銀行カードローンと消費者金融カードローンの違いは?それぞれの特徴は?

最近カードローンを利用する方が増えています。最近の日本信用情報機関の調査による各種統計データによると消費者金融系と信販系および流通系のカードローン利用者は約1,080万人に達しています。それだけ皆さんにとって身近な存在になってきたということでしょう。
カードローンを利用するときの目的ベスト3は「生活費の不足を補うため」「ほしい物を買うため」「遊ぶため」という結果になっています。借金=生活苦というイメージはもはや過去の話になりつつあり、実はカードローンの利用者は「将来の収入を前借りして賢く使っている」のです。ただし、初心者の方が「いざ申し込みしてみよう!」となると知識がないため、間違った使い方をしてしまうことがあります。
今回は、カードローンを利用するにあたって、それぞれのカードローンの特徴や違いについてご紹介します。
銀行カードローンとは?

銀行カードローンと聞くと審査が厳しいとか手続きが面倒くさそうというイメージがあるかも知れませんがそれは過去の話です。手続きも簡単で24時間いつでも申し込みができます。低金利で安心感のある銀行は、初めての方にも借り入れ経験のある方にもとても人気が高い商品です。
主な特徴は以下の通りです。
- インターネットで申し込みができて来店が不要です
- 他のカードローンに比べれば低い金利で利用できます
- 限度額が大きいので幅広い利用ができます
- 全国の提携ATMで借り入れや返済が簡単にできます
- 審査は他のカードローンに比べて少し厳しめですが、本人に収入がなくても配偶者の方に収入がある専業主婦の方でも利用できます
- 総量規制が適用されないので年収の3分の1を超える借り入れができます。
- 保証人や担保なしで利用できます
消費者金融カードローンとは?

消費者金融カードローンは、今すぐにお金が必要な方や手軽に借り入れしたい方に向いています。即日キャッシングに対応している会社がたくさんあるので、すばやく借りてすばやく返そうと考えている方や、給料日前に短期間だけ借りてすぐに返そうという方に便利です。
即日キャッシングが必要な方、手間を掛けずに現金が必要な方は消費者金融カードローンをおすすめします。
主な特徴は以下の通りです。
- Web(スマートフォンを含む)完結取引が充実しています
- 勤務先への在籍確認の電話連絡を不要にできる場合があります
- 審査スピードが最短30分と非常に速く審査結果を知ることができます
- 銀行カードローンでは今年からできなくなった即日キャッシングがほぼ可能です
- 家族に内緒で借り入れができます
- 初回の契約だけですが、金利を30日間程度無料にするサービスを受けることもできます
- 消費者金融カードローンは貸金業法で年収に応じて借り入れの上限が決められています
- 安定した収入があればパートやアルバイトの方でも借り入れできます
銀行カードローンと消費者金融カードローンの違い

