。

クレジットカード会社からの請求(督促)を拒否し続けるとどうなる?

ここまで紹介したほどの事態になるまで支払いをせずにそのままにするケースは少ないかと思いますが、念のためその先の話までご説明しておきます。
ここでは、クレジットカード会社から届く督促をさらに放置し、支払いを拒否し続けた場合にどんなことが起こる可能性があるのかをご紹介します。

訴訟を起こされる可能性がある

支払いを拒否し続けると、クレジットカード会社が利用者を相手取って民事訴訟を起こすことがあります。たいていは「裁判をする予定なので○月×日までに支払いをしてください」という旨の通告が、あらかじめ法律事務所などから郵送で通知されます。それまでに支払いを済ませれば、訴訟には至りません。
しかし、それでも支払わずにいれば訴訟を起こされますし、請求に応じない利用者側は確実に敗訴することになります。

財産を差し押さえられる可能性がある

裁判を起こされても一括払いができない場合は、異議申し立てまたはクレジット会社に直接話をして、分割払いで対応してもらうなど交渉する必要があります。

ただし、裁判から届いた支払い督促状も無視をしてしまうと、敗訴を認めたことになり裁判所から差し押さえが強制執行される場合があります

差し押さえは、預貯金や生命保険、給料などの財産が対象です。ただし、最低限の生活は保障されているため、生活する上で必要な家具などを差し押さえることはありません。給料に関してもすべて差し押さえられるわけではなく、手取りの4分の1までと決められています(44万円を超える場合は、33万円を除く金額)。とはいえ、差し押さえられてしまうと会社に滞納がバレてしまい生活に響いてしまいます。督促状は無視せずに、できる限りの対応をするようにしましょう。

クレジットカードの請求額が払えない場合の対処法

ここでは、クレジットカードの請求額が払えなくなった場合、どう対処することが望ましいのかについてご紹介します。
何よりもっとも避けたいのは「誰にも相談せずそのままにしておく」ことです。困っているのに周囲に対する羞恥心などから悩みを1人で抱え込み、事態を悪化させることは自身にも周囲にとってもよくないことです。

「このまま放っておいて、なかったことにならないかな」と現実逃避したくなる気持ちも分かりますが、周りを巻き込んで大騒ぎになる前に、きちんと順序立てて対処をしましょう。

まずはクレジットカード会社に相談

まずはクレジットカード会社に相談

最初にすべきことは、クレジットカード会社への相談です。これまでしっかり支払いを済ませてきているなら、ある程度の信頼関係はできているものです。「今回は支払いが大変なので、どうにかできないか」と伝えてみましょう。期間がかかってもきちんと払ってもらえた方がクレジットカード会社側もメリットとなるため、残高の分割払いに対応してくれる可能性もあります。また、利用明細が届いてから引き落とし日が来るまでの期間内であれば、例外的に支払い方法の変更に応じてもらえる場合もあるでしょう。

お金のトラブルを相談できる専門機関や専門家に相談する

お金のトラブルを相談できる専門機関や専門家に相談する

支払いできるめどがどうしても立たない場合には、お金に関するトラブル相談を受け付けている専門家・専門機関へ話してみましょう。

専門機関である日本クレジットカウンセリング協会は、相談から任意整理までを無料で行ってくれる専門の相談機関です。その他に、国民生活センターでも返済に関する相談を承っています。
また、弁護士などの専門家に相談して、任意整理や自己破産申請をする方法もあります。ただし、弁護士へ相談する場合は、相談料が発生するため注意が必要です。

親兄弟などの家族からお金を借りて支払う

親兄弟などの家族からお金を借りて支払う

少し安易かもしれませんが、親族の方と良好な関係が続いているなら一度だけお金を借りてなんとかする方法も選択肢の1つとしておきましょう。ただし、当然ですがそれを繰り返せば親族間とはいえ、信頼関係は破綻へ向かってしまうかもしれません。「一度しか頼まない」ことを前提に、二度とこのような失態は招かないと心に決める材料にするしかないでしょう。

ご自身の心もかなり痛む選択となりますが、今後同じ失敗を繰り返さないための持続的な緊張感は得られるのではないでしょうか。

支払いができなくても絶対にしてはいけないこと

クレジットカードの支払いが遅れると「早くなんとかしよう」と、安直な手段に頼りがちになる方も多いものです。しかし、適切ではない対処法もあるため注意しましょう。

例えば、いわゆるヤミ金業者からお金を借りることは、絶対にしてはいけません。どんな人にでも簡単にお金を貸してくれる金融業者は、金融庁への登録をおこなっていないヤミ金業者である可能性があります。ヤミ金業者を利用しても、法外な金利を取られる、違法な取り立てを受けるなど、デメリットしかありません。ヤミ金に手を出すことは、絶対に避けましょう。

支払いの遅延がないよう十分に注意しよう

今回は、クレジットカードの請求額が支払えないときに何が起こるのか、支払いをさらに怠るとその先に何かあるのかについてご紹介しました。

今回ご紹介した対処法のほか、どうしても支払いをおこなえない場合には「自己破産」や「任意整理」で支払いを回避する方法もあります。

もちろん、これらの手段に出れば向こう数年間は社会的信用に制約が出ますから、新たなクレジットやローンの契約はおこなえません。しかし、日常生活には何ら支障はなく、普通の生活を続けることは十分に可能です。最終手段として、それらの選択肢を頭に入れておくことも一案です。

とはいえ、支払いは遅らせてよいものではありません。まずは「クレジットカードの支払い日には残高不足にしないこと」「支払える範囲内でクレジットカードを使うこと」を念頭に置き、賢くクレジットカードを使っていくようにしましょう。

新井 智美
新井 智美

トータルマネーコンサルタント/CFP(R)認定者/第一級ファイナンシャルプラン二ング技能士
(資産設計提案業務)/DC(確定拠出年金)プランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員

30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格、CFP資格を取得すると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
主に個人を相手にお金に関する相談、及び提案設計業務を提供するとともに、資産運用講師なども手掛ける。

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