信販系カードローンとは?総量規制の対象なの?信販系の特徴を解説!

日本には、出資法・利息制限法・貸金業法・銀行法など消費者金融の取引に関連する規制法が存在します。中でも、貸金業法で借入可能な金額が年収の3分の1までに制限されているため、個人に対してこれを超える貸し付けはできません。また、ローンの利用限度額が50万円を超える場合には収入証明が必要です。
信販会社が提供しているカードローンにも、この総量規制と呼ばれる規制が適用されています。金利も会社によってまちまちで、銀行系カードローンや消費者金融系カードローンとは違う特徴を持っています。
そこで今回は、信販系カードローンとは何か、特徴や利用する際の注意点についてご紹介します。
信販系カードローンとは?

信販会社が発行するカードローンの中には、三井住友カード・全日本信販・三菱UFJニコス(旧日本信販)・オリエントコーポレーション・ジャックス・アプラス・セディナ(旧セントラルファイナンス)などがあります。
これら信販系カードローンも、銀行系カードローンとの競い合いが厳しくなっていると言えるでしょう。
銀行に引けを取らない商品や顧客層を持っている
信販系のクレジット会社が銀行業務にほとんど参入しないのは、銀行に引けを取らない商品や顧客層を持っている、もしくはその系列(グループ)の一員だからです。
他にもクレジット会社には、JALやANAなどの航空系、JRや私鉄などの交通系、IT系や多くの方が普段から利用するスーパーなど流通系の他、業態別メーカー系(ガソリンなど石油会社・家電・自動車など)があります。
そして、その系列にはそれぞれの強みを生かして銀行業務にも参入した会社も存在するのです。これらクレジット会社のほとんどは「ショッピングの決済・キャッシング・カードローン」を取り扱います。また、ショッピングが可能となり、便利な交通系のクレジット会社も個人向けカードローンに力を入れ始めているようです。
カードローン(残高)の分野で2014年には先駆者の消費者金融系を抜き去り、2017年には5.6兆円を超える銀行系カードローン。この両者の間で信販系を含むクレジット会社がしのぎを削るため、持ち味を生かしたより良いサービスの提供などプラスの要素が求められるわけです。
信販系カードローンは総量規制の対象

2010年6月18日改正貸金業法により設けられた総量規制は、借り過ぎによる生活破綻を背景に個人のローン利用者が借り過ぎないように施行されました。
もちろん、信販系以外のクレジット会社や消費者金融のカードローンと同様に信販系カードローンも改正貸金業法の適用を受けます。
つまり、信販系カードローンも総量規制の対象となります。そのため、収入がないという理由から専業主婦の方はご利用できません。総量規制の規制を受けないのは銀行系カードローンのみで、専業主婦の方でも利用できます。銀行の場合は銀行法の規制を受けることになります。
信販系カードローンの特徴

CMなどで有名な消費者金融のカードローンに比べると、信販系カードローンは金利が低めです。中には、銀行系カードローンにも引けをとらない低金利の信販系カードローンまであります。発行会社は貸金業法のほか、割賦販売法の適用を受けているのです。
信販系のクレジット会社は、キャッシングやカードローンの他にショッピングの決済機能にも優れています。「後からリボ」などはその代表例と言えます。
ただし、キャッシングとカードローンのみを取り扱う消費者金融系と比べて、審査から借り入れまでのスピードは残念ながら劣ります。なお、専業主婦の方は利用できませんが、系列のクレジットカードなどのキャッシング機能は利用可能です。ご家族と相談してうまく利用しましょう。
比較的に金利が低め
信販系カードローンは、低め貸金業法の規制(総量)を受ける消費者金融や信販系以外のクレジット会社が発行するカードローンよりも金利は低めです。
信販系も含めたクレジット会社、および消費者金融のことをノンバンクと呼びますが、これらノンバンクの中では金利が低めです。ただし、ここで大切なのは最低金利ではなくて、自分が借り入れできる範囲の金利が安いものを手に入れることです。また、人によっては少しの違いなら手堅いサービスの充実を選択するわけです。自分にとっての最適な商品を探しましょう。
総量規制が適用されない「銀行法の規制を受ける」低利の銀行のカードローンと比べても引けをとりません。ただし、その銀行よりも低利のものもありますが、最低利用限度額の場合などは消費者金融とあまり変わらないくらいの高い金利のものもあります。
こうした金利の幅にも注意して総合的にご自分に合った最高のカードローンを選択し、できるだけ金利の安いカードローンを余裕のあるときに作っておきましょう。
比較的に利用限度額が高い
信販系カードローンは、ノンバンクの中で比べて見ても利用限度額は比較的高めです。また、銀行が発行するカードローンと比較しても引けをとりません。最高利用額のカードローンを持つ必要もありません。
例えば、200万円(年利8%)の利用額を獲得できた場合に、30万円借りてもやはり年利8%です。1年間借りると利息が2万4,000円となります。利用額が50万円(年利18%)の方が、同じく30万円を1年間借りるとその利息は5万4,000円です。単純に2倍超程度となります。
つまり、50万円の枠を複数所有するよりも、100万~200万円の利用枠のほうが利息の面では抑えることができるでしょう。
利用限度額も大きくなると金利の高低を左右します。高めのカードローン金利が低くなるのにはわけがあるのです。やはり、それだけ貸し手側の獲得競争が激化してくるのでしょう。
また、金利も有利ですが、複数のクレジット会社にカードローンがあると審査に通りません。
総量規制の対象でもあるからです。借り過ぎもありますが、3社目以上は要注意です。
利用額が大きくなると利用者の利用条件もその分厳しくなります。それでもできれば1つ上に挑戦しましょう。高めの利用限度額で申し込みをしても審査で縮小される場合もありますが、その後の利用状況により増額となるケースも当然あります。
割賦販売のノウハウから何かと相談しやすい信販系

