車検代が払えない!相場はいくら?ローンでの支払いはできる?
車検代が払えないほど高い…
自動車を購入すれば、その後避けて通ることのできない車検。車検代が高くて払えない、と感じることも多いと思いますが、車検代の相場はいくらくらいで、支払い方法にはどのような選択肢があるのでしょうか。
今回は、車検そのものの他、車検代の相場や支払方法等についてご紹介します。
そもそも車検とは?
自動車は道路運送車両法という法律により、一定の安全性を満たしたクルマだけが登録され、公道を走行することができます。自家用車を新車で購入した場合、3年で車検を迎えることになります。その後、2年ごとに車検を通していくことになります。また、営業車であれば、1年ごとに車検を通すことが必要です。
車検を受けられる場所と法定費用について
ここでは一般家庭が所有するクルマの車検を例にしてお伝えしたいと思いますが、車検を行うのをどこにお任せするのかという選択がまずあります。つまり、カーディーラーにお任せする方法と、モータースやカー用品店にお任せする方法です。
それぞれの場所によって、サービスや価格が違うということは言うまでもありませんが、共通してかかるものとして法定費用と言われる自賠責保険や重量税があります。
自賠責保険は、戦後にクルマが多くなったことで交通事故が急増し、被害者が何も救済してもらえない事態が発生したことを背景として制定された保険です。クルマによる交通事故被害者の救済のため、クルマを使用する場合は絶対に加入しなければなりません。
ちなみに自賠責保険未加入の場合、事故を起こさなくても走っただけで行政処分点数が6点となり、免許停止処分となってしまいますので注意が必要です。
車検切れのクルマを運転するリスク
自賠責保険は、車検満了時と同時期に保険が終了します。自賠責保険が切れた状態で事故を起こしてしまうと、任意保険である自動車保険は使えないわけではありませんが、自賠責保険分は適用されません。自賠責保険は人に対しての保障のみで、死亡3,000万円、後遺障害4,000万円、傷害120万円という保障内容です。
自賠責保険が切れたまま事故を起こしてしまった場合、この自賠責保険の金額分は任意保険から差し引かれて支払われる形となります。つまり、仮に死亡事故の加害者となってしまい、1億円の賠償責任となった場合、任意保険からは7,000万円の給付となります。言い換えると3,000万円は免責となり、自己負担で支払わなければなりません。
ほとんどの方が3,000万円を支払うことは不可能だと思いますが、車検切れのクルマで自賠責保険が失効していたらこのような事態となってしまいます。クルマを運転すること、車検をしっかり受けることはとても重要なことであり、決しておろそかにしてはいけないのです。
車検代の相場はいくらくらいなのか?
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している月別販売台数で2018年度4~6月で1位になったトヨタ自動車のアクアを例に、どのくらい車検代がかかるのかディーラーに問い合わせてみました。
ディーラーの見積りは3年目の車検を受けた場合の仮見積ですが、法定費用も含め総額13万1,008円という見積りが出てきました。
作業内容としては、定期点検費用、ハイブリッドシステムチェックの他に、冷却液、ウォッシャー液、ワイパーラバー、エンジンオイル、エアコンフィルターの取替なども含まれています。
内訳としては部品代で3万5,438円、技術料で5万5,780円、代行手数料が1万2,960円、自賠責保険料が2万5,830円、印紙代で1,000円となっております。
車検はどこで受けるのがいいのか?
