カードローン契約には保証人は必要?カードローンの保証会社とは?

カードローン契約には保証人は必要?カードローンの保証会社とは?

 カードローン契約

カードローン契約で保証人や保証会社は必要なのか

カードローンを利用したいと考えた際、「契約に保証人が必要なのかどうか」が気にかかる、という方は多いのではないでしょうか。現在、カードローンを利用する際にはほとんど保証人不要となっています。カードローンが気軽に利用できる理由の1つと言えるでしょう。

しかし、場合によっては保証人を必要とする場合もあります。また、保証人は必要なくとも、保証会社による保証は受けなければならない場合もあります。保証人や保証会社が必要とされるのはどんなときで、保証会社にはどんな役割があるのでしょうか?

カードローン契約に保証人は必要?

保証人は必要?

上述の通り、カードローンの契約には原則保証人は不要です。また、担保なども必要ありません。

ただ、すべてのケースにおいて保証人が不要というわけではありません。保証人を必要とするケースとしては、「希望借入金額があまりにも高額な場合」「個人の信用情報に不明な点がある場合」「借入金額を事業用として利用する場合」「信用情報に事故歴がある場合」「学生や専業主婦の場合」があります。

また、銀行系カードローンでは、保証人は不要ですが保証会社による保証を受ける必要があります。

どうしてカードローン契約には保証人が不要なの?

カードローンが保証人不要の理由

現在、銀行系以外のカードローン会社は自社で保証会社としての機能を有しています。

銀行系のカードローンでは、保証会社への委託を行っているところがほとんどです。

自社もしくは委託契約にて保証を行っているため、カードローン契約には保証人がいなくてもいいということになっているのです。

そもそも保証人って何?

保証人って何?

保証人とは、「ある人の身元や債務などを保証する人」と定義されています。

保証人とは別に連帯保証人というものも存在し、連帯保証人は通常の保証人よりも責任が重いとされています。

保証人と連帯保証人の違いって何?

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人は、どちらも「債務者が支払い不能に陥った場合に立て替え払いを行う」という点では同じですが、いくつかの違いがあります。

「債務者本人が債務の返済ができない場合にだけ、債務者に代わって返済する」のが保証人、「債務者本人と同じ義務および責任を負う」のが連帯保証人です。つまり、保証人の方が連帯保証人よりも責任が軽いのです。

また、保証人には「催告の抗弁」「検索の抗弁」という権利、そして「分別の利益」が認められていますが、連帯保証人には認められていません。この3つが、保証人と連帯保証人の大きな違いと言えます。以下で、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」について説明します。

催告の抗弁権

債権者に対して「自分に債務の支払いを請求するよりも先に、債務者本人に請求をしてほしい」と主張できる権利です。

保証人はこの権利が行使できますが、連帯保証人にはこの権利がないため、行使できません。したがって、保証会社から請求があった場合、連帯保証人は文句なしに返済を迫られることになります。

検索の抗弁権

債務者本人に返済能力があるにも関わらず、債務者本人が債務の支払いを拒否した場合、債権者に対して「債務者本人に返済能力があるため、債務者本人に請求するか、債務者本人の財産の差し押さえを行ってほしい」と主張できる権利です。

これも保証人にのみ認められている権利で、連帯保証人には認められていません。債務者本人にいくら返済能力があったとしても、連帯保証人は債権者から請求を受けた場合に返済に応じる必要があるのです。

分別の利益

分別の利益とは、保証人が複数いる場合に、保証人1人当たりの支払額が全保証人数で割った額になるというものです。

例えば債権者から50万円の請求があったとして、保証人が2人だったとします。その場合、分別の利益によっておのおのの支払額は25万円までとなります。しかし、連帯保証人にはこの利益がありません。連帯保証人は50万円すべての返済を行うことになります。

このように、保証人と連帯保証人では行使できる権利や利益が大きく異なります。この違いをよく理解しておくようにしましょう。

カードローンの保証会社とは?

