クレジットカードの審査が通らない理由は?審査なし・審査が甘いカードはある?
クレジットカードに審査落ちする理由とは?審査が甘い・審査が無いカードはあるのか?
一般社団法人「クレジットカード協会」によると、2016年12月末のクレジットカード契約数は2億4,619万件にも上るということです。
このことから、1人で複数のクレジットカードを持っていることが当然だといえます。クレジットカードによってポイントの貯まり方も異なりますし、カードを持っていれば特別な割引が受けられることもあるなどサービス内容も異なるため、いろいろなカードに申し込む方も多いでしょう。
ただし、せっかくお目当てのクレジットカードに申し込んでも、審査に落ちてしまうこともあります。
今回は、クレジットカードの審査に通らない理由は何か、また、審査が甘いカードや、審査がないカードはあるのかといった内容について確認しましょう。
クレジットカードの審査が通らない理由
クレジットカードの審査に通らない理由はいろいろ考えられますが、大きくは、申込者本人の属性によるものと、過去の返済実績によるものに分けられるでしょう。
クレジットカード申込者本人の属性
クレジットカードの審査基準は発行元の会社によって異なりますし、基準を公表しているわけではありませんので一概にはいえませんが、一般的に考えられる理由としては下記のようなものが挙げられます。
年齢や職業
クレジットカードの申込資格を確認すると、ほとんどのカードで年齢の条件があることが分かります。また、年齢を満たしていても、本人や配偶者に安定した一定の収入があることが条件になっているカードでは、学生や専業主婦(主夫)が申し込むと審査に落ちてしまうことも珍しくありません。その場合は、学生専用のカードや、配偶者名義の家族カードに申し込む方が良いでしょう。
また、会社に勤めている場合でも、正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど勤務形態はさまざまです。正社員などの安定した勤務形態と比較すると、パートやアルバイトは安定性が低いため、審査で不利になり、通らないこともあると考えられます。
収入状況
クレジットカードを利用すると、後日、指定した金融機関の口座から利用した金額が引き落とされます。そのため、確実に支払うことができる安定した収入があるかどうかは、クレジットカードの審査に大きなウエイトを占めると考えられます。
年収は基本的に自己申告となりますが、虚偽の申告をしてはいけません。下記の勤務先や勤続年数と合わせて総合的に判断されることになりますが、ゴールドカードなどステータスのあるクレジットカードでは、年収の基準はそれだけ厳しい条件になります。
勤務先や勤続年数
勤務先は、安定した収入を得ることができる状況かどうかの判断につながる要素です。公務員であれば安定性に問題はありませんが、民間企業の場合は、企業規模や業務内容などで総合的に判断していると考えられます。場合によっては、クレジットカード会社から勤務先の方へ在籍確認が行われることもあります。
また、勤続年数も勤務先と同じくらい重要な要素です。新入社員の場合や転職して間もない場合などは、審査結果に影響がある場合もあります。個人事業主の場合、安定性という面では、公務員や会社員と比較すると不利になる場合もありますが、事業を開始してからある程度年数がたっていれば、安定した収入があると判断されるでしょう。
居住形態や居住年数
クレジットカードの申し込みの際、持ち家か借家か、また一戸建てなのかマンションなのかなどを記入する他、居住年数も問われます。なぜこのような住居に関することを申告するのかというと、安定した収入があるのか、また生活が安定しているのかを判断するためです。
持ち家であればある程度の収入があり、また、居住年数が長ければ生活が安定していると捉えられます。逆にいえば、アパートなどの借家で居住年数も短い場合、クレジットカードの審査では、まだ生活が安定していないと判断される可能性もあるでしょう。
過去の返済実績
クレジットカードの審査では、申込先のクレジットカード会社における過去の取引情報が調査される他、信用情報機関に照会して他社での取引情報も調査されます。そのため、過去に返済が滞っていた記録が信用情報に残っていると、審査に落ちてしまうことがあるのです。
信用情報機関には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(JBA)の3つがあります。
申込先のクレジットカード会社における過去の取引情報
申込先のクレジットカード会社で、すでに別のクレジットカードを持っている場合、過去の返済トラブルの有無や、家族の持っているクレジットカードの利用履歴など、さまざまな項目を調査されます。会社により基準は異なりますが、何らかの理由で会社の基準を満たさずに審査に落ちてしまうことがあります。
信用情報機関の信用情報
クレジットカードだけではなく、住宅ローンやカードローンなどを申し込んだり、利用したりすると、「信用情報機関」に契約や申し込みに関する情報が一定期間、記録されます。この情報は、必要に応じてクレジットカードやローンの審査の際に利用される情報です。
そのため、過去にローンやクレジットカードの延滞を何度も起こしたり、他のローンの借入残高が多かったりすると、新規のローンやクレジットカードの発行ができない場合があります。また、延滞を起こしていなくても、短い期間に多くのカード申し込みをしているような場合も、審査に落ちてしまうことがあります。
その他、最近盲点になっているのが携帯電話やスマートフォンを分割払いにしている場合です。忙しくて銀行口座の確認をせず、残高不足で引き落としができなくなっているのに気づかず何カ月か経過してしまえば、延滞履歴として記録されますので注意しましょう。
クレジットカードの審査を通りやすくするコツ
クレジットカードの審査の内容はさまざまですし、審査に落ちた理由は1つではない場合もあります。しかし、クレジットカードを申し込む時のポイントはあります。せっかく申し込んだクレジットカードの審査に落ちてしまうことがないよう、審査を通りやすくするコツをお伝えします。
初めて申し込むクレジットカードは慎重に
