保育園の費用はいくらかかるの?保育料の計算方法などをチェックしよう
保育園の保育料の計算方法は?保育園の費用について
今回は、保育園の費用感について、またその計算方法についてご紹介します。
保育園は子どもを育てるにあたって、最初にまとまった教育費が必要となる段階。子どもが生まれた段階で、どのくらいの保育園費用がかかるのか、ライフプランに組み込んでいる人も多いでしょう。また、複数ある保育園の種類によって違いはあるのでしょうか。同年代の子どもを預ける幼稚園とは、どれくらいの費用感に違いがあるのでしょうか。費用面から見た「保育園」を考えてみましょう。
保育園の保育料は保育園の種類によって違う!
保育園は、大きく認可保育園(正確には認可保育所)、認可外保育園(正確には認可外保育施設)の2つに分けられます。なお、東京都や横浜市といった一部の自治体に見られる、いわゆる「認証保育園」は、認可外保育園に含まれます。保育園の保育料は、こうした保育園の種類によっても差があります。なお、最も保育料を抑えられるのは認可保育園です。
認可保育園とは、国が認めた保育園です。自治体が運営する「公立保育園」と、民間が運営する「私立保育園」に分かれます。国に認可されていることもあり保育料は低く抑えられていますが、公立の認可保育園は私立に比べてさらに低い費用で通園することができます。
このような費用面から、認可保育園は全国的に、特に都市部において著しい高倍率となっています。認可保育園に通いたいという願望を持っているのに通うことのできない保育園児や両親は待機児童(隠れ待機児童)と定義され、現在大きな社会問題となっています。
国や自治体は認可保育園を増やす意向を示しているものの、担い手となる法人の少なさや、建設地における近隣住民の抵抗もあり、なかなか予定通りには進んでいません。また、待機児童問題を解決した自治体は翌年以降、「子どもを認可保育園に入れたい」という転住世帯が増え、それがさらなる待機児童問題を発生させているといわれています。
幼稚園や認定こども園について
保育園と同年代の子どもを預ける幼稚園についてもご紹介します。
一般的に、幼稚園は保育園に比べ格安の保育料で子どもを預けることができますが、延長保育がないなど幼稚園独自のルールもあります。そのため、両親が働いている場合は第1の選択肢が保育園になってしまうのは仕方がないようです。
また、最近は幼稚園と保育園両者の特徴を合わせた「認定こども園」も全国的に増えてきていています。建設場所についてはいつも議論の的となってしまいますが、公園や不成型地などが提供され始めているため、近隣に建築され、募集が開始される可能性もあることを忘れずに。
保育園の保育料の計算方法や平均額は?
では、保育園の保育料はどれくらい必要なのでしょうか。
その前に、現在進行形の話にふれなくてはなりません。安倍内閣は3歳~5歳児の認可保育園の費用を全額無料とし、認証保育園や認可外(無認可)保育園についても同等の保障をする方向を固めています。そのため、ここから説明する費用感は、あくまで執筆時の平成30年6月現在のもの。この政策が進むと、家庭の負担感は大きく変わるため、注視していくようにしましょう。
なお、これは政府公約のため、今後の実現に向けては流動的な部分もあります。また、実際に適用される時期に猶予期間がある可能性も残されています。両親にとっては、「無償化されるまでに子どもを保育園に預けるのは躊躇しよう」となるものではありません。そのため、現時点の費用感を前提にしつつ、無償化のニュースに注目していく立ち位置を意識しましょう。
認可保育園の保育料の計算方法
認可保育園の保育料については、居住地や世帯所得、子どもの年齢等によって差異が生じます。平成24年度に厚生労働省が発表した「地域児童福祉事業等調査」によると、平均値は20,491円。ただしその振れ幅は大きく、約1万円から約7万円まで広がっています。
認可保育園は、児童および両親の属性によって決まるという特徴があるため、一概に〇〇保育園だからいくら、といった計算方法にはなりません。計算根拠となる要件を見ていきましょう。
保育園のある場所(自治体)
認可保育園の保育料は、設置している自治体によって異なります。これは、国が定めた上限額に対して、各自治体が「補助金」を拠出しているからです。