ネットでのやりとりが主なIT系やスーパーでの買い物をする流通系、メーカー系のクレジット会社と比べて相談しやすいのが信販系のクレジット会社です。
消費者金融系を含むノンバンクの中だけではなく、銀行系も含めて最も敷居が低いと言えるでしょう。何でも電話でお気軽に相談しましょう。
顧客にやさしく、入り口では借入時の「在籍確認をしないもの」や滞り気味の返済なども相談しやすい仕組みが根付いています。商品の中には、女性専用の育児相談などのサービスもあります。
まだまだカードローン市場は安定しているとは言えない状況です。これから先は、銀行系のグループに集約されるものもあると言えます。今後も割賦販売での顧客対応でノウハウを持つ信販系の新商品に注目していきたいところです。
長年のノウハウの蓄積からか、顧客のニーズの発掘に敏感なところが強みです。このような持ち味を生かしたプラスα商品の提供がカードローンの競争を喝破できるのではないでしょうか。
信販系カードローンの注意点
割賦販売を得意とする信販系は女性にも審査はやさしいのですが、前述のように貸金業法の総量規制の適用を受けるため、収入がない専業主婦の方は利用できません。ただし、在籍確認が不要のカードローンもありますので、うまく利用できれば問題ないでしょう。
以下では、信販系カードローンを利用する際の注意点についてご紹介します。
提携先のATM手数料には注意が必要

信販系カードローンは、圧倒的な店舗数を誇る銀行系やスーパーなどの流通系ほど、店舗数も多くありません。クレジット会社にもよりますが、提携金融機関のATMも限られています。また、ゆうちょATMとの利用提携はまだまだこれからです。心強いのはコンビニのATMが利用できるという点でしょう。
例えば、三大メガコンビニの1つであるファミリーマートを筆頭に設置している1万3,000台ほどの「イーネットATM」が使用できます。その他、ローソンやセブンイレブンのATMは銀行系が主流のように見えますが、提携していればこちらも利用できます。他のコンビニATMも利用できるか確認しましょう。
2018年1月15日(月)より「イーネットATM」はゆうちょ銀行のカードも、平日と土曜日の一部時間帯で無料での利用が可能となり、ある意味で利用の利便性が増しました。これはつまり、2018年度中にゆうちょ銀行ATMに1本化されるためです。この提携によりクレジットカード会社ごとの特別な事情がない限り、従来ゆうちょ銀行ATMで利用できなかったクレジットカード会社のカードが利用可能となります。
しかし、利用者が個々に保有している無料で使用できる銀行系カードは有料となる可能性もあります。家計の管理にうまく利用しましょう。
また、借入時の手数料ですが、1万円以内の場合は100円+消費税、2万円以上の場合は200円+消費税など、クレジット会社ごとに違うこともあるので事前に確認しましょう。また、任意での返済は基本的には無料です。
インターネット取引には強くない

信販系カードローンは、即効性のあるインターネット取引には強くないので。通常、銀行系カードローンと同じく短時間、即日融資などには向いていません。ただし、一部で即日可能なケースもあります。
総量規制の施行以来、相当な勢いで銀行系が個人のカードローン市場への力を注ぎ始めて、より信販系も拍車をかけていますが、まだまだこれからではないでしょうか。
消費者金融系と銀行系のはざまにある信販系の商品には注目をしたいところです。
また、生命保険などの商品と同じことですが、「こういった商品がないのかな」など、問い合わせ(利用者の目)が新たな利用者の立場にたった商品を生むことにもなります。
即日融資が必要な方に向いているのは、やはりインターネットに強い消費者金融系と言えます。なぜなら、消費者金融系はキャッシングとカードローンを専門「最短1時間で審査~融資までなどが可能など」に取り扱いをしているからです。
利用限度額を大きくすると審査に時間が掛かります

銀行に引けをとらないと言っても、利用限度額が大きく金利も低めとなると、審査に時間が掛かるというわけです。銀行ほど厳しくはないようですが「年収・年齢・勤続年数(在籍確認)・返済事故の有無・住宅状況(保有不動産)・預貯金の有無(金融資産状況)など」何かと慎重になります。月々の支払いは年収の25%までが目安です。
これは、あらかじめシミュレーションしておいて、利用限度額が過度にならないように検討して申し込みましょう。
ただし、小口でも複数のカードローンなどを借り入れて返済が多くなると、毎月の返済額が家計に大きく影響します。ですから余裕のある時期に時間を掛けて、ある程度低利の利用枠(額)を確保するのも、有効な手段と言えるでしょう。利用者側の私たちも時間を掛けると、低利である程度の利用枠(利用額)を手に入れることができます。
信販系は返済に困ったときに相談しやすい
今回は、信販系カードローンとは何か、特徴や利用する際の注意点についてご紹介しました。
銀行でもどこでも、小口のローンの主流はカードローンです。そして、ローンを借り入れた場合には返済しなければなりません。ただし、ご自分の支払い能力を超える借り入れの場合にはその返済が重くなり苦しむことになります。信販系はクレジットカードにしてもカードローンにしても、割賦販売を通して返済に困った場合のお客さまを多く経験しています。こうした困ったケースでの相談対応に優れているわけです。つまり、銀行などに比べて店舗数では見劣りしますが、銀行業務に参入しなくても商品として、信販系カードローンは見劣りすることはないと言えるでしょう。ぜひ、あなたに合った最高のカードローンを探して有効に利用しましょう。

ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)
ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。
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