「ディーラーさんは車検代が高い!」
私がディーラーの営業マン時代に、お客さまからこのような意見を多くいただきました。確かに他のモータースなどと比べると高いと思います。
試しに近所のモータースでも車検代がいくらなのか聞いたところ、実際にアクアの車検を行ってお客さまにお渡しした請求書のコピーをいただくことができました。自賠責保険料はどこでも金額が変わることはないため、それ以外の部分が変わってきます。ちなみにそのモータースの請求書の合計金額は7万9,440円でした。
ディーラーの車検見積りが13万1,008円、モータースの請求書金額が7万9,440円。差し引きすると5万1,568円の違いがあります。これほど金額に差があると、「ディーラー車検は高い」と多くの方が思っているのも無理はありません。
しかし、総額だけを見て判断するのは禁物です。生命保険や損害保険でも同様のことが言えますが、大事なのは費用対効果がいいかどうか、本当に必要なものを満たしているかどうかです。
見積りには細かい文字が多く、なかなかじっくりと目を通す気にはなれないかもしれませんが、「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」という言葉があるように、目先の利益だけを見ることなく判断していくことを心がけた方がいいと思います。
車検代の中身と費用
では、実際に車検の中身を比較してみたいと思います。先ほども申し上げた通り、自賠責保険はどこで加入しても金額が変わることはありません。しかし、検査の代行手数料がディーラーは1万2,960円に対して、モータースでは1万800円となっています。この項目はどちらもやることはほぼ変わらないので、モータースの方がお得でしょう。また車検の技術料もディーラーでは2万2,680円に対して、モータースでは1万7,280円となっております。
また、推奨する整備の数にかなり差があります。ディーラーでは推奨する整備が19項目あるのに対して、モータースは9項目です。
項目数に違いがあるので、部品代や技術料に当然ながら差が出ますが、ディーラーでは部品代が35,428円、技術料が33,100円。モータースでは部品代が9,460円、技術料が4,860円となっております。
この推奨する整備の数が大きく違うので、そのまま金額の違いに反映されているわけですが、ディーラーは「このくらい整備していけばクルマは長持ちする」といいます。しかし、モータースからすると「そんなに部品を変える必要はないのでは?」という意見になります。ただ、推奨する整備に差があるにせよ、ディーラーの車検整備費用や点検の技術料が高いのは、ディーラーの人件費や設備費用などが高いからなのではと思います。
ディーラー車検にメリットはないのか?
ディーラーで車検を受けると高いから絶対に他で受けた方がいいのか、ディーラー車検に何もメリットはないのかというと、もちろんそんなことはありません。ディーラーで車検を受け、追加で費用を支払うと保証が延長できるプランがあります。
クルマは新車から3年もしくは6万キロまでは一般保証というものがあり、エアコンやパワーウィンドウが故障した場合にメーカー保証が受けられます。また、5年もしくは10万キロまでは特別保証というものがあり、エンジンなど絶対に走行に欠かせない部品の故障に対してメーカー保証が受けられます。
メーカー保証は万が一の故障時に非常に役立ちます。安心して車に乗るためには、保証は欲しいところです。なので、ディーラーで車検をするときには延長保証を申し込んだ方がいいでしょう。
逆にディーラーで車検をしないと、この延長保証はありません。ディーラー車検は先ほどのように技術料などは高いのですが、延長保証で安心して乗れると言うメリットがあります。
延長保証を申し込まない選択をするのであれば、モータースなどで車検を行った方が費用は安く済みます。
アクアの車検を行うトヨタでは「保証がつくしプラン」というものが用意されており、1万円ほどの費用を払えば保証の延長が可能です。
エアコンなどの部品が壊れた場合はすぐに1万円以上の費用がかかってしまうため、日々の生活費から突然数万円出すのは家計のダメージも大きいと思います。なので、このような保証延長プランに入っておいた方がライフプランニングも立てやすく、安心してクルマに乗れます。
車検代の支払い方法について
トヨタなどのディーラーでは、車検の支払いをクレジットカードで行うことができます。ちなみに車検の金額を教えてくれたモータースでは、現金で支払うことしかできないそうです。
クレジットカード支払いのメリットとしては、ポイントが付くということが挙げられます。クレジットカードで払っても、その分手数料を取られるわけではないので、口座引き落としや現金で払うよりクレジットカードを使ってポイントを貯め、有効活用した方がお得です。
