金銭トラブルの相談先は警察?弁護士?お金のトラブル相談窓口8つ

金銭トラブルの相談先は警察?弁護士?お金のトラブル相談窓口8つ

金銭トラブル

お金のトラブルの相談窓口はどこ?金銭トラブルの相談先を知ろう

日常生活を送る上で、お金のやり取りは避けて通れません。そしてお金のやり取りにはトラブルの可能性が付いて回ります。いざ、お金のことでトラブルになったとき、一体誰に相談すればいいのでしょうか。

信頼できる身内や友人に打ち明けたとしても、必ずしも有益な情報が得られるとは限りません。弁護士に相談したくても費用が心配なケースもあるでしょう。

そんなときに相談できる窓口があります。それぞれの相談窓口によって運営主体も違えば解決できる事案も違いますが、相談窓口を知っておけばいざというときに役立つでしょう。

今回は、お金のトラブル相談窓口についてご紹介します。

国民生活センター

国民生活センター

独立行政法人国民生活センターは、消費者からの金銭トラブル、契約トラブルなど、民事上のトラブルや消費者契約法にかかわるトラブルの相談窓口として活動しています。各都道府県には、国民生活センターの出先機関である消費生活センターがあり、窓口相談、電話による相談を受け付けています。

センターによってはインターネットによるメール相談ができるところもあります。また、土日祝専用の休日ダイヤルも用意されています。相談員の研修制度や資格試験もあり、相談員の質の向上に力を入れているところも特徴です。

〈相談事例〉

国民生活センターに持ち込まれた相談の統計では、デジタルコンテンツ、アダルト情報サイト、インターネット接続回線、商品全般、賃貸アパート・マンション、健康食品、フリーローン・サラ金、移動通信サービス、四輪自動車といった相談が上位を占めています。消費生活センターごとに相談件数の多いものに注力する傾向があり、多重債務者専用ダイヤルを設けているセンターもあります。

消費者対事業者の構図でのトラブル相談がメインですので、個人間のトラブルは別の相談窓口の方がいいかもしれません。

日本弁護士連合会

日本弁護士連合会

日本弁護士連合会は、全国の弁護士会から構成されており、日本で活動するすべての弁護士、弁護士法人が所属しています。国民生活に関する様々なトラブル相談の窓口を設けており、相談方法も訪問相談、出張相談、電話相談等が可能です。

相談時間は電話やインターネットであらかじめ予約が可能ですので、電話がつながるまで長い時間待たされるということはあまりありません。相談方法や相談内容によってもバラつきはありますが、初回20~30分は無料で相談できるケースも多く、引き続き相談する場合は有料相談になります。また、弁護士の紹介を受けることもできます。

〈相談事例〉

相談事例はかなり幅広く、借金・倒産・破産等の債務整理の問題や、離婚・相続などの親族問題、労働問題、不動産、近隣トラブル、消費者被害、生活保護、知的財産に関するもの、さらには犯罪被害や交通事故、刑事事件、ストーカー被害、DV等に関する相談も寄せられています。

借金、債務整理の問題については、サラ金、クレジットカード等の取り立てに関する相談、多重債務に関する相談が多いようです。心理的な不安を取り除くため、弁護士はまず取り立てを止めさせた上で、再建計画を作成して債権者と交渉することになります。

無料で相談できる時間は限られていますので、漠然とした相談には不向きかもしれません。他の相談窓口で問題を具体化させ、弁護士の介入が必要だと感じたら弁護士会の相談窓口を利用するといいでしょう。問題解決のためには最も有力な相談先であるといえます。

日本司法書士会連合会

日本司法書士会連合会

日本司法書士連合会は、全国に50ある司法書士会を会員とする全国組織です。司法書士として活動するためには司法書士会への登録が必須ですので、すべての司法書士で構成されているということになります。

司法書士の主たる業務は不動産登記、商業登記に関することですが、各種法律相談を通じて、国民生活における様々なトラブルの相談も受け付けています。相談は有料を原則としていますが、司法書士会ごとに無料相談会などのイベントを開催していることもありますので、相談前に問い合わせてみるのもいいでしょう。

