マイカーローンの審査基準や審査期間は?審査が通らないときの対処法
マイカーローンの種類と審査について
マイカー(愛車)は数年で買い替える方も多いでしょう。ただし、現金で購入するためには、毎月の給料やボーナスで支払いが可能な方は少ないかもしれません。そこで多くの利用者に親しまれているのがマイカーローンです。
今回は、運転免許を取得する前、もしくは取得した多くの方が一生に一度は検討するマイカーローンについて、「その審査は難しいのか?容易なのか?」の他、「審査期間について長い時間がかかるのか?短くて済むのか?」など気になるところを探ります。最後に審査が通らないときの対処方法などをご紹介します。
マイカーローンの種類
まずはマイカーローンの種類について見てみましょう。
マイカーローンには、大きく分けて下記の2種類があります。
- 銀行のマイカーローン
金利が低いので人気が高いものの、その分審査基準も厳しいことが特徴です。
- ディーラーが提携している信販会社やクレジット会社のローン
マイカーローンの市場で銀行とシェアを争うライバルが、信販会社やクレジット会社のローンです。金利は銀行と比較して高いものの、その反面、審査基準が緩いところに注目です。
なお、最近では損害保険会社系のマイカーローンも多くなってきています。自動車保険が主力業務である損保会社の強みなのか、銀行とあまり変わらない程の低金利を実現しています。
マイカーローンの申し込みに必要な書類
マイカーローンの申し込みの流れや審査基準、審査期間を確認する前に、マイカーローン申し込みに必要な書類を確認しましょう。
1.本人を確認するための書類
ネット申し込み時には、運転免許証・パスポートのみでも申し込み可能な場合があります。この他、健康保険証やマイナンバーカードなどでも申し込みが可能な場合がありますので、確認しておきましょう。
プラス・マイナスは別にして、ローン会社からは、免許証の場合は免許証紛失の頻度が、パスポートの場合は海外旅行の頻度が、そして健康保険証の場合は雇用形態などが見えています。しかし、これらの書類はあくまでも本人確認が主目的です。
2.資金使途を確認するための書類
仮審査の時点であれば、パンフレットやカタログでも良い場合があります。そのほか、請求書や契約書、見積書、注文書などがあります。
マイカーローンの本契約までには、原本の提出が必要です。これにより、申告時記載の金額との整合性を確認します。
3.収入を確認するための書類
個人の場合、源泉徴収票もしくは市町村が発行する所得証明書(=住民税課税決定通知書など)を提出します。個人事業主の場合は、確定申告書もしくは納税証明書を提出します。ローン会社は、これらの書類によってマイカーローン利用者の所得金額を確認します。
マイカーローンの申し込みと審査・融資までの流れ
必要書類を確認したら、次にマイカーローンの申し込みと審査・融資までの流れを見てみましょう。
1.仮審査を申し込む
提出書類が不要な場合でも、正確な申告が必要です。
2.仮審査の結果を受ける
仮審査の結果通知は最短当日であることが一般的です。仮審査をクリアできた方は、審査結果の有効期限(3カ月間など)を確認の上、本審査の準備をしましょう。
3.本審査の案内を受けて手続きをする
必要書類を提出します。100万円以内なら所得証明の提出不要の場合もありますが、仮審査での所得申告額と所得証明書記載の金額に明らかに相違があるケースはNGです。相違があった場合は、ローンの申し込みを受け付けてもらえません。当初の申し込み時に年収欄をついつい多めに記入してしまった、といったことがないよう気をつけましょう。
4.ローン契約を締結する
必要書類を提出します。銀行などへは見積書の原本等の追加書類の提出が必要です。原本記載の金額と借入申込金額との整合性がチェックされます。つまり、偽りの申告はここでバレてしまいます。
5.ローンの融資を受ける
融資金額が自分の指定口座に振り込まれるカードローンとは異なり、マイカーローンの場合は通常、金融機関等からディーラーへ直接振り込まれます。
6.購入後に必要に応じて支払済確認書類などを提出する