ただ、「クレジットカードで支払うとお金を使った認識が薄い」という方がたまにいらっしゃいますので、しっかり管理できない方にはカードを使うことをあまりおすすめしません。
トヨタのディーラーでは車検の支払いはどのカードでも使用可能ですが、トヨタのティーエスキュービックカードでの支払いだとさまざまな特典が付くことから、ディーラーの営業マンもよくおすすめしてきます。
まずポイント付与率がお得であり、車検時にティーエスキュービックカードで支払うと車検の技術料を5%引いてくれます。
クレジットカードでの支払い方法について
クレジットカード払いでは多くの方が一括払いを選択されると思いますが、車検で部品交換をしないと車検が通らないケースもあり、予定以上の出費になる場合があります。
車種にもよりますが、例えばタイヤの溝がなく、タイヤ4本交換となると10万円以上になることもあります。車検代が合計で20万円以上になるケースもあり、それを一括払いで引き落としされると口座残高が厳しい時もあるかもしれません。そのようなときは、まず一括払いではなく2回払いを検討してみましょう。クレジットカードは2回払いまでは手数料がかかりません。
また、他に手数料がかからないものとしてボーナス1回払いもあります。これは、1月または8月に一括して支払う方法です。
例えば1月にカード利用した場合、8月に口座から引き落とされます。最大で半年ちょっと支払いを先延ばしできますので、現在は口座にお金がないけど半年経過すれば大丈夫という時に利用するといいと思います。
ただ、あくまで先延ばしするだけですので、ボーナス月にきちんと支払いできるように計画することが必要です。また、ボーナス払いにしたことを忘れないように注意しましょう。
クレジットカード払いでも車検代が払えないときはローンを利用
クレジットカードでも支払いが厳しい場合や、モータース車検などでクレジットカードが利用できない場合もあるかと思います。そのような時はお金を借りる、つまりローンを利用することになります。
ローンの種類は担保があるローンと担保のないローンに分かれます。担保があるローンは、万が一返済できなくなってしまった場合、担保のものを差し押さえられるローンです。貸す側のリスクが少ないため、担保がある分だけ金利が安くなります。
その一方で、担保のないローンは返済ができなくなったときに、何も差し押さえられません。なので、担保があるローンと比べ、どうしてもそのリスクを取るために金利が高くなります。
担保のないローンのメリット・デメリット
担保のないローンのデメリットは金利が高いことであると先ほどもお伝えしましたが、逆にメリットの1つとして、使い道が自由ということがあります。住宅ローンやマイカーローンなどは使途が決められており、他のものに使用することはできません。ただ、担保がない分、個人の信用力次第で利用可能か決まるということです。
また、担保のないローンは大きく分けて2種類あります。銀行が取り扱っているフリーローンと、専用のカードを作って融資を受けるカードローンです。
フリーローンの方が金利は低めですが、一度借りてから二度目を借りるときには再び審査が必要になります。その一方で、カードローンはフリーローンよりも金利が高めですが、一度審査に通った限度額の範囲内であれば、審査なしで再度資金を借りることも可能です。
また、金利は高めですが、消費者金融系のカードローンは融資時間目安を最短1時間と謳っておりますので、どうしてもすぐに資金が必要という時には選択手段になるかと思います。
クルマは車検代以外にも維持費がかかる!計画的に貯蓄をしておこう
今回は車検代の相場と支払い方法についてご紹介しました。
何年クルマを乗る予定なのかによって、どこで車検を受けるのか選択するといいと思います。また、どのくらい部品交換をするのか、ディーラーもしくはモータースの担当者とよく話し合うことが必要です。
クルマには、車検以外にも自動車税やタイヤ交換など多くの維持費がかかります。計画的に貯蓄しておくことが一番大事ですが、昨今では自動車保険が非常に使いづらくなっており、突発的な事故で思わぬ費用が必要になるケースもあります。そのようなときには今回ご紹介した支払い方法などもありますので、どの方法をとるのが一番いいのかよく考えて行動していただけたらと思います。
CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
まえはらFP事務所 代表
大学卒業後にトヨタ系ディーラーで営業を行い、その後、生命保険業界に転職。CFP®の資格を取得しファイナンシャルプランナーとして経験を積み独立。
個人のライフプラン、保険の見直し、資産運用、住宅購入診断、相続対策をメイン活動中。また、法人の財務のアドバイスも行っている。
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