消費者金融のイメージというと、「取り立てが怖そう」などマイナスなイメージを持たれる方が多いかと思います。しかし、最近ではテレビCMを見ない日はないほど、あちこちで見かけるようになりました。
一方で銀行カードローンは「銀行」という言葉から連想されるように、堅苦しいイメージがあり、最近では銀行カードローンも盛んにテレビCMを打つようになりました。積極的に利用者を増やそうと、さまざまな取り組みを行っているおかげで、親近感を持つ利用者が増えています。
両者の大きな違いは適用される法律が異なる点にあります。消費者金融は「貸金業法」、銀行は「銀行法」という法律に従います。この2つの法律の違いはというと、「総量規制」の存在です。
この総量規制は、貸金業法の中にある規制の1つで、この後で詳しく説明します。そのほかの違いとして、消費者金融カードローンの最高金利は約18%、銀行カードローンは約14%と銀行カードローンの方が低金利で利用できます。審査基準に関しては消費者金融カードローンよりも銀行カードローンの方が厳しいとされています。審査時間も圧倒的に消費者金融カードローンの方が最短30分と早いです。それぞれ一長一短ありますが、お手軽さでは消費者金融カードローンがおすすめです。
銀行は「銀行法」、消費者金融は「貸金業法」により規制
総量規制は、「貸金業法」という貸金業者を対象にした法律の1つです。貸金業者として挙げられるのが「消費者金融」「キャッシングカード会社」「信販会社」になります。
上記3つの貸金業者でお金を借りる場合、年収の3分の1までしか借りることができません。
この規制のことを総量規制といいます。以前の一般消費者向けの無担保融資は貸金業者が圧倒的なシェアを保っていました。しかし、多重債務が社会問題化したことで政府は2010年6月に改正貸金業法を施行しました。その結果、貸金業者は利用者の年収の3分の1までしか貸せない「総量規制」を適用するようになりました。
銀行カードローンの法律「銀行法」とは?
銀行カードローンは「銀行法」が適用されるため、総量規制の対象外となります。そのため「銀行法」ではいくらでも融資はできるようになっています。しかし、限度額が50万円以下の少額の借り入れであれば審査の際に収入証明書類を提出する必要はありませんが、50万円以上になると収入証明書類の提出が求められます。
このように、銀行のカードローンであっても大口の借り入れであれば収入証明書類が必要となりますが、これは返済能力があるかどうかを確認するためです。
そのため、銀行カードローンで既に年収の3分の1を超える借り入れをしている状態であっても消費者金融系のカードローンでの借り入れに制限はありません。
消費者金融カードローンの法律「貸金業法」とは?
総量規制を定めた法律「貸金業法」は、その名の通り貸金業者を対象にした法律です。貸金業者に分類される「消費者金融」「キャッシングカード会社」「信販会社」からの借り入れは総量規制の対象です。
2010年6月にルールが改正されて、これらの業者からの借り入れは年収の3分の1までに制限されるようになりました。利用者の借りすぎを防ぐためには借り入れの総額を年収の3分の1に制限するだけでは不十分なので上限金利の引き下げも行われました。
よほどの浪費家でなければ年収の3分の1くらいの借金なら返済には困らないはずですが制限がなければ、緊急の場合にはついつい借り過ぎてしまいます。こういう背景があり総量規制の導入により、法律により強制的に上限額が設定されました。
銀行カードローンは金利が安い

銀行系カードローンは審査が厳しいので消費者金融と比べると借り入れの基準が厳しくなります。返済能力の高い方にしか貸さないから、貸し倒れのリスクが低くなります。
そのため、消費者金融カードローンよりも低い金利での借り入れが可能です。条件選択の中で金利を最優先に考えるのであれば、銀行カードローンがベストな選択でしょう。
利用者の立場では安くお金を借りるのも大事ですが、きちんと返済できるかどうかの方がもっと大事な問題です。返済できなくなってしまうと信用情報にキズが付いてしまって、次から融資を受けることができなくなってしまいます。返済を少しでも楽にするためにも、金利の低い業者から借りることも大切なポイントです。
銀行カードローンの金利
下限の金利(約2%)だけでなく、上限の金利(約14%)も消費者金融のカードローンと比べると低い水準になっています。低い金利で借り入れができれば、その分返済に必要な利息が少なくて済みます。
銀行カードローンの借入限度額
借入限度額については、消費者金融カードローンの上限額が最大500万円程度までの設定であるのに対して、銀行カードローンは、800万円から1,000万円まで借入限度額を高い水準に設定しているところもあり、大口の融資にも利用ができます。
銀行カードローンの審査

銀行カードローンは、借り入れの金利が低くて限度額が大きい分消費者金融カードローンよりも審査は厳しめになっています。消費者金融カードローンは、どちらかというと安定収入のある方なら幅広く融資しますというスタンスです。
一方で銀行カードローンの方は比較的生活にゆとりがあって、きちんと返済できる方を対象にしています。ただし、銀行カードローンの中には専業主婦のように、本人に収入がなくても、配偶者の方に収入がある場合は融資が可能なカードローンもあります。
信販系カードローンとは?