〈相談事例〉

司法書士の得意分野である土地建物の不動産登記に関すること、権利証に関すること、成年後見人制度に関すること以外にも、相続や遺言、借金、日常のトラブルに関することなど、幅広い内容に対応しています。

借金に関することでは、多重債務の相談をはじめ、任意整理、個人再生、自己破産等の各種債務整理、過払い金の請求、さらには夫婦共有名義の借金の整理や借金の相続といった、自分以外の借金に関する相談も可能です。

日本弁護士連合会の場合と同じく、有料相談に進む前に、問題をしっかりと具体化する必要があるでしょう。

法テラス

法テラス

法テラス(日本司法支援センター)は、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。弁護士や司法書士への相談の敷居を低くすることで、もっと身近に法律支援のサービスを受けられるようにして、紛争の早期解決を目指しています。

法テラスへの相談は窓口訪問、電話、メールですることが可能です。利用料は掛かりませんが、訪問相談は予約制となっています。多言語情報提供サービスに電話すると、日本語以外にも英語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、韓国語、中国語に対応してもらうこともできます。

相談内容によって弁護士や司法書士を紹介してもらうことになりますが、弁護士費用や司法書士費用は法テラスがいったん立て替え、利用者は分割で法テラスに返済することになります。

〈相談事例〉

法テラスへの相談内容も幅広く、借金、消費者被害、相続・遺言、夫婦・男女トラブル、労働、住環境、保険・年金・社会保障、事故・損害賠償、法的手続き、裁判員制度と多種多様な相談に対応しています。

多重債務や債務整理はもちろん、消費者金融とのトラブル、クレジットカードに関するトラブル、ヤミ金被害など、お金にまつわる相談も可能です。

カードローンの返済が苦しくなってきた、借金を一本化したい、家族がカードローンを滞納して困っているなど、相談先が分からない、弁護士や司法書士に直接相談するのは気が引ける、というときに気軽に利用できます。

日本クレジットカウンセリング協会

日本クレジットカウンセリング協会

公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)は、カードローンやクレジットカードの利用に関するトラブルに特化した相談窓口です。利用は無料で、電話相談からカウンセリングを経て、問題解決に向けた助言や提案、任意整理までサポートしてくれます。協会による任意整理が可能な場合は無料で任意整理ができますので、ご自身があてはまるかどうか、一度相談してみる価値はあるでしょう。

〈相談事例〉

協会のホームページでは、具体的な年代別相談事例が紹介されています。「低収入で借金がかさみ自転車操業に」「病気と闘いながら返済」「無料の任意整理で生活を立て直し」など、相談の詳細な内容が確認できますので、ご自身の状況にあてはまるものがないか探してみると良いでしょう。

なお、カウンセリングの利用条件として、債務が消費者信用の利用により生じたものであること、債務が消費生活の必要から生じたものであること、債務の弁済意思があること、債務の減額、弁済条件の緩和などで弁済できる可能性があること、本人がカウンセリングセンターや相談室に来庁可能なことが挙げられます。

日本貸金業協会

日本貸金業協会

日本貸金業協会は各都道府県の貸金業協会を会員とする組織で、貸金業界の自主規制機能を担っています。貸金業者とのトラブルに関する相談対応や苦情処理、紛争解決といった機能も有しています。

相談は無料で、訪問でも電話、ファックス、郵便でも可能です。他の相談窓口との違いは、貸金業者が登録業者なのかどうかといった確認が可能な点、貸金業者の対応や契約内容、営業活動に関する苦情などを受け付けてくれる点でしょう。ヤミ金業者への対策を教えてほしいというというような場合も、適切な助言が期待できます。

〈相談事例〉

貸金業者との個別のトラブルはもちろん、消費者金融にかかわる一般的なお悩みにも対応してくれます。貸金業者が違法行為を働いている場合の通報窓口でもあります。

多重債務で返済に困っている、借金の整理の仕方が分からないといった債務相談では、生活再建のための助言や提案が得られ、必要に応じて他の相談機関の紹介も受けられます。ギャンブルや買い物の依存症から抜けられないといった精神的な問題に関しては、カウンセリングを受けることも可能です。家計管理の仕方が分からない場合にも、生活設計のための助言が受けられるでしょう。