待機児童の問題が著しい自治体は、補助金を上積みすることで、児童が負担する保育料が圧縮されるという特徴を有します。例えば満3歳未満だと、国の定めた負担上限は104,000円ですが、東京や大阪、名古屋などの都市部は60,000円台から70,000円台が平均値です。
児童両親の所得
認可保育園の保育料は、世帯の所得も保育料を定める基準になります。両親いずれも働いている場合は両方の所得の合計額。片方が働いている世帯や、シングルワーカーの世帯は1人分の金額になります。
この所得から住民税額が算出されます。各市町村に住民税ごとに階層区分された保育料の基準があり、その金額に基づいて金額が設定されます。納税において住民税は前年度の基準をもとに計算されますが、4月~8月は前年度分、9月~3月は当年度分が基準となります。
子どもの年齢
年齢が低い子どもは保育士の手間がかかり、また保育園にもさまざまな安全設備が必要となります。そのため、一般的に3歳未満の子どもは保育料が高く、3歳を超える子どもは保育料を抑えられる傾向があります。
子どもの数
同じ世帯から複数の子どもが保育園に通うと、保育料負担が軽減されます。自治体により金額は異なりますが、国の基準では2人目が半額、3人目以降は無料となっています。これは、少子化問題への、国の対策のひとつでもあります。
両親の就労時間
国が定める保育必要量(※1)を超えて保育園を利用する場合は延長保育扱いになり、延長保育料がかかります。
延長保育料は、月額固定徴収の場合と、利用する分だけ支払う時間徴収の場合があります。延長保育料の金額や徴収方法は、自治体によって、または保育園が公立か私立かによって異なるという性質上、計算方法や金額を示すことが困難です。延長保育料がいくらくらいかかるのかについては、保育園に直接尋ねたほうが確実かもしれません。
一律に認可保育園といっても、認定こども園や小規模保育、保育ママと細分化され、保育料もこの形態によって異なっています。認定こども園は国により近年、開設が推奨されている保育施設です。従来の保育園に加え、幼稚園の機能も実装しています。保育料に関しては認可施設として、国ごとに定められていますが、今後の政策などによって変化する可能性もあります。
(※1)保育園による保育が必要とされる時間。「保育標準時間」と「保育短時間」の2区分があり、保育標準時間の保育必要量は11時間、保育短時間の保育必要量は8時間とされています。なお、この2区分は両親の就労時間や就労形態といった就労状況に合わせて認定されます。
認証保育園の保育料の平均額
認証保育園(正確には認証保育所)は、国に認可されていない「認可外保育園(認可外保育施設)」に含まれる保育施設のなかで、東京都や横浜市、浜松市などの自治体にて「独自に」認証しているものです。
認証保育園の保育料の相場は月額25,000円から60,000円で、費用負担感としては認可保育園と認可外保育園の中間というところでしょうか。
東京に住んでいる養育家庭は、認可保育園や認証保育園を第1希望とし、どちらも落選してしまった場合に認可外保育園を選択するという家庭が多いようです。
認可外保育園の保育料の平均額
認可外保育園においても、認可保育園と同じく自治体による違いや子どもの年齢、施設の利用時間、子どもの数などによって費用は大きく異なります。平均的には、月額70,000円から150,000円というところでしょうか。
認可外保育園の場合は保育園ごとにサービスも大きく変わるため、価格ありきではなく、総合的に判断するようにしましょう。ただ、全体的に認可外保育園は両親の就労環境に対応しており、特に夜間保育や休日保育への対応を整備している認可外保育園が比較的多いという特徴があります。両親の就労環境によっては、認可外保育園のほうが便利なのであえて認可外保育園を選んでいる人もいるようです。
その一方で、認可外保育園の保育料は認可保育園の保育料と比べて高額となる場合も多く、家庭にとって大きな負担となることがあります。認可保育園に落ちてしまった家庭が取り急ぎの措置として認可外保育園に通い、保育料削減のために1年後などのタイミングで認可保育園に入り直すといったケースが、特に都市部において際立っており、早急な対策が求められています。
保育料以外の諸費用にはどんなものがあるの?
