香典が払えない…お金がないせいで葬儀に参列できないときにすべきこと

香典が払えない…お金がないせいで葬儀に参列できないときにすべきこと

香典の授受

香典が払えないときはどうする?お金がないため葬儀に参列できない場合の対処法

人の死は、突然訪れることがあります。「あと2日でお給料日だから死ぬのを待って!」なんていうことはできません。また、葬儀に参列したくても、香典も持たず手ぶらで参列するわけにはいきませんよね。
亡くなる方も家族や親戚だけでなく、友人や友人の親、仕事関係の方など、さまざまな関係があります。また、同じ仕事関係でも、その関係の深さによって香典の金額は変わってくるでしょう。そこで今回は、もし香典が払えないときはどうしたら良いのか、その対応方法をご紹介します。

香典とは

香典と数珠

香典とは、お通夜や葬儀のとき、遺族にお渡しする現金のことです。喪主側から「御香典はご遠慮致します」などの意思表示がない限り、必ず用意しなければなりません。
通常は、通夜か葬儀のどちらかに参列し、香典を持っていきます。どちらにも参列する場合には、通夜で香典を渡すのが一般的です。

香典は、不祝儀袋と呼ばれる香典を入れる封筒に入れて持参します。不祝儀袋とは、葬儀やお通夜、法事などの際に現金を包むのに使う袋のことです。黒白などの水引を結んだ袋で、香典袋ともいいます。弔事には、重ねて起こらないように結び切りの水引を使用されています。

不祝儀袋の中には、中袋といわれる封筒が入っているものがあります。中袋があるものには中袋に、中袋がない場合は不祝儀袋にそのまま現金を入れます。
袋の中に現金を入れる際は、お札の向きをそろえ、新札は避けるようにしましょう。新札だと、あらかじめ準備していたという印象になり、好ましくありません。「死ぬのを予測して待っていた」という印象を遺族に与えてしまうのです。もし新札しかない場合には、折り目をつけてから入れるようにしましょう。

なぜ香典を支払わなければならないの?

では、なぜ香典を支払わなければならないのでしょうか。香典には、亡くなった方にお供えするという意味もありますが、葬式などの費用や、遺族のその後の生活を援助するという意味もあります。
規模にもよりますが、葬式を行うだけでもかなりの金額が必要です。葬儀場の使用料だけでなく、棺桶の費用、火葬する費用、そしてお坊さんに支払うお布施などにお金がかかります。また、参列していただいた方への会食の飲食代もあります。それらを合わせると、200万円を超えることも少なくありません。

香典料の相場

香典料の相場とは、いくらなのでしょうか。香典料は、一概にいくらと決まっているわけではありません。送り主の年齢だけでなく、亡くなられた方との関係性や、現在の送り主の経済的な状態によっても変わってきます。一般的に、送り主が20代と若い場合は少ない金額となり、40代以上になると香典料も高くなる傾向があります。

具体的な金額としては、一番近い関係とされる両親や義両親が亡くなった場合は3~10万円とされています。送り主が20代と若い方の場合は少なくても構いませんが、40代以上の方の場合は金額も多くなり、10万円以上の場合もあります。

祖父母の場合は1~5万円、兄弟姉妹(義兄弟姉妹)の場合3~5万円、叔父・叔母では、1~3万円が相場です。いとこ(従兄弟・従姉妹)やその他の親戚では、3,000円~3万円となっていますが、その関係性によって金額が変わってきます。

友人・知人の場合は5千円~1万円、友人・知人の両親だと3,000円~1万円となっています。仕事の上司や同僚、その家族の場合も3,000円~1万円です。恩師の場合は、お世話になった時期と亡くなった時期にもよりますが、3,000円~1万円となっています。

故人との関係性が深く、お付き合いの期間が長いほど香典料も高くなります。反対に、関係性が浅く、お付き合いの期間が短い場合や、お付き合いが終わってからの期間が長い場合には、香典料の相場は下がると考えて良いでしょう。

上記は一般的な金額ですので、現在の経済的な状況と、故人との関係で金額を決めていただければと思います。

なお、香典を渡すとき、個人ではなく「職場の同じ課の同僚」や「同じ部活の仲間」などが、まとまってお金を出し合う場合もあります。そのような場合、お互いに話し合い、キリの良い香典の金額にすることもあります。また、中学生や高校生だけで、先生や友人のお通夜や葬儀に参列する場合、香典を渡さずに記帳だけする場合もあります。その他、500~1,000円程度を出し合い、連名で香典を出す場合もあります。その場合は、香典返しなどの品物は辞退しましょう。もし、保護者が一緒に参列する場合は、3,000円~1万円程度が良いでしょう。

お金がないため香典が払えないときはどうすれば良い?