金融庁

金融庁

金融庁は、日本の金融機能を安定させるための組織で、内閣府の外局として設置されています。金融行政や金融サービスへの一般的な質問、相談、意見を「金融サービス利用者相談室」で受け付けています。一般的な相談以外にも、金融機関の貸し渋りや貸しはがしに関する情報提供、預金口座の不正利用に関する情報提供などの窓口にもなっています。

相談は電話、ファックス、メール、郵送ででき、利用料は掛かりません。公益通報者保護法に基づく通報専用の「公益通報窓口」も設置されていますので、該当する場合は専用ダイヤルに電話すると良いでしょう。

〈相談事例〉

預金・融資に関する相談、保険商品・保険契約に関する相談、投資商品等に関する相談、貸金等に関する相談、仮想通貨等に関する相談など、広く金融商品に関する相談に対応しています。また、金融商品取扱業者の違法行為などの通報窓口でもあります。

相談内容の論点整理と相談窓口の紹介がメインですので、金融庁への相談で具体的な問題解決までたどり着くことは難しいかもしれません。どこに相談すべきかが分からない場合などに、相談窓口を紹介してもらう目的で利用するのが良いでしょう。

警察

警察は民事不介入が原則ですので、個人間のお金の貸し借りや、借金問題、債務整理などは受け付けてくれません。一方、貸金業者の違法な取り立てやヤミ金トラブル、反社会的勢力がかかわるトラブルには積極的に介入してくれます。

また、詐欺、違法行為、悪質な訪問等、刑事上のトラブルに関しても、真っ先に相談する必要があるのは警察でしょう。金融庁のホームページでも、ヤミ金についての通報、連絡先として、警察が一番に挙げられています。

〈相談事例〉

詐欺、脅迫、恐喝、不退去、その他の違法行為に遭われた方はまず警察に連絡してください。個人間の金銭トラブルでも、違法性がある場合は警察が相談先となります。詐欺などの場合は証拠がないと動いてくれない場合もありますので、こういったときは法テラスや日本弁護士会などと併せて相談するとより効果的です。

ヤミ金被害や反社会的勢力の被害の場合は、特に早めの相談が必要です。国はヤミ金業者の摘発や反社会的勢力の根絶に力を入れているので、警察も積極的に動いてくれるでしょう。

お金のトラブルは一人で抱え込まないで

お金に関するトラブルは、人には相談しにくいものです。特に家族や友人には知られたくないでしょう。自分一人で解決できるようなことであれば問題ないのですが、個々人の知識には限界がありますし、精神的に追いつめられるとなかなか適切な判断ができません。思い切って専門的な知識を持った第三者である相談員に悩みを打ち明けましょう。

相談員と話をすることで問題点が明確になり、解決策も見いだせます。これだけでも大きな収穫ですが、自分が置かれている状況を相談することで、精神的にも楽になります。

トラブルは時間が経てば経つほど悪化するものですので、一人で抱え込まないで、まずは各相談窓口に相談してください。

金銭トラブルは相談窓口にすぐに相談を

今回は、お金のトラブル相談窓口についてご紹介しました。

具体的な問題によって相談すべき窓口は変わるため、どの相談窓口に相談すれば良いのか判断が難しい場合もあるでしょう。トラブルを抱えている場合は、本稿の内容をもとに、自分の悩みを解決してくれそうなところにまずは電話で相談してみましょう。もし相談先では対応できない内容だとしても、相談機関同士も連携していることがありますので、どこに相談すればいいかを丁寧に教えてくれます。

なお、はじめに電話を掛ける先は、費用の掛からないところを選んでください。そして具体的な問題が整理できてから、必要に応じて有料相談に進みましょう。

田中 裕晃
田中 裕晃

CFP®・1級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/ 住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士 他
日本FP協会主催「くらしとお金のFP相談室」で平成29年度相談員担当

大手賃貸仲介業者に就職し、新人賞獲得。店長職を経験後、売買仲介業者として独立。不動産業を営む傍ら、ファイナンシャルプランナーとしても活動中。

住宅の取得やそれに付随するライフプランニングの設計、資産の組み換え、不動産投資、相続対策などに関しての相談業務を行っている。

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