保育料の特徴は、いわゆる保育園に納付する以外の諸費用が多くかかるという点です。どのような費用が必要なのでしょうか。
- 入園準備費(登園バッグなど、入園準備にかかる費用)
- 給食費(子どもの昼食代。低年齢のあいだは無料のケースも)
- 父母会費(行事のお土産代・お楽しみ会の費用など)
- アルバムや昼寝用の枕など(実費が必要となります)
- 延長保育料(保育必要量を超過した場合に、保育料とは別で支払う料金)
また、毎日の送り迎えに車を利用している場合は、車のガソリン代などもかかります。自宅近隣の保育園であれば負担はさほど大きくありませんが、自宅や両親の職場から距離のある保育園の場合は、送り迎えのガソリン代もまた大きな負担になります。
保育園の費用を節約するコツ
ここからは、保育園の費用を節約するためのコツをご紹介します。
世の中のお父さんお母さんが実践してきたさまざまな方法で、保育園の費用を削り、家計を維持させましょう。
保活をしっかり行う
子どもと保育園に入学するスケジュールを意識して進めることを「保活」といいます。
最初にできる保活は、子どもを育てる場所(地域)を決めることです。認可保育園は国が許諾するものとはいえ、自治体によってキャパシティーの状況は異なります。一方で、入園を希望する子どもの数は例年変わります。
いわゆる「待機児童」をいったん解決した自治体がある場合、そのニュースを聞いた家族がその自治体に転居してくることで、翌年度以降再び待機児童の倍率が上がる、という状況も報告されています。
その一方で、住まいはそう簡単に動かすことはできません。賃貸物件であればまだしも、保活が喫緊に迫っている状況で物件を購入することは、できるだけ避けるようにしましょう。
ただ、仕事環境や介護などの影響があり、保活のみで住居を決められない場合もあると思います。そのような場合は、あらかじめ待機児童の倍率を確認した上で物件(市町村など自治体)を選択するようにしましょう。
何にせよ、大切なのは保育園や自治体の保育関連の情報をしっかりと収集し、費用のシミュレーションをすることです。保育園によっても入園準備品の内容に差があることが考えられるため、費用節約のためにはそのような点も忘れずに。
入園準備品や洋服はお下がりやフリマをフル活用
保育料以外の備品は、費用を上手にやり繰りする大切なポイントです。兄弟姉妹がいる場合はお下がりを活用することをおすすめします。兄弟姉妹がいない場合も、近所の子育て中の両親コミュニティーなどですてきなもらい物ができるかもしれません。
また、フリマアプリやインターネットオークションを利用して入園準備品を用意するという方法もあります。
市町村によってはリアルのフリーマーケットも隆盛ですが、フリマで集めているところを近所のママ仲間に見られるのもちょっと……という方も多いでしょう。フリマアプリやインターネットオークションであれば匿名性が高いため、子どもの必需品を気軽に、そして格安で集めることができます。これから子育てを控える両親予備軍の方々には、とてもおすすめの方法です。
認可保育園の保育料を安くするには節税が大事!
認可保育園において、保育料は前述の通り「所得」によって決まります。可能な限り1円でも保育料を抑えたいという保護者の方は、確定申告によって所得額を下げる工夫をしましょう。経費の申告を上手に活用することによって、節税を進めることができます。
保育料に関する相談はどこにすれば良い?
保育料に関する相談は、自治体などの行政機関に相談できます。少子化はどの街にとっても大きな課題です。行政も当事者となる両親の負担を軽減するために、さまざまな活動や対策をしています。
例えば市役所の総合窓口に問い合わせたいという旨を伝えると、専門部署の窓口を紹介してもらえるはずです。 行政のほかにも、NPO法人や民間会社などもさまざまなサービスを提供しているため、保育料について困ったことがあれば、相談するようにしましょう。
保育園の費用・保育料の知識をつけて負担減を目指そう
今回は、保育園の費用についてご紹介しました。
子どもを保育園に預ける時期は、母親が仕事についていなかったり、時短勤務中であったりと収入が安定していない場合があり、保育料の負担感はとても大きなものです。しかし、元気いっぱいの子どもたちが、保育園で友人を作って成長していく。その姿を見るための費用負担はとても大変ですが、まさに「子育て」を実感できる、貴重な時間となってくれます。
わが子の今後の養育費・教育費確保のためにも、保育料に関する節税知識をつけたり、保育料以外の諸費用を節約したりすることによって、少しでも保育料の負担を減らせるよう工夫していきましょう。

AFP(R)認定者/…株式会社FP-MYS代表
FP-MYS代表。相続×FintechプラットフォームLettePla開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2005年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。
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