信販系カードローンとは、三井住友カードなどの信販会社が提供しているカードローンです。専用のローンカードを発行するタイプ、クレジットカードのカードローン枠を設定するタイプの2種類があります。
信販系カードローンは郵送対応なので審査に時間が掛かる場合が多くなります。カードが郵送されて来てから借り入れの申し込みとなります。手続き完了まで1週間以上は掛かることは頭に入れておきましょう。
信販系カードローンとクレジットカードはショッピングに使えるかどうかが大きな違いです。カードローンはショッピングには使えません。カードローンはお金を借り入れするのがメインで、クレジットカードはショッピング用というように目的別に使い分けましょう。急にお金が必要になったときに金利が低い信販系カードローンも選択肢の1つとして検討してみてください。
信販系カードローンの特徴
主な特徴は以下の通りです。
- 金利が低い商品もあり、下限金利が約3%から約8%で、上限金利が約10%から約18%まで信販会社によって違います
- 年収が低い方や信用度が低い方は審査に通るのが難しくなります
- 審査に数日掛かる場合が多いです
- 総量規制の対象になるため、年収の3分の1までしか借り入れできません
- 50万円を超える限度額を設定する場合は収入証明書等の提出が必要です
流通系カードローンとは?

百貨店や大型スーパーを運営する企業の関連会社が発行するカードローンを、流通系カードローンと呼びます。流通系カードローンとは、流通系カードに付属しているキャッシング枠のことになります。
例えば、イオングループのイオンカードや、セブン&アイホールディングスのセブンカードがこれにあたります。こうしたカードにはキャッシング機能があり、それを利用してお金を借り入れることができます。
流通系カードの特徴としては生活に密着したカードという点です。カードを利用することでポイントが貯まったり、商品の割引が受けられたりすることでしょう。こうした理由から、特に主婦層に人気があります。
流通系カードローンの特徴
主な特徴は以下の通りです。
- 審査基準が低いので、銀行カードローンで断られた場合も契約できる可能性が高いです
- 多くの会員を獲得したいがために、主婦やフリーターでもカードローンの発行ができる場合があります
- 流通系カードローンも貸金業者として総量規制の対象になります
- 希望する限度額が得られない場合もありますが、流通系カードにそれほど大きな限度額は必要にはならないので総量規制はそれほどきにする必要はありません
- 与信枠の大きさや借入金額によって金利が優遇されたり、同じ会社が発行するクレジットカードショッピング枠の金利を低くするキャンペーンが適用されたりします
おわりに
今回は、カードローンを利用するにあたって、それぞれのカードローンの特徴や違いについてご紹介しました。
カードローンのメリットは気軽に現金を借りられることですが、それが逆にデメリットにもなってしまいます。あまりにも便利なので、不必要なお金まで借りてしまいがちです。特に普段から衝動買いをするような方は、カードローンが必要なとき以外は自宅から持ち出さないように注意しましょう。
また、複数のカードローンを最大限に活用するのであれば、まずは銀行でカードローンを作って、それを使って消費者金融の残高を減らしておきましょう。そうすれば、必要なときに消費者金融の枠を使うこともできます。それぞれのカードローンを目的に合わせて上手に使いこなしましょう。

CFP/第一級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員1種/生命保険・損害保険募集人資格/日商簿記2級/日本FP協会 兵庫支部 運営選任委員/こうべ企業の窓口 イベント企画委員長/認定NPOはんしん高齢者暮らしの相談 正会員
大和証券(株)にて27年間に渡り延べ5,000件以上のお客様の資産運用や相続、事業承継についてのご相談を承る。お客様からのあらゆる相談に応じたいとの思いで独学にて勉強を続けた結果、2010年にCFP資格を取得。しかし、特定の金融機関に所属した立場での相談業務に限界を感じて2014年3月に大和証券(株)を退職する。
同年11月に中立の立場でお客様の思いを大事にする船津正明FP事務所を開設。 独立開業後は年間延べ300件以上に及ぶ個別相談を実践し、相談者のお金に関するお悩みを解決すべく尽力している。
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