消費者金融は審査が甘い?カードローン審査が通らないときの対処法

消費者金融とは、一般的に個人に対して小口の融資を行う金融機関のことを指します。消費者金融と言うとあまり良い印象を持たれない方もいると思いますが、2010年の貸金業法の改正で、より安心で使いやすくなりました。借入金は年収の3分の1までという、総量規制と呼ばれるルールが取り入れられたのも大きな特徴です。
消費者金融の魅力は、「無担保での貸し付け」「申し込みから融資までが早い」ということです。しかし、カードローンを利用しようとする方にとって一番気になる点は、審査に通りやすいかどうかではないでしょうか。
そこで今回は、消費者金融カードローンは審査が甘いのかどうか、審査が通らないときにはどのように対処すれば良いかについてご紹介します。
消費者金融カードローンは審査が甘い?

消費者金融カードローンは、それぞれのホームページで「成約率」を明示しています。成約率は「審査通過率」とも呼ばれており、「申し込んだ方の中で実際に審査に通過した割合」を表す数字のことです。
最近では、大手消費者金融の審査通過率は40~50%くらいと言われています。つまり、申し込んだ方のうち半分くらいが審査に通っているということになるので、消費者金融カードローン審査が特に厳しいというわけではないことが分かります。
消費者金融のカードローン審査が通らない!理由は?
上述のように、消費者金融のカードローン審査はかなり通過しやすいと言えます。しかし、消費者金融も審査の結果、融資お断りということはあります。具体的にどのようなケースが当てはまるのか、以下で見ていきましょう。
申し込み時点で他社借り入れがある

一般的に3件以上の他社からの借り入れがあると、「自分のお金をうまく管理できないのではないか?」もしくは「何らかの問題があって1社ごとの融資限度額が低く、複数社のキャッシングを利用しているのではないか?」と判断され、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
また、総量規制の範囲内でも審査に落ちることがあります。極端に収入が少ない、勤続期間が短いなど、属性が低いことが原因で審査に落ちることもあります。
信用情報に問題がある

カードローンの支払いの長期間に及ぶ滞納、もしくは複数の支払いの遅延があると、「信用性が低い」とみなされ、審査通過はかなり厳しくなります。
一般的には、信用情報に「長期延滞」「債務整理」「強制解約」「代位弁済」などの事故情報があると、審査には通らないと言われています。長期延滞については解消から5年間は記録が残ります。
その他、記録が抹消されるまでにかかる期間は、個人再生・自己破産は5~10年間、任意整理・特定調停・代位弁済・強制解約は5年間とされています。自己破産や債務整理はある意味「借金を踏み倒す行為」とも言えるため、事故情報がある場合は、まず審査に通らないと思って間違いないでしょう。
年収が低い、または安定していない

銀行カードローンの場合、申し込み条件に年収200万円以上などの制限が設けられていることがありますが、消費者金融に年収条件はありません。アルバイトやパートでも安定した収入があれば借りられることがメリットです。
しかし、年収制限はなくても、あまりにも収入が少ない場合や収入があっても安定していない場合は、審査に落ちる可能性が高くなります。また、消費者金融の場合、専業主婦はまず審査に通りません。
審査が通らないときの対処法
明らかに問題がある場合は別として、カードローン審査は受けてみないと通るかどうか分からないことも少なくありません。通常の審査の流れは以下の通りです。
- 仮審査
- 本審査
- 在籍確認
仮審査と本審査で申し込んだ方を「お金を貸しても良い人」に絞り、最終的に在籍確認で本当に働いているか確認するというのがカードローン審査の流れです。
事故情報が信用情報から消えるまで待つ