カードローンの保証会社

カードローンの保証会社とはズバリ「消費者金融会社」や「信販会社」です。その役割などについて、詳しく見ていきましょう。

ここで、「消費者金融会社や信販会社は自社で保証会社としての機能を有しているのに、なぜ銀行は自分では保証会社としての機能を持たずに消費者金融会社等に委託しているの?」という疑問が生じると思います。

そこには法改正による理由が存在します。

以前は、消費者金融会社や信販会社によるグレーゾーン金利と呼ばれる「違法にも関わらず罰則が適用されない範囲の金利」が問題になっていました。その対策として総量規制が行われ、金利の上限を従来よりも制限するよう、貸金業法の改正が行われたのです。それによって消費者金融会社や信販会社は金利を下げるよう対応を迫られたため、大手の消費者金融会社であっても生き残ることが困難な状況となりました。倒産に追い込まれた消費者金融会社や信販会社も少なくありません。

その中で、消費者金融会社や信販会社が生き残る方法として見いだされたのが、「銀行との保証会社機能業務委託」です。今までの経験を活かして銀行の保証業務を代行するとともに、委託料を受け取るという流れが出来上がったというわけです。

カードローンの保証会社の役割

保証会社の役割は2つあります。「審査」と「代位弁済および債務の回収」です。

1つ目の役割である「審査」は、お金を借りようとする人が信頼に値するのか、返済能力を持っているのかなどを判断することを指します。

2つ目の役割である「代位弁済および債務の回収」は、債務者の返済が滞ったことが発覚した際に保証会社が立て替え返済を行い、その後立て替えた債務の支払い催告を債務者に行って回収することを指します。

保証会社独自の審査基準について

通常、審査については信用情報機関における過去の事故情報等を参考にします。

この事故情報については、内容にもよりますが何年かたてば消えてしまいます。

しかし、過去に返済において保証会社に大きな迷惑をかけたなどの情報は、各保証会社が独自で保有しているところがほとんどです。そのため、その情報が引っかかって審査に通らないといったケースも考えられます。

こういった保証会社独自の情報は、消されることなく判断材料の1つとしてずっと保有し続けられてしまうので、もし、過去に返済関連の事故を起こしたとして、それがもう消えているから安心だとは思わないことが大切です。それ以前に「返済関連の事故を起こすようなことは絶対に避ける」ことも肝に銘じておきましょう。

代位弁済後の保証会社への返済について

保証会社が代位返済を行ったとしても、債務そのものが消えてしまうわけではありません。したがって、債務者は保証会社から支払いの催告を受けることになります。債務者は、銀行ではなく保証会社に対して返済を行うことになるわけです。

カードローンの保証会社一覧

主な銀行系カードローンの保証会社を以下にまとめてみました。

三菱東京UFJ銀行 アコム
三井住友銀行 SMBCコンシューマーファイナンス
みずほ銀行 オリエントコーポレーション
りそな銀行 オリックス・クレジット
りそなカード
三菱東京UFJ銀行 アコム
住信SBIネット銀行 オリックス・クレジット
SMBCコンシューマーファイナンス
オリックス銀行 オリックス・クレジット
新生フィナンシャル
新生銀行 アコム
東京スター銀行 新生フィナンシャル
楽天銀行 楽天カード
セディナ
イオン銀行 イオンクレジットサービス
オリックス・クレジット
じぶん銀行 アコム

上記のように、1つの銀行で複数の保証会社を有しているところもあれば、逆に同じ保証会社が異なる銀行の保証業務を行っているところもあることがわかります。

ここで気を付けないといけないのは、同じ保証会社のカードローンを複数利用することは避けた方がいいということです。そうしないと、もし複数保有しているカードローンで、全部とまではいかないにしても、何枚かのカードが支払い不能に陥った場合、1つの保証会社からまとまった催促通知が届くことになるからです。本来であれば別々に催告通知が届く可能性があったかもしれませんが、保証会社はまとめて請求します。したがって額も相当なものになるでしょう。