通帳を眺める喪服の女性

「人の死」は突然訪れるものです。急な出費となるため、お通夜や葬儀で香典が用意できないときは、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、お金がなく香典が支払えないときの5つの対応方法をご紹介します。

お通夜や葬儀を欠席する

スマホで電話する女性

どうしてもお金が工面できそうにない場合は、お通夜や葬儀を欠席するという選択肢を取る方もいらっしゃるかもしれません。お金がなく香典が払えないためにお通夜や葬儀を欠席する場合、どのように伝えたら良いのでしょうか。

親族や親しい間柄の場合は、まず電話で欠席の連絡をしてください。欠席を伝えるとき、香典が払えないことが理由だとしても、それを伝える必要はありません。欠席の理由は「どうしても都合がつかなくて……」という感じで良いでしょう。なぜなら、理由を伝えることによって、かえって相手を不快にさせてしまうことがあるからです。

また、お悔やみの言葉も必ず伝えるようにしましょう。葬儀前のご遺族は忙しいため、話が長くなりすぎないように注意してください。

メールで訃報が届いた場合には、メールで返信することもできます。この場合も、欠席することに加え、お悔やみの言葉も忘れないようにしましょう。もし、電話ができるようであれば、直接お悔やみの言葉を伝えた方が気持ちは伝わります。

今あるお金だけ包んで参列する

葬儀

「本当は1万円包みたいけれど、お金が3,000円しかない」という場合もあるかもしれません。そんなときは、「とにかく出せる金額だけ包んで参列する」という方法もあります。
その場合、香典料の相場より低くなっても仕方ありませんが、香典返しは辞退すると良いでしょう。少ない金額での参列によって、遺族に金銭的な負担をさせないようにしましょう。

あとで香典を送る

受付で記帳する人

訃報があまりに突然のことで香典を用意できないとき、葬儀は欠席しお金を用意できたタイミングで弔問して香典を渡すこともできます。
その場合、「お金がなくて参列できませんでした」という必要はもちろんありません。香典も用意できないほど生活が困窮しているのかと、相手に気を使わせてしまいかねないからです。参列できなかった理由を伝えることよりも、お悔やみの言葉を述べ、故人を思う気持ちを伝えることの方が大切です。
訃報は突然のことなので、参列できなくても仕方がないことだと思ってもらえるでしょう。そして、弔問してくれたことに感謝してくれるはずです。

家族や知り合いにお金を借りて参列する場合

女性に頼み込んでお金を借りようとする男性

家族や知り合いにお金を借りることができれば、家族に立て替えてもらっても良いでしょう。その場合は、お給料をもらったり臨時収入があったりしたら、必ずすぐに返すようにしましょう。以前に返さなかった経験や、返すのが遅れてしまうといったことがあると、次回以降は貸してもらえなくなってしまいます。

また貸してもらえれば良いですが、「香典も払えないのか」と説教されたりして、お金を貸してもらえない場合もあります。友人に借りる場合でも、借りたお金で香典を出すという行為に疑問を持ち、信頼を傷つけることにもなりかねません。

カードローンでお金を用意して参列する場合

ノートPCの前にカードを置いて画面を眺める人

親や友人にお金を借りられないけれど、急なお金が必要になったときに有効なのがカードローンです。ローンと聞くと、マイナスのイメージを持つ方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、使い方を間違えなければ、とても有効な借り入れ方法となります。

カードローンの最大の特徴は、「担保なし」「保証人なし」で銀行や消費者金融などの金融機関からお金の借り入れができることです。誰にも迷惑をかけず、家族や友人の信頼を失うことなく、お金を用意することができます。
さらに、融資までの期間がとても短いのも特徴です。カードローンの申し込みの方法は金融機関によって異なりますが、窓口に行かなくてもインターネットや電話で気軽に手続きできるものもあります。

カードローンでは、最初の30日以内に返済すれば、金利がかからない会社もあります。もし、香典を渡すのが給料日の前の場合、借りた直後にお給料で返済できるので、利息を支払わなくても良い場合もあるのです。カード会社によって、利息は異なりますので、事前にしっかり確認するようにしましょう。
また、消費者金融であれば30分程度の簡単な審査でお金を借りられるカード会社もあります。すぐにお金が用意できるのは利点ですね。

葬儀には参列できないけど香典だけなら払える場合はどうすれば良い?