信用情報は、個人情報とも言い換えることができ、カードローン審査の柱となります。カードローン関係の支払い情報はもちろん、破産や債務整理などについても詳しく記されているため、自分の信用情報に問題があるかどうか理解しておくことは非常に重要です。
信用情報は独立した第三者機関(KSC、CIC、JICC)で管理されており、本人であれば情報を開示してもらうことができます。ただし、以下のように開示請求方法は各機関で異なります。
- ・KSC:書類郵送
- ・CIC:PC・スマートフォン・郵送・窓口
- ・JICC:スマートフォン・郵送・窓口
自分にとって一番都合の良い方法で開示請求を行うと良いでしょう。開示には手数料や本人確認資料が必要です。各機関のWebサイトで必要なものを確認し、事前に準備をしておきましょう。
もし開示された信用情報の中に事故情報(いわゆる支払いの遅延や延滞情報など)が見つかったのであれば、該当情報が信用情報内から消えるまで待った方が無難です。信用情報内に登録されている事故情報は、その内容ごとに保存期間が定められていますので、保存期間が過ぎてから再度申し込めば、審査を通過できる可能性があります。
他社からの借り入れを完済する、収入を増やす

他社からの借り入れが複数存在するのであれば、一つでも多く完済して件数を減らすことが大切です。何よりも「完済」という事実は、カードローン審査において「お金をしっかり返済した」という実績に分類されるため、信用回復につながります。
さらに、収入面においても場合によっては改善が可能です。特に在籍期間があまりにも短い場合(入社して数カ月など)は、同じ勤務先で在籍期間を積み上げるだけでも審査時の評価は上がりやすくなります。
その他、年収アップや雇用形態の変更(例えば、アルバイトから正社員に登用された)などのタイミングで改めて申し込めば、審査を通過できる可能性があります。
中小消費者金融の利用を検討する
大手消費者金融を利用できれば理想ですが、大手消費者金融の審査に通らない場合は、審査が甘い中小消費者金融のカードローンも選択肢の一つになります。
中小消費者金融ならば、信用情報に多少の事故情報がある場合や、年収が少ない、アルバイトの収入しかない状態であっても、現在収入があって返済能力を有すると判断されれば融資してくれる会社もあるためです。
ただし、無職では審査に通らないことは肝に銘じておく必要があります。在籍確認の電話もありますし、書類に個人情報を記入しなければなりません。金利は大手より高く、借入限度額も最初は低くなります。しかし、毎月きちんと返済して信用を重ねていけば、徐々に限度額は上がっていきます。
契約者貸付制度を利用する
その他の方法として、積み立て型生命保険に加入している方は契約者貸付制度を使ってお金を借りるという方法があります。もちろん金利は支払わなければいけませんが、カードローンよりも低金利です。
解約しなくても借りることができ、信用情報に記録が残らない借り入れというのも安心感があります。積立型の生命保険に加入している方は一考の余地ありです。
カードローンの審査内容
ここまでいろいろと述べてきましたが、「審査が不安で仕方ない」という方もたくさんいらっしゃると思います。しかし、カードローンの審査内容をきちんと理解すれば、そこまで不安を感じることはありません。
カードローンの審査項目と属性