初めてクレジットカードを申し込む場合、信用情報機関には、まだ何も登録されていない状態のため、本人の属性によって判断される割合が大きくなります。勤続年数が短い新入社員や、収入がアルバイトだけという学生の場合は、いきなり一般向けのクレジットカードを申し込むと審査に通らないかもしれません。若い年代向けのカードや学生専用のカードを申し込むと、審査を通過できる可能性は高くなるため、おすすめです。
利用可能枠は少ないかもしれませんが、実際に利用してきちんと返済していればそれが利用実績となり、後に別のカードを申し込む際に有利に働くことになるでしょう。
クレジットカードの申込書は正確に記入する
申込書は正確に記入するようにしましょう。誤字脱字があったり、読み取れなかったりすると印象も悪くなりますし、勤務先への在籍確認がとれないなどの問題が発生し、記入ミスが原因で審査に落とされることもあります。
また、収入については、自分の収入が少ないからといって虚偽の申告は禁物です。配偶者などの同居家族の年収を申告すれば審査が通りやすくなる場合もあるため、同居家族の収入も正確に申告するようにしましょう。
複数のクレジットカードを短期間に申し込まない
複数のクレジットカードを一度に申し込むと、お金に困っているのではないかと判断され、審査に落とされる場合があります。また、入会特典でキャッシュバックやプレゼントがもらえるキャンペーンを行うクレジットカードもありますが、カードを利用する気がないのにキャンペーン特典だけを狙って複数のカード申し込みをすることはおすすめできません。
審査に落ちてしまっても6カ月間は申し込みをした履歴が残りますので、短期間に複数のカードを申し込まないようにしましょう。実際に利用する可能性があるカードに申し込みすることは、もちろん問題ありません。
利用していないクレジットカードは解約しておく
最近は、1人で複数のクレジットカードを持つことが当たり前ですが、あまりにもたくさんのカードを持っていると審査に不利になる場合もあります。
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、キャッシング枠はローンの利用枠です。キャッシングを利用するつもりがなくても、クレジットカードを持っているだけでローンを利用する可能性があると判断され、収入によってはそれ以上の利用枠を与えることが難しくなる場合があります。そのため、不要なクレジットカードを解約することでローン利用枠がなくなり、新たなクレジットカードを持つことが可能になります。
キャッシングを利用しない場合は、カードの申し込みの時に、最初からキャッシング枠をゼロにしておくと良いでしょう。
信用情報の記録がクリアになってからクレジットカードを申し込む
過去に自己破産していたり、何度も延滞を起こしていたりすると、新たなクレジットカードの申し込みをしても審査で落とされてしまいます。そのような場合は、自分の信用情報がクリアになるのを待ってから申し込むしかありません。
自己破産情報の登録期間は、利用していたクレジットカード会社がどの信用情報機関を利用していたかによって異なりますが、信用情報の回復には5年から10年かかります。自分の信用情報は、各信用情報機関に申し込めば確認することができます。また、事実と異なる情報が登録されていれば、訂正・削除を求めることも可能です。
審査基準が甘いクレジットカードは?
パートやアルバイトなど不安定な勤務形態の場合や、まだ学生の場合、働き始めて間もない新入社員の場合など、クレジットカードの審査に通るかどうか心配な方はたくさんいらっしゃるでしょう。
初めてクレジットカードを申し込むという場合は、特に不安になるかもしれません。クレジットカードも、大手クレジットカード会社が発行しているものだけでなく、銀行系、流通系、交通系や消費者金融系のものなど、さまざまな種類があります。その中には審査基準が甘いカードもあるため、審査に通るかどうか不安な場合は、まずは審査基準が甘いクレジットカードに申し込むというのも1つの方法です。
一般的に、銀行系や大手クレジットカード会社が発行するカードは審査基準が厳しく、流通系や消費者金融系のカードは審査が甘いといわれています。収入が不安定でも年齢基準を満たし、電話連絡先などの必要最低限な情報を記入すれば審査が通るカードでしたら、ほぼ審査なし、といっても良いのかもしれませんが、念のため申込資格をきちんと確認してから申し込むようにしましょう。
流通系クレジットカード
流通系カードとは、大手スーパーや、百貨店、駅ビルなどの商業施設が発行しているクレジットカードで、施設内でしたらその日から利用することができる仮カードが発行されることもあります。
流通系の商業施設は年齢や職業も幅広い方が利用することから、比較的審査が甘いといわれています。18歳以上(高校生は不可)で電話連絡可能な方でしたら申し込み可能なカードもありますので、審査が心配な方や、初めてクレジットカードを申し込む方に向いているでしょう。
消費者金融系クレジットカード
消費者金融系カードとは、消費者金融会社が発行しているクレジットカードです。利用してポイントがつくなどのメリットはありませんが、即日発行もできます。どうしてもすぐにクレジットカードを作りたい場合には利用を検討してみましょう。
自分の状況に見合ったクレジットカード選びを
今回は、クレジットカードの審査が通らない理由や、審査が甘いカードなどについてご紹介しました。
クレジットカードはさまざまな会社から発行されており、審査基準も公表されていないため、なぜ審査に落ちてしまったのかはっきりとした理由が分からない場合もあります。
しかし、これまで見てきたように審査に必要な基準は何かを考慮して、自分の収入や勤務実績などに合わせたカードを選んでいけば、審査に通ることはそれほど難しくはありません。審査に落ちたからと別のカードにむやみに申し込むのではなく、なぜ審査に落ちたのか、理由を考えて対策を立てることが必要です。
また、すぐに次のカードを申し込むのではなく、ある程度の期間をおいてから申し込んだ方が、審査に通る可能性は高くなります。自分が利用できるクレジットカードの枚数には限度があるため、どのクレジットカードが自分に合っているのか、審査に通ることはできるのかを客観的に判断して、カードを選びましょう。
CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」
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