納付済みの振込受取書もしくは領収書などを提出するケースがあるため、必要であれば提出しましょう。
マイカーローンの審査基準
マイカーローンは「資金使途が明確な目的ローンの1つ」ですので、資金の使い道が定まっていないフリーローンやカードローンなどと比べますと、より金利が低めと言えます。また、その反面、審査基準は厳しくなり、審査期間も長くなります。
申し込みに必要な5つの項目ごとに、審査基準を見てみましょう。
1.年齢
最低年齢は20歳で、最高年齢(上限)は70歳や80歳など、年齢の審査基準はローン会社によって異なります。つまり、高齢の方は借入期間や契約年齢に注意が必要です。また、誕生日までの最高年齢が契約年齢や完済年齢の上限である場合もあるため、年齢制限の表示方法を正しく確認しましょう。
2.年収
マイカーローンの場合、一般的な目安としては200万円以上(個人事業主の場合は所得金額)で安定した収入のある方です。つまり、新入社員の方は借り入れが難しいことが分かります。
ただし、後ほどご紹介しますが給与明細やボーナス明細があれば銀行系の申し込みも可能です。
また、高齢者の方で収入が年金のみの場合はマイカーローンの利用は不可です。しかしカードローンの場合は70歳までの申し込みで76歳までの融資が可能なケースもあります。ただし、公的な年金担保貸付(銀行で申し込み)では250万円までの融資が可能ですが、完済までの年金支給額が全額返済金として差し引かれますので、おすすめはできません。
3.勤続年数
マイカーローンの借入申込金額を含め、無担保総借入額が前年度税込年収の50%以内となります。つまり、所得証明が発行可能な1年以上の勤務期間が必要です。
4.職業・雇用形態
業種によっては、年齢に関係なく一時的な収入が多い業種もあります。この場合は「安定的な収入」の尺度が変わってきます。そのため、業種も審査基準の1つとして考えられます。
5.信用情報
これまでの金融関連の履歴の中で、返済の延滞などがあれば審査上不利となります。
この金融関連の履歴は、ローン商品を扱う会社が加盟する信用情報機関(延滞や滞納情報・債務過多などの情報を管理する機関です)に登録・保管されています。加盟している信用情報機関以外にも、全国銀行信用情報センター(KSC)、シー・アイ・シー(CIC)や日本信用情報機構(JICC)などは一部の情報を共有しています。
ローン等の金融関連の申し込み情報は、これらの情報機関に登録された場合には半年間は保有されます。ローンを完済した場合でも完済日より起算して5年間の記録は消滅しません。
ローンの審査においては、信用情報が一番の難関なのかもしれません。
マイカーローンの審査期間
銀行のマイカーローンの場合、仮審査は早いケースもありますが、融資実行までの本審査の期間は早くて2、3日、長くて1カ月など、比較的長くなることが一般的です。銀行のマイカーローンは金利が低い代わりに、提出が必要な書類が多かったり審査が厳しかったりするため、本審査に時間がかかってしまうのです。
一方、信販会社やクレジット会社のマイカーローンの場合は、銀行のマイカーローンよりも提出しなければならない書類が少なく、かつ審査期間は早くて即日、長くても1週間程度と短いことが多いようです。ただし、信販会社やクレジット会社のマイカーローンは銀行のマイカーローンより金利は高めなので、注意しましょう。
後から銀行のマイカーローンに借り換えるという方法も
どうしても早く車を購入したい場合、比較的審査期間の短い信販会社などのマイカーローンを利用することもあるでしょう。その場合審査は早く済みますが、金利が高めというところがネックです。「やっぱり金利が高いのは困るな」と感じた場合は、後から銀行のマイカーローンに借り換えて金利を抑えるという方法も検討してみてはいかがでしょうか。
銀行のマイカーローンは信販会社やクレジット会社のマイカーローンに比べて審査が厳しく、審査期間も長くなる、もしくは審査に落ちてしまう可能性もありますが、審査が降りて借り換えができれば返済額を抑えることができます。
マイカーローンの審査に通らないときはどうすれば良い?