カードローンの審査は下記の項目をもとに行われます。
【カードローン審査項目の例】
「属性情報」「氏名」「勤務先情報」「住所」「職種」「連絡先」「年収」
「年齢」「勤続年数」「住居の種類」「他社の借入総額」「居住年数」「他社の借入件数」など…
カードローンの審査では「スコアリング」という方法が用いられます。簡単に説明すると、「属性を点数化し、合計点数で審査結果を判断するというもの」です。スコアリングはコンピューターで行われ、そのことも審査のスピードアップに大きく影響していると言えます。
属性とは、以下の情報を言います。
【属性の例】
- ・年齢/独身or既婚/子供の有無
- ・住所/住居形態/親と同居か
- ・職業/勤務先/勤続年数/保険形態
- ・与信額/借入総額/返済履歴
つまり申込書に記入した、ありとあらゆる項目のことを属性と呼びます。これら属性は、単に項目単体でチェックされるだけでなく、複数の項目との因果関係を確認し、その会社独自の統計情報と比較して偏差値を算出します。
この値が一定以下の評価であれば審査に落ちることになりますし、審査に通ったとしても、値が低ければ、最初は最低利用限度額からのスタートとなります。ただし値が低くても、よくカードローンを利用し返済状態に問題がない方であれば、使っている期間が長くなればなるほど高く評価されるようになります。
この算出された偏差値は、一度、評価されたらそれで終わりというわけではなく、自分自身の日頃の行い次第で、良い方向にも悪い方向にも向いていくものなのだと認識しておくことが必要です。
審査通過率を上げるためのポイント
審査通過率を上げるための簡単なポイントは、次の2点です。
【1】虚偽の申告や入力ミスをしない
本審査では書類をもとに人間が審査するので、虚偽の申告はすぐにバレます。審査時には、ありのままの自分の情報を申告するようにしてください。
【2】一度に複数社へ申し込まないこと
「複数社へ申し込んだ方が審査に通る可能性が上がる」と思われる方も多いかもしれません。これこそがカードローン審査が不安な方、すぐにお金を借りたい方にありがちな勘違いなのです。同時に3社以上申し込んでしまうと審査に通りにくくなる恐れがあるので、同時に申し込むとしても2社までにしてください。
カードローンの賢い利用方法
消費者金融のカードローンを利用する場合は、借金を返済しなければなりません。計画的な借り入れを心掛け、複数のカードローンを利用している場合はおまとめローンの利用を検討されても良いでしょう。
借り入れを計画的に行う
カードローンの審査に通らなくても、他にお金を借りる方法はあります。しかし、金利が高かったり、限られた方しか利用できなかったりと、不便な点が多いのも事実です。今この時点で本当に借り入れる必要があるのか、よく考えてみるようにしましょう。
計画的に考えて借り入れたつもりでも、病気などで返済が困難になる事態も予想されます。そのような場合、日本銀行協会ではローンの返済に悩んでいる方向けに専門のカウンセラーを紹介するサービスも行っています。こういった信用できるサービスを有効に活用し、今後の支出計画も含め随時見直しを図っていくようにしましょう。
おまとめローンで借り入れを調整する
以前は銀行であれば総量規制の対象外ということで、「年収の3分の1以上の借り入れがしたい場合は銀行」という考えが主流でしたが、近年国会で銀行の過剰貸付が問題視され、これからは銀行カードローンによる借り入れも厳しくなると思われています。
したがって、総量規制の例外とされている、おまとめローンをうまく使って借り入れを調整していくのも良いでしょう。ただし、ここで注意したいポイントは、銀行など通常のカードローンをおまとめローンとして利用する際には、通常よりも審査が厳しく、限度額が低めに設定されてしまうデメリットがあるということです。
銀行カードローンは低金利ですが、最近の大手消費者金融でも最初の1カ月を無利息期間としている会社もあります。その結果、うまく計算して利用すると、消費者金融が銀行よりも金利が低くなるということも十分ありえます。
カードローンを申し込むときは利用目的に注意
今回は、消費者金融カードローンは審査が甘いのかどうか、審査が通らないときにはどのように対処すれば良いかについてご紹介しました。
消費者金融カードローンの審査では、年収、勤務先(職業)、居住形態、他社借入件数といった項目の他、利用目的も重要なポイントです。利用目的が「冠婚葬祭での急な出費」や「車の修理費用」の場合、審査の通過率が上がります。一方、「ギャンブル」や「他社の借金返済」などの目的は絶対に認められません。このような目的では絶対に申請しないようにしてください。ただし、おまとめローンを利用する場合は、他社への返済は正当な利用目的になります。
消費者金融カードローンも会社によってさまざまな特徴があります。事前によく調べた上で上手に活用していきましょう。

トータルマネーコンサルタント/CFP(R)認定者/第一級ファイナンシャルプラン二ング技能士
(資産設計提案業務)/DC(確定拠出年金)プランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員
30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格、CFP資格を取得すると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
主に個人を相手にお金に関する相談、及び提案設計業務を提供するとともに、資産運用講師なども手掛ける。
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