葬儀に参列するためには、香典の他にも喪服や交通費の用意も必要となります。香典だけなら用意できるが喪服の購入費用がない場合や、遠方のため交通費が高くて準備ができない、という場合はどうしたら良いのでしょうか。
そのような場合、香典を代理人に預けたり、郵送したりすることもできます。その場合の注意点について見ていきましょう。

香典を代理人に預ける際の注意点

香典を代理人に預ける場合、香典の金額は持参する場合と変わらない金額にしましょう。その際、不祝儀袋の書き方に注意してください。
不祝儀袋の中袋の裏には、住所などを書く欄があるので、そちらにだけ書いてしまいがちです。しかし、預ける場合は「袋の外の部分」にも書くようにしましょう。なぜなら、香典を預かった方は、記帳も代理ですることになります。その際に書くのが、名前だけでなく住所や電話番号なのです。香典を預かってくれた方のためにも、分かりやすい文字で分かりやすい場所に書いておきましょう。

香典を郵送する際の注意点

香典を郵送するのは失礼と感じる人もいるようですが、そんなことはありません。郵送であっても香典を渡そうとする気持ちは、とても立派です。

郵送の方法は、「現金書留」で送るようにしましょう。「普通郵便」では現金を送ることができません。これは法律で、現金は現金書留で送るように決められているからです。
その際、現金書留の中に不祝儀袋を入れ、お悔やみの言葉を書いた便箋も入れるようにしましょう。現金書留の封筒に、直接現金を入れないようにしてください。不祝儀袋が収まる大きさの現金書留もあるので、郵便局で確認してみましょう。

香典を支払わずに弔意を示す方法とは…

香典を支払わずに弔意を示す方法としては、お悔やみの手紙を送ること、供花や供物を送ること、弔電を送る方法などがあります。
お悔やみの手紙を送るのには、郵送代程度で済みますが、供花や供物を送る場合や弔電を送る場合には費用がかかるので、きちんと確認する必要があります。
葬儀に欠席して弔電を送るときの注意点として、弔電は、葬儀が行われる斎場に送るようにしましょう。弔電の宛名は喪主名にして送るようにします。差出人は、遺族の方が見て分かりやすいようにしましょう。差出人名だけでなく、故人との関係を添えてあると良いですね。

香典が払えないときはカードローンという方法も

今回は、香典が払えないために葬儀に参列できないときすべきことについてご紹介しました。 できれば参列して、故人やご遺族の力になれるのが良いですが、余裕がない場合もありますよね。しかし、金銭的に香典を払うのが難しいからといって、お通夜や葬儀の参列を諦める必要はありません。

毎月決まって出費がある食費や光熱費とは異なり、予想がつかないのが冠婚葬祭などの費用です。貯蓄があれば良いですが、そうではない場合もあるでしょう。急なお金が用意できない場合、誰かに迷惑をかけることなく、お金を借りられるカードローンという方法もあります。

ただし、無計画な借り入れには気をつけてください。返済が大きな負担になってしまいます。カードローンを利用する場合でも、カードローン会社の規約をよく読んで、計画的に利用することをおすすめします。そしてお金に余裕があるときは、いざというときのための貯蓄をすることも忘れずに。

富田 浩司
富田 浩司

ファイナンシャルプランナー AFP/富田FP事務所 代表

ゴールドマン・サックスでの勤務経験のある独立系ファイナンシャルプランナー。
防衛省陸上自衛隊、国内大手電気会社、外資系証券会社、独立系コンサルタントの経験を経て、2007年(株)フォーチュンフィールドを設立。富田FP事務所所長として、資産運用や家計の見直しセミナー、コンサルティング業務、マネー情報に関する執筆活動を行っている。設立から12年、「家計と企業財務の健康促進パートナー」をモットーに顧客の資産形成および収支改善に向けアドバイスを行っている。
著書:『子育てママのためのお金の教室 実況中継』、『「稼ぐFP」の作り方:ネット社会を生き抜く新しいFP戦略とは』

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