そのようなリスクを避けるためにも、自分が契約しようとしている銀行のカードローンがどの保証会社に委託しているのか、きちんと把握してから申し込むようにしましょう。

カードローンの保証人が不要なことによるメリット

保証人が不要なことによるメリット

保証人を自分で用意する必要がないことによるメリットを以下でご紹介します。

申込時の手続きが簡単になる

個人で保証人を用意するとなると、所得証明などの書類を用意する必要が生じるほか、保証人の方にも署名をもらわなければならないなど、かなりの手間がかかります。早く借り入れを行いたいと思っている方にとって、そこが省略されるということは非常にありがたく感じられるのではないでしょうか。

審査基準の緩和化

保証人が必要な契約というのは、借入金額が高額な場合です。借入金額が高額ということは、当然審査も厳しくなります。保証人不要で少額の借り入れを行うカードローンについては、審査基準を緩やかにしている会社が多いものです。そこもメリットの1つと言えるでしょう。

周囲に知られずに借り入れが可能

保証人を立てるとなると、誰を保証人にするか選んでお願いしないといけません。快く引き受けてくれたとしても、借り入れを行っているという事実は自分以外の人に知られてしまいます。さらには、あってはならないことですが、支払い不能に陥った場合、本人ではなく保証人の方に直接催促の連絡が届くため、迷惑をかけてしまいます。

保証会社が保証人の代わりをしてくれることで、そういった不安から解消されるというメリットがあります。

カードローンの保証人が不要なことによるデメリット

保証人が不要なことによるデメリット

保証人が不要ということは、メリットだけでなくデメリットも存在します。

返済については自己責任

保証人がいると、もし支払い不能に陥った場合には保証人が立て替えることになります。逆に言えば、保証人不要の場合は、借金返済の責任をすべて自分が背負うことになるので、そこがデメリットの1つと言えます。

審査基準の厳格化

保証人を立てないということは、審査においては契約者の個人情報(信用)がすべてとなります。保証人がいれば、契約者の個人情報に少し不安な点があったとしても審査に通りやすく、結果的に借り入れ可能となることがありますが、保証人がいない場合は審査における基準はかなり厳しいものになると思った方がいいでしょう。

金利や借入額の制限

保証人がいれば、支払い不能に陥った場合でも保証人が立て替えることになるため、金融機関としては貸し倒れに対するリスク回避を行うことが可能です。しかし、保証人がいない場合はそのリスクを金融機関が負うことになるため、必然的に貸し付けに対する利息(金利)を高く設定する傾向があります。

同じ理由で、希望する借入額についてもあまり高額なものは審査に通らないことが一般的です。

カードローン申込時は保証人の要不要を確認しよう

今回は、カードローン契約には保証人が必要なのかどうかや、カードローンの保証会社についてご紹介しました。

カードローンの契約には、原則保証人は必要ありません。しかし、保証人の代わりとして、銀行系カードローンでは保証会社に保証を委託しています。また、保証会社としての機能を有している消費者金融会社や信販会社は独自で審査を行うことが一般的です。

なお、場合によっては保証人が必要になることがあるので、カードローンを申し込む際は保証人が必要なのかどうかをよく確認しましょう。

カードローンの返済ができなくなった場合、保証会社は「代位弁済」、つまり支払い不能の際の立て替えを行ってくれます。しかしこの代位弁済を繰り返していると、最終的にはどこのカードローンの審査も通らなくなるといった事態に陥りかねません。

そうなると最後には債務整理など、法的な手段に頼るしかなくなります。もちろん、家族や友人にも迷惑をかけることになりますし、一度失った信頼を回復させるのは至難の業です。

カードローン会社は利用者を信頼してお金を貸してくれます。その信頼の重みをしっかりと受け止め、「自分にきちんとした返済能力があるか」「返済計画は立てられているか」を考えたうえで申し込むようにしましょう。

「借金の返済なんてなんとかなる」と思われる方もいるかもしれませんが、実際にはそんな甘い世界ではありません。お金に関してはすべて自己責任であることをきちんと認識し、行動に移すようにしましょう。

新井 智美
新井 智美

トータルマネーコンサルタント/CFP(R)認定者/第一級ファイナンシャルプラン二ング技能士
(資産設計提案業務)/DC(確定拠出年金)プランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員

30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格、CFP資格を取得すると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
主に個人を相手にお金に関する相談、及び提案設計業務を提供するとともに、資産運用講師なども手掛ける。

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