「審査申し込み後に申込者自体の信用が悪化した」「申し込み時の内容が変更になった」「申告の記載事項が事実と反するものとローン会社が判断した」という場合は、マイカーローンの審査に通りません。しかし、1つの申し込みで審査が通らない場合でも、諦めずに他のマイカーローンや他の方法を検討しましょう。
もちろん、再度他のマイカーローンに申し込む際には、先程ご紹介したような申し込み後の信用情報や内容、記載事項の変更がないように注意して申し込みをしてください。
また、連帯保証人を立てられるケースでは融資が可能となることもあります。この他にもいくつかの方法がありますのでご紹介しましょう。
ローン会社を変える
銀行や損保会社系のマイカーローンは金利が低いものの、審査が厳しい場合は通らないこともあります。そのような場合でもし期間に余裕があれば、ディーラーが提携する信販会社等のマイカーローンに切り替えてはいかがでしょうか。
銀行等のマイカーローンよりも金利は高めですが、信販会社などのマイカーローンは他の個人向け無担保ローンなどよりは金利が低いケースもあり、検討する価値はあると言えます。
もちろん、住宅ローンと同様に、メインバンクで審査が通らなかった場合でも、他の銀行(例:ネット銀行や本店が他の府県にある銀行など)では審査が通るといったケースも考えられます。
フリーローンやカードローンを利用する
フリーローンやカードローンは、資金の使い道が「自由」なローンです。固定金利型のみで提供する銀行のフリーローンや、Webサイトですべて完結し口座も来店も不要としている銀行のカードローン、消費者金融系のフリーローンやカードローンもあります。自分に合ったローンを見つけましょう。
フリーローンはマイカーローンよりも金利が少々高めですが、カードローンよりも低金利の場合があります。また、所定の条件を満たせば1%も金利を引き下げられる商品もあるため、利用を検討したい場合は早めに検討した上で、キャンペーンや審査書類の提出物なども事前に確認しましょう。
参考までに、不動産などを担保とする有担保型フリーローンについてもご紹介します。有担保型のフリーローンは、無担保型のフリーローンより金利が半額程度の見込みとなります。
有担保型であっても年齢条件(例:契約時の年齢が満20歳~70歳までの限定で、契約期間は81歳まで)がありますが、入社したての新入社員(勤続1年未満)など、通常のマイカーローンでは借り入れが難しい方でも、給料明細や賞与の明細があれば借り入れできるケースもあるなど、審査の基準や条件は様々です。条件については事前によく確認しておきましょう。
なお、マイカーローンよりも比較的審査が通りやすいフリーローンやカードローンであっても、資金使途の申告次第ではまれに審査に通らないケースもあります。申し込みの際には「マイカーの購入資金に使用する」と正直に記入することが無難です。ローンの審査は思いのほかシビアなのです。
返済計画を立ててマイカーローンを賢く利用しよう
今回は、マイカーローンやその審査基準・審査期間・そして審査が通らないときの対処方法についてご紹介しました。今回はマイカーの購入に焦点を当ててご紹介しましたが、取り扱っている銀行やローン会社によっては、マイカーの購入だけではなく、マイカーの点検や修理の費用にも使用することができます。
今やご家庭に1台以上の車の所有は当たり前の時代ですが、家計におけるマイカーの維持費はばかになりません。定期的な車検費用に自賠責などの強制保険、自動車税に毎年書き換える任意保険、さらにはタイヤなどの消耗品にオイル交換等……マイカーに関わる費用の負担は家計を脅かすこともあるものです。また、車自体の買い替えの周期も5年~10年で訪れます。しっかりと返済計画を立て、マイカーローンを賢く利用しましょう
ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)
ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。
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